これは「過去」の話です。
俺がいるこのクラスは俺に対して厳しいと思う。
気のせいかもしれないが
俺がい後ろの席のやつにプリントを渡そうとすると
シュバッ と即座に俺の手から奪おうとしてくる。
俺と日直になったやつは一瞬いやな顔をする。
中森はもっとひどいと聞くが・・・
こんなことになったのは入学当初のことだ。
4月6日 入学式
春休みは遊びまくった。
今までの休みの中で一番楽しかった気がする。
深夜遅くまで起きてパソコンなどをしていた。
そのせいか 高校に向かう足は重い。
しかし、高校生活に期待がない訳でもなく
それだけを頼りに学校へ歩いている。
学校に着くなり いきなりクラスが発表されていた。
幸いたった一人の俺の友達、中森と同じクラスだった。
高校で寂しく一人ぼっちになることはないだろう。
俺の高校は私立高なだけあって 校舎はでかい
それは 入学式の会場もだ。
話は変わるが 入学式とはなんなんだ
聞いてるやつはいるのだろうか
いないだろ
まずいないだろう
いるはずがないんだ
どっかの生真面目がしっかり聞いてるやつもいないことはないが(ごくまれだが)
「わたし、校長先生の話聞くのが趣味なんです~」
そんなやつがいたら
俺は殺すね 暗殺するね ぶん殴るね
校長の話なんて聞いて役に立ったことがない(聞いてないから 役に立つ以前の問題だが)
そんな話を長々と話されるのは
いじめだ 拷問だ 嫌がらせだ
そんな理由で俺は入学式なんぞ嫌いだ。
嫌いなんだ・・・・・・・・・!!!!
そして今「馬鹿でかい会場、大人数の生徒」でピンと来た
寝てもバレねぇんじゃね
バレナイヨネ バレルハズガナイ
だから 今 学校長が話している中
それを実行しようと決心しながら
同じことを考えてるやつがいないか周りを見る
俺と同じナ行の中森を見ると・・・
「こいつ、すでに寝てやがる・・・・」
HRなう
このクラスで初めてのホームルームだ
高校生だ 俺たちは高校生なんです
俺だけかもしれないが高校生になって 自己紹介なんてしないだろうと思っていた。
案の定、出席番号の後ろの奴から自己紹介することになった。
なぜ後ろからだと言うと
出席番号が前の奴と後ろの奴がじゃんけんして後ろの奴が負けたのだ
そんなことはどうでもいい
何で今更自己紹介なんてするんだ!
俺には自分のアピールできるもんなんて一個もないんだ
とか心の中で叫んでいる間にも
俺の順番は刻々と迫ってくる
どうする・・・ どうするんだ俺・・・・!!!
そして ついに
ついに
俺の番が回ってきやがった
仕方がない・・・ やるしかないんだろっ・・・・!
勢い良く立ち上がった
クラスのみんなの視線が俺に集中する
「どっどうも はじめまして 波方策です」
ココまではいい 問題は自己アピールだ
さっきも言ったがアピールのレパートリーなんて持ち合わせちゃいない
考えろ 意識を集中させろ 思いつけ
「すす好きな言葉は・・・・・・・」
やっちまったー
好きな言葉なんてネェよ
だが 言ってしまったモンは仕方がない
なにか いい言葉はないか・・・・・・・
「えっー好きな・・・言葉は・・えー」
だめだ 思いつかない
クラスのみんなは 「早くしろよ」みたいな雰囲気をかもし出してるし・・
「好きな言葉は・・・・ききき 既成事実ですっ!!」
『ええっ・・・・・・・・・・』
クラスの中からそんな声が聞こえた。
一部は国語辞典を手に取り「ふーん」と言い(少数)
一部は苦笑いし
一部は俺から目をそらし
中森は大爆笑している
現在の俺は燃え尽きるなんてもんじゃぁなかった
木っ端微塵だよ。跡形もないよ。
自分でもなんであんなことを口走ったか分からない
まぁコレがクラスから冷たい目で見られる第一の理由になったことは
間違いないだろう
ついでにだが
中森の自己紹介のとき
「中森優でーす! 好きな言葉は『漁夫の利』でーす!」
と言った時にはマジであいつを尊敬したよ。
トホホ