スクール オブ ターゲット
優子は二人に寮の近くまでの道程を教え、講義の30分前にたどり着いた。
『風呂に入る時もそれを着けておいた方がいいから』響介はロザリオを指差しながら言った。『はい、分かりました。それじゃあお元気で!』そう言うと優子は寮に走って行った。『よくもまぁ学校に行けるなぁ昨日あんな事があったのに、俺だったら家に閉じこもるぞ』真介は響介に話しかけた。『俺もそうかも知んない、けどあの娘、強いな』『あぁ、普通ならこの力を使うと思うけどあの娘の場合使わないどころか人間として生活したいみたいだし』二人は走る優子を見た後、昨日逃がした吸血鬼を捜しに車を走らせた。『優子、どこ行ってたのよ寮に戻っないから心配したのよ』同じ日本人留学生の楓が優子に駆け寄ってきた。『ごめんね。あのあと道に迷っちゃって親切な人達の家に泊まらせてもらったの』『ふ〜ん。変な事されなかった?』楓はにやけながら優子に聞いた。『さっされてないよ、アハハハ』苦笑いしながら質問に答えた、言えるはずはない、あのあと銃で撃たれて自分は吸血鬼になったなんて。『そっそんな事より講義に遅れるよ早く行こう』話を逸らして学校に向かった。
時刻は午後5時50分。『ふぅ〜やっと終わった』午後の講義が今やっと終わった。『ふぅ〜終わった終わった。優子これから飲みに行かない?』『いいよ今日は、疲れ過ぎたから寮に戻って寝てるね』当然である。昨日の夜から今日の朝にかけて人生を180度も変えられたのだから。寮の2階、階段を昇ってすぐが優子の部屋である。優子は部屋に入ると着替えずそのまま倒れる様にベッドに入った。『あの二人今何やってるかな?』寝る直前にあの二人の事を思い出した。その頃、あの二人は今だに吸血鬼を捜していた。
『やっぱり昨日最後に逃がした場所に戻って来たわけか、それ以外の場所で吸血鬼の匂いはしないのか』吸血鬼である真介は嗅覚が発達しており、それを使って今は吸血鬼を捜している。『ここが一番匂うんだって、手分けして捜すぞ』『わかった』二人は別々の場所で手掛かりを探した。しばらく経った後、響介は手掛かりを見つけた。『おーい、見つけたぞ』真介は響介の所に駆け寄った。『これ、野郎の身分証明書だろ?』『職場先も書いてるぞ、えーっと、あれ?ここって確か優子ちゃんが通ってる学校じゃないか』『今行って奴がいると思うか?』『わかんないけど一応張り込んでみるか』二人は車に乗り込み優子の通ってる学校に向かった。
午後8時50分『う〜ん、お腹空いた。』腹の減り具合で起きると言う謎の理由で起きてしまった。優子は部屋を出て1階の食堂へ向かった。階段を下りる途中優子は教室に忘れ物をしたことを思い出した。『あ〜どうしよう一人で行くのやだなぁ〜』そこにちょうどよく飲みに行っていた楓が寮に戻ってきた。『どこ行く気?もしかして昨日の親切な人ん家?』ほろ酔い状態になっていた。『違うよもう。あっそうだ、ちょっと忘れ物したから教室まで付き合って、 お願いっ!』暗い学校の中を一人で行くのはやはり怖いが二人なら怖さが半減されると思う。『教室まででしょ?わかったじゃあ行こ♪』そう言うと優子と楓の二人は夜の学校に行った。『おーいなんか変化あったか?』響介と真介は学校の前に張り込みをしていた。『暇なぐらいなぁんもないなぁ〜』『なあ、優子ちゃん今何やってると思う?』とにかく暇であるから真介は響介に話をかけた。『テレビ見てんじゃない?』会話が続かない。『彼氏いるのかな?』『さあ〜』やはり続かない。『お前会話続けろよ!』っとその時である。
「「きゃあああああっ!!!」」学校の方から悲鳴が聞こえた。響介と真介は目を合わせ車から出て学校の中に入っていた。