表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

23/109

023《BKBの規定違反》

番外編11

 第36回伊立市パンポン大会。

 BKBは観光バスに待機していた。

 チームZ650から国分寺・高崎・笠戸・栃木・甲府・戸塚・茂原。

 チームZEPHYRから横浜・土浦・折笠・山崎・日高・豊浦・高砂。

 この日のために新調したチームのユニフォーム。

 ピンクのハーフパンツ。

 スニーカーに白のハイソックス。

 スポーティーなサンバイザー。

 梅雨の合間の晴天に、日焼け対策も怠らない。


 BKBに用意されたエキシビションマッチ。

 登場と同時に会場は大盛り上がり。

 メンバーそれぞれがマイラケットをカバーに入れて持参。

 BKBでは手芸がちょっとしたブームになっていた。

 個性的でカラフルなカバーが多くの耳目を集める。


 エキシビションマッチは、先鋒・次鋒・中堅・副将戦までがダブルス。

 大将戦のみシングルス対決の変則マッチ。

 BKBの出場メンバーは、

 Z650から国分寺・高崎・笠戸・甲府・戸塚・茂原。

 ZEPHYRから日高・豊浦・高砂。

 相手は伊立一高パンポン同好会の高尾直妃。

 悦嘉大学パンポン部長の山手美樹以下の部員たち。

 大会にエントリーした同世代の女性からピックアップして、

 パンポンドリームチームを結成した。


 主審は伊立一高パンポン同好会顧問の佐貫那々珂が務める。

 今日は彼氏も来ているが鼻の下を伸ばしながらBKBに首ったけ。

 怪しからん!


 TV番組の収録も行われるので、

 スタッフが何かと仕切りたがる。

 番組MCのBKB公式お兄さんの芸人もしゃしゃり出る。

 先鋒が紹介された。

 BKBからはZ650の高崎鈴と笠戸菜月。

 番組的にもパンポンのイロハを伝える役目を持つ。

 いつもにこやかなお笑い担当の「たかりん」こと高崎。

 クールビューティーで占いが得意の笠戸。


 審判員によってラケットの確認が行われる。

 高崎はこれ見よがしにマイラケットを取り出した。

 ラケットにはそれぞれのキャラに見合った装飾が施されている。

 笠戸と二人でラケットを構えながら決めポーズ。

『おおっ?』

 歓声と戸惑いが入り混じる。

 たかりんは調子に乗って次々にポーズを変える。


『ピピッ!』

 主審の佐貫が二人を制する。

「パンポン競技規則 第3条 ラケット。

 第2項② みだりに着色、塗装してはならない。

 そのラケットは試合に使えません」


『ええ~~~っ』

 高崎・笠戸、番組スタッフにファン。

 彼氏も観衆と一緒になってブーイング。

「これもダメなんですか?」

 次鋒の甲府丘芽・日高未可子。中堅の戸塚日夢・豊浦織彩。

 副将戦の茂原このみ・高砂仁美もラケットを取り出した。

 全てにカワイイ装飾が施されている。

「この試合だけ何とかなりませんかね……」

 番組スタッフも懇願するが、副審のパンポン協会役員もおかんむり。


「駄目よ。これではパンポンとは言えないわ」

 国分寺美香が時の氏神となった。

「……あなたたち、装飾はカバーだけ、ってあれほど言ったでしょう」

 自らの使い古されたラケットを颯爽と取り出す。

『ピピッ!』

 主審の佐貫が国分寺を制する。

「そのラケットの側面にも着色、塗装が認められます。

 従って試合に使えません」

「ええっ、いつもこのラケットでパパと試合していたのよ。

 このくらい良いじゃない」

 ピンクの縁取りのラケットを振りまわすが、

 認められるはずが無い。


 結局、山手美樹部長の申し出により、

 対戦相手の悦嘉大学パンポン部員たちが、

 ラケットを提供して試合を行う事となった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ