異変
どれだけ時間が経っただろうか。
友人達か質問をし、指が動きこっくりさんと呼ばれるものが答えていく。
美緒は体の震えが止まらなかった。
ただでさえ怖がりの自分が、この様な得体の知れないものに手を出しているのだから。
美緒は一刻も早くこの時間が終わることをひたすら願っていた。
「じゃーほら、次美緒の番だよ。質問。」
「えっ。し、質問・・・?」
「考えてなかったの?ほら、好きな人の事とかなんでもいいからさぁー」
こっくりさんが終わることしか考えてなかったのだ。質問など考えているはずもない。それに好きな人という存在さえもなかった。
「えっと・・・じゃあ、私のことを好きな人ってのは・・・どうかな?」
「何それぇ、まぁいっか。じゃあこっくりさんに質問して?」
「こ・・・こっくりさん、えっと私のことを好きな人って、いますか・・・?」
美緒が質問を終えた。その直後だった。その場にいた5人全員が顔を真っ青にする事態が起こった。
「え・・・ちょっと、何これ・・・!?誰か力入れてんの!?」
コインは質問の答えを示すことはなかった。
ただひたすらに5人の指を乗せたまま、紙の上をでたらめに走り続けた。
5人は焦りながらもとにかくコインが止まるのを待った。しかしコインは動きを止めない。 そのうちに友人の一人がさらなる異変に気がついた。
「ねぇ・・・これって、文字書いてない?」
死
紙の上のコインは、ずっとこの一文字を書いていた。