16 新たな問題か?希望か?
現在私は管理小屋のリビングに居る。
向かい側の席には可愛い女性が2人座っている。
フッラとフリーンだ。
「人型になれたんですね...というかお二人共女性だったとは…なんかすみません。」
「ん?何がでしょう?当然人型にもなれますが、今まではその必要がなかったと言いますかむしろトワさんを乗せて早く走れる方が都合が良かったので。」
「今はトワさんの淹れてくれたコーヒーを飲むのに都合がいいから人型になっているだけですよ。」
「あ、マカロン食べます?私が作ったんですが。」
「「いただきます!」」
なんとなく勝手にフッラはオスだと思っていた。女性の背中に乗せて貰っていたと思うとなんだか申し訳ない。
でもまぁいいのか…でっかい犬だったし...
「それで、この森に住む方々はどうでしたか?」
「森が豊かだった時代よりもだいぶ種の数も個体数も減っているようでした。」
「あー、長い時間かけて衰退した森ですものねー。衰退が始まった原因を知ってる方はいませんでしたか?」
「はい、何しろかなり前ですからねー、短命種の方々は何代も代代わりされてますし、長命種の方々も入れ替わりが激しいようで。いつから衰退がはじまったのかすら皆さんご存知ないようでした。」
「まぁそうですよねー。じじさまは長く生き過ぎて記憶がかなり曖昧ですし、古竜様は寝てましたしねー。フェンリル様が居れば少しは何かわかったかもしれませんけどねー。フッラさんとフリーンさんはいつからシルバの眷属に?」
「私たちはほんの数年前なのです。シルヴァヌス様の眷属の中でも1番新参者でして、実はまだ力が弱く、任されている仕事がありませんでしたので今回トワさんのお手伝いを仰せつかりました。」
「あぁ、そういう事だったのですね。他にも沢山お仕事がある中で申し訳ないなーと思っていたのですよ。」
「ありがとうございます、全く問題ありませんのでお気になさらず。」
「それで、森の皆さんは具体的に何か不満とか言ってました?」
「個人間はともかく、種族同士は概ね仲が良いようでした。」
「概ね?」
「はい、なにぶんこの森は食糧が乏しく...」
「なるほど」
「森の外に出稼ぎに出たり、人間の街まで行商に出たりしなければならないのですが、彼らは人間からは虐げられているのでなかなかうまくいかず。結果的に少ない実りを奪い合うような事もおきているとかいないとか...」
「ふむふむ......え?それってめっちゃ問題あるじゃないですか!」
「はいぃ...まぁ。」
「やはりみんな生活がかかってますからねぇ。」
「食べるものがなければ心も荒みますものねぇ...」
フッラとフリーンがフィナンシェをかじりながらしみじみと言う。
「技術を持ってる種族も多いみたいですよね。それを役立てる方法が無いのが問題ですねぇ。徐々に森の実りも増えてくるとは思いますが時間かかるでしょうしねー。うーん...」
「トワちゃんが売りに行けばいいんじゃない?」
「「「うわっ!!!」」」
だっ、だれ!?
3人でうんうん唸っていたら突然私の隣りに中年のイケおじが座っていた。
「「シルヴァヌスさまー!」」
えっ!そうなの?
って、そりゃあ音もなく不法侵入してくるような人は彼以外いないんだが。
「なんか色々残念ですが、はじめまして。」
「ホントにイチイチ失礼だよね。
ボクにもコーヒー淹れて。
そのお菓子もね?」
「ハイハイ。」
「それで?私が売りに行くって、私が人間の街に行商に行くってことですか?めんどくさいですよ。いくら地球より文化レベルが低くても人間の街で商売するなら色々手続きも必要かも知れませんし。」
「うーん、じゃあ逆は?この森に店を出すとか。」
「人間の立ち入れない神聖な森とか豪語したのは誰でしたっけ?それに私も変に人間に荒らされたくないから結界で封鎖したんですよ?」
「じゃあ、逆にそれを利用するとかは?」
「結界を利用?...」
「うん!北の入口がノルディア帝国に繋がってるよ!」
美女3人(私含む)で首を傾げる様子をシルバが楽しそうに眺める。
ノルディア帝国?
1章終了です。やっと人間を登場させられます笑




