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世界の悪。魔王の力。

第八話

朝の食卓


▶︎ リオン・リヴァイア


朝だった。


窓から差し込む光が、床をやわらかく照らしている。

焼いたパンの香りと、温めたスープの湯気が、部屋を満たしていた。


いつもの朝。

変わらない食卓。


リオンは椅子に座り、足をぶらぶらさせている。


「おはよー」


眠たげな声でそう言うと、母が振り返った。


▶︎ エリシア・リヴァイアス


「おはよう、リオン」


翡翠色の髪を揺らしながら、皿を置く。

その仕草は静かで、どこにも力が入っていない。


「ちゃんと座ってなさい」


「はーい」


返事は素直だが、すぐに姿勢が崩れる。


それを見て、エリシアは小さく笑った。


▶︎ レオン・リヴァイアス


「昨日も父さんの槍を…いや、俺の三叉槍を見てただろ」


「うん!」


リオンは目を輝かせた。


「兄ちゃん、すごかった!」


「見てただけだ」


そう言いながら、レオンの口元はわずかに緩む。


「でも、リオンもそのうち持てるようになる」


「ほんと!?」


「まだ先だ」


リオンはスプーンを握りしめ、誇らしげに胸を張った。


▶︎ ヴァルド・リヴァイアス


「焦るな」


低い声が、場を引き締める。


「力は、急いで手に入れるものじゃない」


「でも、兄ちゃんみたいになりたい!」


ヴァルドは一瞬だけレオンを見てから、リオンに視線を戻した。


「なら、まずは飯だ」


「はーい!」


エリシアがくすりと笑う。


「男の子ね」


食卓には、穏やかな時間が流れていた。


——少なくとも、表面上は。


レオンはパンを割りながら、ふと口を開いた。


「父さん」


「どうした」


「長老から、また話を聞きました」


空気が、わずかに変わる。


ヴァルドはスプーンを置いた。


「……ああ」


「魔獣の動きが、ここ数十年で明らかに変わっていると」


エリシアの手が、一瞬止まる。


「数が増えているだけじゃない」

「質が、違う」


ヴァルドは頷いた。


「特級や災害級が、表に出る頻度が増えている」


リオンは首を傾げる。


「さいがい?」


エリシアがすぐに笑顔で答える。


「とても強くて、近づいちゃいけない魔獣のことよ」


「ふーん」


完全には分かっていないが、空気は感じ取っているようだ。


ヴァルドは続けた。


「魔王の動きが、また活発になっている」


それは、昔話ではなかった。

この世界では、ずっと近くにある名前だ。


「七百年前から、勢いは変わっていない」

「だが……」


言葉を選ぶように、間を置く。


「長老は言っていた」

「今回は、今までと少し違う、と」


レオンの視線が上がる。

「違う、とは?」


「理由は分からん」

「だが、作られる魔獣の性質が変わっているらしい」


エリシアは何も言わず、リオンの背中にそっと手を置いた。


「リオンには、まだ関係ない話よ」


そう言って、優しく微笑む。


「今は、ちゃんと食べて、大きくなること」


「うん!」


リオンは元気よく頷き、スープを飲み干した。


その様子を見て、レオンは小さく息を吐く。



朝日は変わらず窓から差し込んでいる。

平和な食卓。


だが、七百年前から続く影が、

再び濃くなり始めていることを、

この世界の誰もが、薄々感じていた。

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あれば多分それが評価基準になるので是非お願いします!


ちなみに尊敬しいて大好きななろう系小説は無職転生です。3期が待ち遠しすぎます。

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