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107《乙女のAB大人のC》

番外編53

◇◆◇


 小木津亜弥(B)が助け船を出す。

「美香(B)は私(B)の親友です。良く遊びに来るから」

「どうして、あなた(B)の所へ遊びに来たのに、

 彼と噂に?」

 同級生二人(BとギリギリC)も取材陣の前に引き出される。

「噂なんて知りません。

 でもBKBなんかと付き合っていない事は、

 みんな(AかB)が知っています」

「どういう事ですか?」

「あなた(B)が付き合っているのですか?」

 真っ赤になる分かりやすい亜弥(B)。

「そ、そ、そ、そんなこと……」

「待て、晴貴! 私(C)と結婚するんじゃなかったのか!」

 満を持して西中郷素衣(C)がしゃしゃり出る。

 呆気にとられる女性記者(C)。


「こんな小娘(B)のどこが良いのよ、

 アンタ、晴貴は年上(C)が好きなんだぞ!」

 西中郷(C)は胸を張り、女の魅力を誇示する。

「何よ、いきなり……、

 ちょっと待って、相賀君、

 そういえば去年ウチに来た時、

 私のお母さん(C)口説いていたわよね」

「いやどうも」

「林檎ちゃん(A)がいながら、

 年増(C)に手を出したのか」

 高萩直(C)も悪乗りする。

「年増(C)とは失礼でしょう。

 あなた方(C)より若いわよ」


「林檎ちゃん(A)って誰ですか?」

 女性記者(C)が尋ねる。

「晴貴の彼女(A)よ」

 高萩(C)が腕を組んで亜弥(B)に見せつける。

「元・彼女(A)です」

 亜弥(B)は胸元を隠すように背を丸めて訂正。

「今は自分(B)だって言いたいのね、子供(B)のくせに」

 西中郷(C)は勝ち誇ったように胸を張る。

「いやどうも」

 他に相賀晴貴のセリフはない。


 亜弥(B)は心で誓った。

『どうせ下着で補正しているんでしょう。

 ……牛乳飲もう、キャベツも沢山食べよう』

 多賀冬海(ギリギリC)は胸を張るべきか、

 背を丸めるべきか迷っている。

『晴貴君は大きめが好きなのかな。

 同級生(AかB)の中では、私(ギリギリC)が一番だけど……』

 入学当初から比べれば、ゼイ肉はだいぶ絞れている。

 西中郷(C)は亜弥(B)を見下す。

『10年早いぞ、小娘(B)め!』

 高萩(C)は亜弥(B)を品定め。

『可愛いけれど、線が細すぎ。

 いまどきの娘(AかB)が良いのかな、

 晴貴も焼きが回ったようね』


 いつの間にか、騒ぎを聞きつけた五人娘(全員B)が、

 口々に亜弥(B)を擁護。

「大人になったら、負けないぞ~」

「でかけりゃいいってもんじゃないぞ~」

「女の魅力はそこだけじゃないぞ~」

「お肌ピチピチ若さなら負けないぞ~」

「トードスノウカルナバルエオウザード」


『噂はガセね……。

 このインタビューは、使えないな』

 途方に暮れる女性記者(C)。


 成沢遥香(B)が血相変えて飛んで来た、

 晴貴の前にスッと立つ。

 さすがお姉様(B)、ピンチを察して駆けつけたか。

 しかし……。

 遥香(B)は涙を、ポロリと零す。


◇◆◇


 ……この世界には『Cカップ』より大きなバストは存在しないのだ。


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