好む物
──「奴」から私は避けていた……だから、だから此処で──
師匠が片道切符の旅に出掛けてから数週間過ぎた頃だっただろうか。
私は、そいつから電話を貰った。
内容は「相談がしたい」なんて単純なもの。
私は快諾し、明日会うこととなった。
相談の相手は、戸村という15歳の男。
「どうせ、相談なんて大したものではない」
私は、叶うことのない希望をしていた。
翌日、彼は朝早く来た。
これまで、暑い日でさえも実際に会う時は、肌の露出を避けていた戸村。
その彼は珍しく涼やかな格好をしていた。
──特に彼自身の肌、所々青黒い肌はその涼やかさを引き立て、私自身も涼しくされた。
「先生……俺、いや……あの……」
戸村の声は、か細く今にも潰れそうだった。
私は、こういう奴からはめんどくさい事しかないだろうから避ける事を好んでいた。
自分にも、何かあるかもしれない可能性…特にこういう奴との関係を絶つことで限りなくゼロに近付く……だが、そんな自分の為だけの事を求めなかった。求めてはいけなかった。
「……とりあえず中に入れ」
私は自分の好む逃げ道を意識的に塞いだ。
──分かりきった未来を変えろ
時間がかなり経ってしまいました。GWにかけて1話1話短くともかなり書くつもりですので、よろしくお願いします。