表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/11

トラブル発生


 翌週の月曜日。


 大学の講義を終え、俺は図書館に向かおうとしていた。


 すると、キャンパスの中庭で、何やら騒ぎが起きているのが見えた。


 人だかりができている。


 何だろう。


 直感スキルが、何か良くない予感を伝えてくる。


 近づいてみると、女子学生が数人の男子学生に囲まれていた。


 男子学生たちは、明らかにガラの悪い連中だ。


 金髪に染めて、ピアスをつけて、チャラチャラした雰囲気。


 大学生というより、不良に近い。


「おい、可愛いじゃん。連絡先教えろよ」


「やめてください……」


 女子学生が、困った様子で後ずさりしている。


 周囲の学生たちは、見ているだけで誰も助けようとしない。


 関わりたくない、という雰囲気だ。


 俺も、以前ならそうしただろう。


 見て見ぬふりをして、通り過ぎただろう。


 でも、今は違う。


 身体能力85、格闘術 Lv7、そしてカリスマ Lv5。


 俺には、助ける力がある。


 それに、困っている人を放っておけない。


 それが、俺の性格だ。


「おい」


 俺は、男子学生たちに声をかけた。


 彼らが振り返る。


「あ? お前誰だよ」


「通りすがりの学生だ。彼女が嫌がってるのが見えないのか?」


 冷静に、でもはっきりと言う。


 カリスマスキルのおかげで、声に威圧感がある。


 男子学生たちは、一瞬怯んだ。


 でも、すぐに強がる。


「関係ねえだろ。お前には関係ない」


「彼女が困ってるなら、関係ある」


 一歩、前に出る。


 男子学生たちは、俺の雰囲気に圧倒されているのが分かる。


 でも、リーダー格らしき男が、俺に詰め寄ってきた。


「調子乗んなよ。お前、誰だか知らねえけど」


 男が、俺の胸倉を掴もうとする。


 その瞬間。


 俺は反射的に、相手の腕を掴んだ。


 格闘術スキルが、体を勝手に動かす。


 相手の手首を捻り、関節を極める。


「うわっ! 痛い、痛い!」


 男が叫ぶ。


 俺は冷静に、相手を地面に押さえつけた。


「やめろって言ってるだろ」


 低い声で言う。


 周囲の学生たちが、どよめく。


 他の男子学生たちは、呆然としている。


「て、てめえ……!」


 もう一人の男が、俺に殴りかかってきた。


 でも、遅い。


 俺は簡単に、その拳を避ける。


 そして、カウンターで相手の腹に軽く拳を入れる。


「うぐっ……!」


 男が、その場に崩れ落ちる。


 残りの男子学生たちは、完全に怯えていた。


「ま、まだやるか?」


 俺が問うと、彼らは首を横に振った。


「も、もういいよ! 行こうぜ!」


 男子学生たちは、倒れた仲間を引きずるようにして、逃げていった。


 周囲の学生たちから、拍手が起こった。


「すごい!」


「かっこいい!」


「あの人、誰!?」


 ざわめきが広がる。


 俺は、女子学生の方を向いた。


「大丈夫? 怪我はない?」


「あ、はい……ありがとうございました……」


 女子学生が、涙目で俺を見つめる。


 アプリで彼女の情報を確認してみる。


```

【藤宮 詩織】

年齢:21歳

職業:大学生(3年生)

身体能力:54 / 100

知能:73 / 100

魅力:78 / 100


状態:動揺・安堵


橘蒼太への好感度:65 / 100(恩人として強い好意)

```


 藤宮詩織。


 3年生か。


 そして、好感度が65もある。


 恩人として強い好意、と表示されている。


「本当に、ありがとうございました……」


 詩織が、深々と頭を下げる。


「いや、困ってる人を放っておけなかっただけだよ」


「でも……本当に助かりました。どうお礼をすればいいか……」


「お礼なんていいよ。無事で何よりだ」


 そう言って、俺はその場を離れようとした。


 でも、詩織が俺の腕を掴んだ。


「待ってください! せめて、連絡先を教えてください! ちゃんとお礼がしたいんです」


 彼女の真剣な眼差しに、断れなかった。


「……分かった」


 俺たちは、LINEを交換した。


「橘蒼太さん……ですね。私、藤宮詩織です。本当にありがとうございました」


「藤宮さん、気をつけてね。また何かあったら、連絡して」


「はい……!」


 詩織が、嬉しそうに笑った。


 その笑顔が、とても可愛かった。


*  *  *


 その日の夜。


 詩織からLINEが来た。


『今日は本当にありがとうございました。橘さんのおかげで、無事でした』


『いや、大したことしてないよ』


『いえ、とても勇気ある行動でした。普通、あんな風に助けてくれる人、いません』


『困ってる人がいたら、助けるのは当然だと思うよ』


『橘さん、本当に優しいんですね』


 しばらくやり取りが続いた。


 詩織は、とても礼儀正しい子だった。


 そして、話していて心地よい。


 彼女のことが、少し気になり始めた。


*  *  *


 翌日、大学で陽菜に会った。


「蒼太! 昨日すごかったんだって!?」


「え?」


「ほら、不良を撃退したって話! 大学中で噂になってるよ!」


「ああ……あれか」


 そんなに広まってるのか。


「かっこいいじゃん! さすが蒼太!」


 陽菜が、嬉しそうに笑う。


 でも、その笑顔に少し影があるような気がした。


 試しに、好感度を確認してみる。


```

【早坂 陽菜】

橘蒼太への好感度:80 / 100(恋愛対象として強く意識・少し不安)

```


 80。


 上がっている。


 でも、「少し不安」という表示が気になる。


「どうかした?」


「ううん、何でもない。ただ……蒼太、最近すごくモテてるよね」


「そうかな」


「絶対そうだよ。女子がみんな、蒼太の話してるもん」


 陽菜が、少し寂しそうに笑った。


 ああ、そういうことか。


 彼女は、俺が他の女子と親しくなることを、少し不安に思っている。


「陽菜」


「ん?」


「俺、陽菜のこと、一番大切に思ってるから」


 そう言うと、陽菜の顔がパッと明るくなった。


「本当?」


「本当」


「……嬉しい」


 陽菜が、恥ずかしそうに笑った。


 好感度を確認すると、85に上がっていた。


 「少し不安」の表示も消えている。


 良かった。


*  *  *


 その日の夜、詩織からまたLINEが来た。


『橘さん、今度お食事でも、お礼させてください』


『お礼なんていいよ、本当に』


『いえ、ぜひお願いします。どうしても、ちゃんとお礼がしたいんです』


 彼女の熱意に負けて、承諾した。


『じゃあ、今度の週末はどう?』


『ありがとうございます! 楽しみにしてます!』


 こうして、詩織とも会う約束ができた。


 陽菜と詩織。


 二人とも、俺に好意を持っている。


 これは……どうなるんだろう。


 でも、悪い気はしない。


 むしろ、少しワクワクしている。


 俺の新しい人生は、どんどん展開していく。


 このアプリのおかげで。


 そして、これからもっと面白いことが起こるに違いない。


 そんな予感がした。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ