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始まり 2
洗濯物を洗いながら、わたしはここまでの自分を振り返っていた。
わたしは二年前、この家に下女として雇われた。
獣と人の混合種の獣人は、人より低俗な生き物として扱われた。
わたしは犬と人の混合種だ。
そして、獣人はひどい差別を受けていた。
わたしも、この家――ナタルー家に雇われるまで、人から石を投げられたり、水をかけられたりした。
雇われてからもさほど状況は変わらないが、雇われる前よりはましだ。
「ラス、ラス!?」
ノア様の叫び声で、現実に引き戻された。
「はい」
ノア様が近づいてきた。
「買い物に行ってきてちょうだい。一つでも忘れたら、承知しないわよ」
ノア様は私に紙切れを渡した。
細かい字で買うものが書いてある。
「わかりました」
一言返事して、館を出た。
めっちゃ短くて済みません!!
次回は長めの予定です。