「イベント」は不発でした。
朝のHRが終わりあることに気づいた俺は
怒りに怒っていた。
先生が出て行った瞬間に
「おい中森、どういうことだ!!」
中森の机をたたきながら叫んでいた。
「おいおい 急に怒るなよ。」
「ふざけるな!転校生は違う学年じゃねぇか!!」
そう、転校生のイベントは違う学年だったのだ。
俺の希望は粉々に砕け散ったのである。
「しかも、あの転校生・・・・」
「しかも?」
俺は拳を握り締めて言った。
これだけはこいつに言ってやらなければ、俺の気が治まらなかった。
「ブスじゃねーかぁ!!」
「ひどっ!?」
教室の生徒全員の視線が突き刺さった。
この人数の冷たい目線はちょいと厳しいモンがある。
だから、少し自重して小さな声で喋ることにする。
「策さんよ~ 俺は確かに転校生が来るとは言ったが、何もこのクラスだなんて言ってないぜ。」
「しかしっ、俺の気持ちを踏みにじったのには変わりないっ」
こんな口論は珍しいことではない。
だからか、教室のやつらも特に気にしてはいないらしい。
みんなは一時間目の授業の準備を開始している。
「ご立腹なのはいいが一時間目は移動授業だから早く準備した方がいいんじゃね?」
あ、今日の授業は体育からだった。
あわてて体操着をもって、着替えるための教室に駆け出した。
あわてたのはこの教室から着替える教室までくそ遠いから。
しかも、体育の先生は厳しく 1分遅れるたびに
校庭十週といういつの時代だよっとみんなに突っ込まれてる先生なのだ。
そして 放課後
俺らはいつもの帰り道を歩いていた。
そこは、コンビニも少なくあるのはフレンドリーなおばちゃんが経営する駄菓子屋ぐらいだ。
それで二人とも電車通学なので 駅に向かってるところだ。
俺たちの駅は快速も準急も止まらず
各駅停車に乗るしか目的地にいけないという学生泣かせの駅だ。
そのせいか、この駅を利用するやつだけ 遅刻率がすこし高い。
「うぅ 古傷が痛むぜぇ・・・!」
「今日の体育の持久走で激しく立て回転しながら壮大こけたからな。」
中森は走ってる最中何につまずいたか知らんが
急に空高く飛び上がり 2回転半まっわて地面にズッコケたのだ。
「はっ恥ずかしい話をするなっ!!」
といって 軽く殴りかかってきた。
誰でも殴られるのはいやなので。
「・・・・シャイニングフィンガー」
と やつの拳を交わしつつも 平手打ちをかましてやった。
すると
「ゴブっ・・・」
といって 鼻を押さえながら後退していった。
その後、体勢を立て直した中森は
手で鼻血ぬぐい、それを見て ニヤリ
「くっ貴様 この私に血(鼻血)を見せるとはなかなかの・・・」
「はやく帰ろうぜ。」
「はい・・・・・・・」
何か落ち込んだ様子で 中森は俺の前に出ることなく駅まで歩いた。