アリス幻想あるいは鋼鉄の処女。アリス幻想試論
アニマとしてのアリス
それはあるいは、、
人魚姫が永遠に男の憧れであるかのように、
ドロシーであり
ゾフィーであり
グレートヒェンであり、
生身の少女のアウフヘーベンされた
アニマそのもののアリスなのでしょうね?
それはすでに生きている人間としての
少女ではないのです。
おそらくは夢想の楽園に花の蜜を吸って生きている
妖精アリスでしょう。
そうした妖精アリスが
詩人や小説家の
ミューズとして
作品の天啓として
稀有な文学に昇華されれば
それは
まさに天上のネクタルなのでしょうが
だが
満たされぬ思いが
嵩じて
詩人が突如
現世に召還されるなら
そこには恐ろしい奈落待っていることも事実でしょうね。
妖精アリスは
その時
恐ろしい魔女ビヨンデッタに変身して
あなたのアニマ幻想を食い散らかすのです。
あなたの影を奪い取り
あなたの狂悩に油をそそぎ、
あなたを破滅へといざなうのでしょう。
そこには
鋼鉄のとげが鎧われた
アイアンメイデンが
無機質な拷問を加えようと
冷たく待ち構える。
鋼鉄の処女は
あなたを羽交い絞めにして
鉄のとげを肉に食い込ませるだろう。
そして
あなたを死の淵に放り込むのだ。
妖精女王から
アイアンメイデンへと
人は
その
アウフヘーベンの
位階に応じて
このような
滅びの道程を
たどるのでしょうね?
アリスはまた
一皮むけば
その下には
鉄のとげのある
アイアンメイデンでもある。
アリス、、イコール、、アイアンメイデン、、
それの現れ方は
ひとえに
あなたの側の
意識の階梯の、
次元の高下によるのでしょう。
願わくば
わが魂の
魔の次元が決して
支配しませんように、、、。
そして
アリスの面貌が
決して
アイアンメイデンに
豹変しませんように、、、
そう祈るばかりです。