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知恵の証明と交易のはじまり

――ヒイロ(7歳)視点――


砂利の広場で、ヤマトやミナ、潮声村の住人数人、そして緑影村の村長と父ヨリナリが輪になって休憩を終えた。潮声村の空気は穏やかで、交易前の軽い雑談が静かに交わされる。


ヤマトが顔を上げ、にこりと笑った。

「そろそろ交易を始めようか」


父が立ち上がり、小さな木箱を開く。

「今回はヒイロの知恵を持ってきたんだ。まずは出産後の痛みを和らげる温め石」


箱の中には、布に包まれた小石が並んでいる。潮声村の人々が興味深そうに覗き込み、誰かが囁いた。

「七歳の子が考えたって、本当か?」


父は誇らしげに頷く。

「冗談じゃない。全部ヒイロが思いついて試した結果さ」


続いて緑影村の村長が改良斧を取り出す。

「妹が生まれてから、形と重心を見直して使いやすくした斧だ」


斧を手にした漁師のテツオさんが刃先を確かめながら笑う。

「軽いし、振りやすいな」


村長はさらに説明を重ねる。

「馬酔木の葉を編み込んだ虫除けと、炉の周りに置く保温石の知恵もヒイロの発案だ」


僕は少し照れくさくなりながら、声を震わせて言った。

ヒイロ「石は夜も余熱を放つし、馬酔木の葉はゆっくり燃えて長く煙を立てるんだ」


潮声村の人々は目を丸くし、ざわめきが広がる。冗談だと思っていた誰かが口を開いた。

「本当に七歳の子が? その場で試してみようじゃないか」


その場の空気が一転し、挑戦を歓迎する雰囲気になる。僕はドキリと胸が高鳴った。

(本当か……七歳の僕が証明するんだ)


リノは僕の横で静かに手を握りしめ、小さな声で囁いた。

リノ「ヒイロなら、絶対にできるよ」


僕はリノの瞳を見返し、行動で示す覚悟を胸に固めた。


これが僕の、知恵の証明――交易の幕開けだった。

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