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天子の使者  作者:
1/1

都会

「珪奈!遅ぇ!!何分待たせる気だよ!」

幼稚園のころからの幼馴染である宣人と、高校入学を機に付き合うことになった。

はじめてのデートの場所は、昔から行きたいといっていた原宿。

人ごみを嫌う宣人からすればいい迷惑なのかもしれないが、無理を言ってここにしたのだ。

改札から出てすぐのところに宣人が不機嫌そうに立っていて、遅刻したことを隠す嘘を考える

時間なんてありはしなかった。

「遅刻なんて~。まだ9:06じゃない宣人~。」

「集合時間は9:00のはずだ。6分遅刻だろう」

昔から変わらずに、頭がよくて、足が速くて、細かいことを本当によく気にする宣人。

でもそんな宣人がたまらなくかわいくて好き。

「ごめんごめん!行こうっ!!」

宣人の手を取り、走って竹下通りを目指す。

夏宮珪奈、高校一年生、都会デビューです!!

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