子供たちに考えさせる石絵
ファクトチェックもろくにしてないですが、取り敢えずそのまま書いております。
早朝、ため池の縁にヒイロ(8歳)、兄(12歳)、妹(5歳)、そして緑影村の子どもたちだけが集まった。石面に刻まれた絵は、小さな堤の三本線、水門の点線囲み、葦の縦線、底さらえの人影――意味が見えないままだった。
ヒイロはにっこり笑って言った。
「みんな、今日は遊びながらこの絵を確かめよう」
まず三本線の前に集まり、周囲の土で小さな山を三つ作る。兄と妹も、隣の幼い子もいっしょに土を握って盛り上げた。完成するとヒイロが石絵の三本線を指し示し、みんなで声を合わせる。
「ここで土を盛るんだね!」
次に点線で囲まれた四角を見て、ヒイロは小さな竹筒を持ち出す。
「水門はこうやって水をせき止めたり、開けたりするサインだよ」
子どもたちは交代で竹筒のふたを開け閉めし、小さな水路をせき止めては流す動きを体感した。
葦の縦線を示す部分では、細い枝を集めて池縁に差し込む遊びへ。妹が嬉しそうに枝を並べ、縦に伸びる葦を真似て笑い声を上げる。ヒイロは「葦は水をきれいにするサインなんだ」と優しく教えた。
最後は底さらえの人影。小さな木匙を砂底に差し込み、砂を掘ってはすくい上げる。子どもたちは砂遊び気分で楽しみながら、底をさらう動きを真似た。
遊びの終わりに、みんなは石絵を見返し、自然と手順を声にする。
「土を盛って、水門を開けて…」
「葦を植えて、底をさらうんだ!」
兄が頷き、妹もにっこり笑った。
「石の絵が、なんだかわかった気がするよ」
緑影村の子どもたちだけの遊びは、いつか大人になっても憶えていられる、楽しい学びの時間となった。




