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獣人の詩  作者: Lyuk@
序章
4/4

出会い2


 どうして、やさしくしてくれるの?

 獣人のわたしなんかに。


 その疑問をふりはらい、男の人を見た。


「あの、助けていただいてありがとうございます」


「いいよ、あれくらい、当然のことをしたまでだ」


 男の人はにっこり笑い、言った。


「さて……家どこ? 送るよ」


「いえっ、そんな……! 大丈夫です!」


「こんな暗い中、女の子を一人で帰せるわけないでしょ。さ、どこ?」


 獣人のわたしが、人に頼るなんて、そんなこと。


「わたし、獣人ですし、帰っても心配する人なんかいません」


 すると男の人は急に怒ったような顔になった。


「獣人だかなんだかでそんなこと言わないでくれ。君がいなくなったら僕は心配するさ」


 そして男の人は泣きそうなわたしの頭を撫でた。


「さ、君の家はどこ?」


「この通りにあるナタルー家に雇われています」


「ナタルー家……?」


 男の人は手で口を覆い、何か考えていた。


「どうかしましたか?」


「いや、なんでもないよ」


 そういって、男の人はわたしの手を握った。


 赤くなっているわたしを見て、男の人は笑う。


「かわいいね、君」


「かわっ……!?」


 あはは、と男の人は声をあげて笑った。


「かわいいよ、とても」


 暗くて見えなかったが、男の人がほほえんだ気がした。 

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