表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
23/34

慎重の扉

夏の終わりの早朝、ヒイロ(8歳)は村長を伴い、黒川村への正式訪問に向けて緑影村を出発した。山裾へと続く細い道を踏みしめながら、ヒイロは心の中で問いかける。

「どうして黒川村の人たちは用心深いんだろう?」


二人は足元の小石を砕く音を聞きながら、言葉少なに北へ二時間近く歩いた。道沿いの草いきれ、背後に沈む日差しが、静かな緊張を増していく。


やがて視界が開け、幹を組んだ門が見えた。門前には三人の村人が立ち、表情は礼儀正しいが、その目だけは慎重にこちらを見定めている。


迎えの村人の一人が深く頭を下げた。

「緑影村の村長様、そして……少年。よくおいでくださいました」


ヒイロの村長は一礼し、続けてヒイロも静かにお辞儀を返す。


門の奥から一歩ずつ現れたのは、黒川村の長──堂々とした風貌の男だった。


• 身長は高く、肩幅が広い。

• 鋭い目つきの下、頬に走る狩猟傷が威厳を漂わせる。

• 身には灰色の獣毛のけもの毛布をまとい、腰には重厚な石製ナイフを帯びている。



長は低い声で告げた。

「緑影村の村長殿、ヒイロ殿、ようこそ黒川村へ」


ヒイロの村長は改めて深くお辞儀をし、口を開く。

「本日は正式にご挨拶申し上げます。どうか村を見せていただけますでしょうか」


黒川村長は無言で門番を頷かせ、一瞬だけ村人たちの視線が交差した。表面上の歓迎と、目の奥に残る警戒心。その狭間で、門はゆっくりと開かれていった。


門口に立つヒイロは、村長の背中を見ながら思う。

「この先で何が待っているのか。きっと、僕の知らない価値観に触れるはずだ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ