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能無しの俺が全てを覆すまで~  作者: ノブ
第一章 始動
4/5

試験の森

この章も基本、胸糞展開です。


アルバーン王国から少し離れた小さな森〈ラックフォレスト〉で剣術の実技試験は行われようとしていた。名の由来はラックという人物が植えた種から森になったといわれているためである。


ラックフォレストは面積はそんなに広くないものの程よく入り組んでおり、弱いが魔物も存在するため、実技の訓練にはもってこいなのである、しかし、何故、魔法の実技試験をここでやらないのか、それは魔法だと森林を破壊しかねないからであり、そのため原則この森では魔法の使用を禁止している(剣術のみに専念させるためでもある)


剣術の実技試験は剣術とは名ばかりの総合的な戦闘能力を図るための試験と考えると分かりやすい。


内容は限られた時間で森にいる魔物を何体倒せるかという至ってシンプルな内容である。また試験には倒す魔物は最低何体などの目安があり、それ以上で及第点と認められる。


倒した証拠は魔物を倒すと魔物の体内から発見できるコアと呼ばれる物質を持ってくること。コアは魔物によって形は様々だが、基本的に鉱物のような形状なので見ればわかるといわれており、コアは魔物にとっての魔力の源であり、日常品の道具などの動力源とし応用されることが多いため非常に重宝されている(そのためこの試験は、コアの回収の意図も含まれている)


そうこうしている内に試験が始まろとしていた。


「今度こそたくさん魔物を倒して、及第点を取ってやる!」


そう気合いたっぷりに意気込み、持っている剣に力が入るアキトに嫌みな声が聞こえてきた。


「おいおい能無し~能無しの努力は見てるとこっちが辛いんですけど~」

「パトリック・・・!」


そう嫌味に声を掛けてきたのは3組のパトリック・サワーズである。持っている槍を肩に乗せながら、取り巻きを引き連れ、不快な笑みを浮かべ、近づいてくる。


「てめえなんかに言われる筋合いなんてねぇんだよ!」

「いやいや、普通お前が及第点もらえるわけないだろ(笑)現実見ろよ、落ちこぼれの5組の中でもダントツでビリのお前に誰が期待するんだよ」

「それ言いすぎじゃね?まあ事実だけど」

「確かに~」

「ぐ・・・!」


好き放題バカにし、取り巻き逹とゲラゲラ笑うパトリックに怒りが爆発しそうになったが、事実は事実なので否定することができない。パトリックは名門の貴族出であるため非常にプライドが高く、特に自分より能力、家柄が劣る者には非常に高圧的だ。年齢が同い年ということもあり、余計にアキトをバカにした態度とる(クラスは3組と真ん中レベルなのだが、アキトよりも、実力は上なので、上から目線なのだ)


「今に見てろてめら!絶対に俺だってやればできるってところ見せて、見返してやるからな!」


そう怒鳴り付けるも、パトリック逹はバカにしたように笑いながら行ってしまった。


「クソッ・・・・」


悔しげに持っている剣に力が入る。すると心配そうにゲイルが話しかけてきた。


「アキト大丈夫?」

「ああ」

(こいつ、パトリックがいなくなったのを見計らって喋りかけてきたな)


今さらといわんばかりのタイミングで話しかけてきたゲイルのその臆病さに怒りより呆れを感じてしまうアキト(ちなみにゲイルの武器は大型のハンマー)


「パトリックって嫌味な奴だよね 人の気にしてるとこばかり、バカにしてさぁ」

「そうだな」


そこばかりはアキトもゲイルに激しく同意だった。元々アキトは特別な家柄でもなく、守ってくれる者もいないため、こういったことには慣れっこではあるが、あそこまで露骨にバカにされるとさすがに頭にくる。


「俺にもっと力があれば・・・あんな奴等に!」


そんなことを考えていると、試験管の声が聞こえてきた。


「これより剣術の実技試験を始める!各自準備をするように!」


その声を聞いたアキトとゲイルは開始地点まで向かった。


試験開始地点はラックフォレストの入り口であり、そこから森に入り、試験が始まる。


「これより実技試験を開始する 制限時間は3時間 魔物の数の最低基準は3体以上で及第点とみなす では・・・・・開始!」


その声を合図に1から5組の総勢1000人以上の生徒が森の入り口から森に向かって勢い良く入っていき、アキトも遅れまい、森に入っていった。





試験から1時間半がたとうとしていた。アキトは魔物をまだいまだに一体も倒せていない。それらの理由は、生徒の大半は探索魔法を使用して、魔物を探すのに対して、魔法に適性のないアキトは自力で見つけるしかないため他の生徒より時間が掛かってしまうのだ。


「クソッもう時間が半分以上たってる!急がねえと!」


試験管に渡された時計を見て、苦々しい表情をするアキトに対して、時間は残酷にも刻々と過ぎ、2時が過ぎた頃、ようやく目の前に小さなウサギに似た魔物を4体も見つけ、剣を構えるアキト。


(これが最後のチャンスだ!こいつらを一気に仕留めれば及第点に届く!絶対に逃がさねぇ!)


心の中でそう自身に言い聞かせ、一気に4体に目標を絞る。


ダンッ!


地面を力一杯蹴り上げ、一気に斬りかかる。


ブシュッ!


肉の斬れる感覚が手に伝わる。その瞬間獣の叫び声が森に響く。


「ギシャァァァァァァ!!!」


ウサギの首を勢い良く連続で斬り裂き、4体の内の2体は仕留めたものの、他の2体は斬り裂いた瞬間に逃げられてしまった。他の2体への斬撃は浅かったようだ。


「クソッ!半分逃げられた・・・こいつらだけじゃ・・・」


半分仕留め損なってしまい、チャンスをものにできなかったアキト、2体だけでは及第点には届かない普通3体は仕留めれて当たり前なので及第点に程遠い数だ。


ビーー!ビーー!


そこに時計のアラームが鳴り出した。試験が終了したということだ。


「ちくしょう・・・ちくしょうーー!!!」


アキトが森の中で、悔しげに叫びなからも、試験終了の合図のアラームが森の中の各地で鳴り響いていた。











次は試験の後の話からセフィについて描こうとおもいます。

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