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世界樹の森、守ります。  作者: 杉本 雨
第1章 森の再生編

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4 状況説明は正確に

 

 異世界の森の、雑草と中世ヨーロッパ調の放棄城の前でブラックドッグのフッラとケット・シーのフリーンから詳しく話だけ聞き、落ち着く拠点の無い私はさっさと元の世界へ戻るしかなかった。扉を通り、お寺の本堂へ入る。


 一応もう一度入口で千円札を箱に入れて御堂の中に誰もいないことを念入りに確認する。


 イライラして最早手足がぷるぷる震えてしまっているくらいだが大日如来様への最低限の礼はかかすまい。


 ふぅーっと大きく息を吐いてー、

 感情を地下深く押し込めてシルヴァヌスを呼んだ。


 大日如来様の体を借りたシルヴァヌスがすぅーっと浮かび私の様子を伺っているのがわかる。


 一応やましいと思ってるのか?

 ならば救いようがあるか...?

「事前にきちんと状況については説明して頂きたかったのですが?」

 イライラを声に込めないよう至って冷静に淡々と不満を述べる。


 あの森は崩壊寸前だったのである。

 何が神が治める神聖な実り豊かな森だ。

 ディストピアの間違いだろう。



 本来、世界樹の森というだけあって、あの広大な森は世界樹の魔力で成り立っている。


 しかし、ざっくり言うと歴代の管理人が森の管理を怠り、世界樹の魔力も枯渇しかけているそうだ。世界樹が枯れれば森自体が崩壊し、それに伴いあちらの世界ごと無くなる可能性すらあるらしい。



 前管理人は、あちらの世界の貴族の血筋の若い女性だったらしいが、

 無計画に魔力豊富な木を伐採し、既に残り少なかった果実を採りつくして事情は知らないがあの管理小屋(城)を建てて引きこもっていたらしい。

 彼女の先祖が聖女だったらしいが、時が経ち彼女は大した魔力もなく、知恵もなく、管理人に就任した時にシルヴァヌスに貰った最低限の魔法を自分が森で引きこもるために使って過ごしていたらしいが、シルヴァヌスが免職にして回収したという。

 その後回収された管理人だった子がどうなったかはさすがになんとなく怖くて聞けない。

 私にはどうしようもないカスにしか聞こえないが引きこもるにはそれなりの理由があった可能性はある。




  1番の問題は、世界樹の魔力枯渇だが、それによってありとあらゆる悲惨な事態に陥っている。


  精霊の減少や、瘴気の大量発生、森に住む魔物や動物たちの生態系の崩壊、伐採されずに残った木々も濃い瘴気に当てられて腐ったり、魔力枯渇で枯れたりと、森の守りが緩くなってしまった。


  世界樹の森は周りを9つの人間の国に囲まれているが、高い山や断崖絶壁など、物理的にどこからでも森に入れる訳ではなく、出入口は2箇所しかない。そのうちの1つ、森の西側の入口に面した2つの人間の国が、守りが無くなってしまった世界樹の森に攻め入り始めているらしい。


  正確な数はわからないそうだがかなりの数の軍隊、騎士団とかいうやつだろうか?

 を、送り込み、魔物や動物を狩り木を伐採している。



  平たく言うと絶望的な森なのだ。


  担当神様であるシルヴァヌスが理解していないはずがない。シルヴァヌスのせいで世界が滅びる可能性すらあるのに他の神から何も指摘されていないのだろうか?


 いや、問題視されたから今回から神の眷属を管理人に据えることになったのだろう。だが、急に増えた部署に充てる人員などなく、眷属になっているとも知らずにただの人間としてスローライフを送っていた私を発見して適当に配置したのだろう...

 要するに「君以外いない」は、「余ってる眷属が君以外いない」ということだったわけだ。

 うん。薄々気が付いていたのでなんの問題もない。期待されない方が楽で助かるし。


  そもそもシルヴァヌスは人事の才がないのだろう。前管理人がカスな件だってシルヴァヌスに任命責任がある。

 本人を免職にしただけでなく、責任者も辞任すべき案件だ。神様を辞任できるのかは知らないが。


「ボクは選んだ人間を信用して任せるタイプなんだよ。任せるって言った以上さ、あまりボクが口を出すと嫌がられるだろう?」


 言い訳が中間管理職だった...

 どうでもいい言い訳だ。


 でも好奇心に負けて安易に引き受けてしまった私も悪いし、これはもぅどうせ崩壊するなら逆に怖くない。なにやら色々事情もありそうだし、ここでネチネチ神様イビリをするのも性にあわない。


「シルヴァヌス様を今更責めても仕方ありません。

 私がなんとかしてみますので、なんとか出来るだけの能力をください。」



「もちろん!もちろんだよ!ありがとう!ううぅ〜ぐすん」

 涙声のシルヴァヌスは放置して

 私は報酬代わりに貰うオプション能力について頭を悩ませる。





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