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4話

百合です!

「いってきま〜す」

そう言って玄関の扉を閉める。

自転車を駐車場に出し乗り込み、足に力を入れペダルを漕ぐ。

小学生や中学生の集団を華麗に避けながら知り尽くしている通学路を進む。



45分後

私は校門の人混みを避けながら自転車を漕ぐ。

校舎の隣に設置されている新し目な駐輪場に自転車を停めて鍵をかける。

スネの真ん中くらいまで有るスカートの丈を叩きシワを伸ばして、校舎の方へ歩き出す。


下駄箱に靴を入れ、バックの中から綺麗な上靴を出して履く。

私の教室は3階にあり、クソだるい階段を登らないといけない。

階段を登り終わると右に曲がると、クラスが見える。

扉の上に1の4と書かれているクラス表を見て、私は後の扉からそのクラスに入る。

私の席は扉の一番手前にある。

机の上にカバンを置き、取り敢えず椅子に座る。

カバンをそのままにしていると肩を叩かれた。

私は友達かと思い適当に声を出しながら振り返る。

「なに〜」

肩を叩いてきた女性を見て私の顔の体温が急上昇するのが分かる。

私は動揺しながらも聞く。

その間もその綺麗な顔から目が離せない。

「どどど、どうしたのおぉ」

「ちょと来て」

女性の鋭い小声と同時に私は腕を掴まれ立たされた。

私は女性に身を委ねてついて行く。



私は女性の背中を眺め腕を引っ張られている。

瞬間、自身の足に何かが引っかかり、上半身の浮遊感を感じると同時に視界全部が汚れた白い何かになった。

「あぶなっ」

その女性の声と同時に腕にあった感触が消え、両脇に細い感触を感じた。

私は手を地面につけて立ち上がると同時に細い感触が抜かれる。

すると目の前の女性は安堵の声を漏らし私に指を差して言ってくる。

「ホッ。貴方軽すぎ、ちゃんと食べてるの?」

「食べてはいます。はい」

「そう。じゃなくて、ちゃんと前を向いて歩きなさい」

そう言って女性は私の腕を掴んで階段を上りだした。

私は腕を掴まれたことにホッとしつつ、今度はしっかりと階段を上がる。



階段の折り返しを少し進み、ほかの人から見えない位置に着く。

すると突然、掴まれてた腕を前に凄い力で振り回され私は背中を壁に打ち付けた。

「いつッ」

私が呟いた瞬間、掴まれた手を頭の横に押さえつけられ女性の体ごと顔が近づいてきた。

(これは壁ドンと言うやつじゃ!?腕が痛いけど)

そんな事を考えながら、正面の綺麗な顔を見上げる。

私を掴んだ腕を取らずに私を睨み言ってくる。

「なに笑ってんの?キモいんだけど」

「えっ」

私は片手で口元を触ると確かに口角が上がっていた。

私の仕草が終わる前には睨みながら冷たい声で言ってくる。

「言いふらしてない?」

「うん」

私は女性の冷たい目線に路地裏での事を思い出し(可愛かったな〜)と思いながらながら答える。

「それならいいけど」

私の腕を掴んだ手の力が少し弱まる。

「絶対に言わないでね」

そう言って私から手を外し去ろうとする背中を見て思わず声を出す。

「言うかも」

「はぁ!」

私の声に身を翻して私を睨んでくるが、私は怯まずに声を張る。

「言うかも!」

「なんで?」

私を睨みながら女性は一歩一歩近づいてくる。

「あの、ライン」

「なに?」

女性は私の小さな声に苛立ちながらも聞き直してくれる。

私は勇気を出して言う。

「ライン交換して!くれないかな〜て」

目の前の人は目を見開き、聞き直してくる。

「それだけ?」

「うん」

目の前の人はスカートのポケットからスマホを出して言う。

「いいよ。それで言わないんだよね」

「うん!」

私は元気よく返事してスカートのポケットからスマホを出してLINEを開く。

私はQRコードを読み取り、出てきた名前を読む。

「ゆずき…」

「そ」

(東雲 結月!?)シノノメ ユズキ

私は目の前に居る、東雲 結月ちゃん、いや初恋の人の顔を見て呟いてしまう。

「叶った」

「なに?」

私の呟きを聞き直してくる結月ちゃん。

私はその結月ちゃんの顔を見上げ首を振りニコッと笑い言う。

「なんでもない!」

「そ、そう。それじゃ」

結月ちゃんはそう言って階段を降りていった。

その背中を見送り、見えなくなると私はその場にしゃがみこみ両手を挙げると同時にジャンプした。

私は結月ちゃんのLINEに友達登録してメッセージを送る。

[久しぶり♡]




私はチャイムの音で慌てて教室に走り出した。

「はい!」

そんな声と私の足音が静かな廊下に響く。

私は1の4の教室の扉を開けて言う。

「遅れました!」

「はい、座ってください」

担任の義務的な声に私は安心する。

私が座り席に座ると担任が生徒の名前を呼び始める。



「解散」

担任の声と共に一斉に教室内が騒がしくなる。

私が例外というのはなく、斜め前の席にいる里帆は体をこちらに向けて話かけてきた。

「あれ、メガネどうしたの?」

里帆は髪を後ろに結び直しながら聞いてくる。

私は里帆の観察眼に感心し、耳元でメガネを上げる素振りをしながら言う。

「ふふふ、コンタクトにしたのさ」

「やっとかー」

里帆はそう言いながら椅子の背もたれに右手を置き、左手で私の手を差して普通の声で指摘される。

「ん?その手どうしたの」

「え?」

私は里帆が差している所に目をやる。

すると手の甲に青い痣が出来ていた。

(階段で押さえつけられた時か)

私は手の痣を見てあの時の光景を思い出す。

「大丈夫?」

「大丈夫、大丈夫、痛くないし」

里帆の心配そうな声に私はそう返し、痣の出来ていた手をテーブルの下に隠す。

里帆は私を怪しげな目で見ながらも、優しい声で言ってくる。

「そう、悩みがあるなら何でも聞くからね」

「じゃあ、悩みを一つ」

私は里帆の言葉に真剣な声で続けて言う。

「今学期からの勉強についていける気がしない事」

「それはヤバいね」

里帆は真剣な声で返し、軽い口調に変えて続ける。

「じゃあ、今日の放課後、いや今日は駄目か。明日の放課後あたしの家で予習会しない?」

私が賛成しようとした瞬間、後の扉から担任の声が聞こえた。

「すまん。今から出席番号順に並んでくれ!」

里帆はため息を吐きをして椅子から立ち上がらり言う。

「いこ」

「うん。明日やろうね」

私は里帆の背中を追いかけるように廊下に出て行った。


読んでくださりありがとうございます。

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