《箱》…p.3
俺は全てを見下す傾向にある。
幼い頃から習い事は多く、
それらを完璧にクリアしてきた俺は褒められて生きてきた。
そのせいか褒められる快感は麻痺してしまい、満足もしなくなった。
だから小さな事で喜び、はしゃいでいる人を見るとどうしても冷めてしまう。
つまり俺は冷たい人間という事になる。
面白くもなんともない世界…
現実世界で学校に行かなくなったこんな俺を
心配して訪ねてくる友達など当然いるはずもなく。
持っている携帯なんて鳴らないどころか
いつ充電したかも覚えていない。
最近は登録無料のゲームは腐るほどある。
同じく腐るほどある俺の無駄な時間は
自動的にそれに充てられた。
ゲーム内にもう一人の自分を創り、自由に動かす。
だが自由と言ってもやはりゲーム、限界がある。
どんなジャンルのゲームも結局は同じ。
武器を揃え、レベルを上げて、仲間を作って悪を倒す。
色んなオプションはあるとしても
根っこの部分はどれも同じなのだ。
「このゲームも飽きたな…」
セーブをしてパソコンの電源を落とした。
恐らくこれを再びする日は来ないだろう。
こうして簡単に創られたもう一人の自分は
こうも簡単に葬られていく。
神様からすれば俺もその程度の存在なのかもしれない。
世界からすれば俺が少し暴れて泡立てた位じゃ
何も変わらないちっぽけな存在なのかもしれない。
かもしれないじゃない。
そうなんだ。
なら何故生きている?
なら何故造ったんだ?
俺が神様なら自分の造ったキャラが
勝手に消えたらイラっとするだろうな。
勝手に生み出したんだ。
消える時位自分の意思で…
神様に一矢報いるのはこれしかないな。
よし、ロープを探そう。




