住居の向きと海辺の舟
お待たせしました。縄文時代や石器時代辺りの、転生ものって少ないなぁーと思ったが、誰か書いて読ましてください
――ヒイロ(7歳)視点――
潮声村を一回りしながら、僕はふと気づいた。
ほとんどの住居が東南向きに入り口を設けている。扉も窓も、同じ方向だ。
「ねえ、リノ。どうしてみんな、入り口が同じ方角なの?」
リノは葦原越しの風景を見つめながら答えた。
「西から吹く陸風や、冬の北西風を防ぐためよ。入口を風上にしないことで、家の中が寒さや砂で満たされにくくなるの」
僕は地面に残る踏み跡を見下ろし、小さく息を呑んだ。
(長年の経験で生まれた、暮らしの知恵なんだ…)
次に案内されたのは海岸近くの浜辺。
そこには板をV字に組んだ丸木舟がいくつも並び、沖では数人が古い繊維で編んだ網を手繰っていた。
リノが網を揺らしながら説明する。
「向こうではサバを獲っているの。あの網はおもりをつけずに潮の流れで魚を追い込み、小回りせずに舟を安定させられるのよ」
波音を背に、リノの髪飾りに混じる貝殻が揺れる。
そのとき、砂に落ちた一片の貝殻に気づいた僕は、すかさず拾い上げて差し出した。
「リノ、これ、落ちてるよ」
リノは驚いたように目を丸くし、小さく息をついてから、「ありがとう」とだけ呟いた。
ふたりの間に、言葉以上のやりとりが流れる。
(行動で伝えるほうが、ずっと確かなんだ)
案内が一通り終わり、僕らは入口手前の広場へ戻った。
父ヨリナリ、緑影村の村長、ヤマト、そして潮声村の住人数人が大きな流木をベンチ代わりに日陰で休んでいる。取引前のひとときを貝杯で楽しんでいる様子だ。
僕とリノが顔を見せると、ヤマトが真っ先に立ち上がり、小走りに駆け寄ってきた。にこりと笑いながら、リノに向き直る。
ヤマト「リノ、案内ありがとう」
周囲の大人たちも優しく頷き、ヨリナリは満足そうに笑った。村長は手を振って歓迎の意を表す。
僕は小さくお辞儀をし、深く息を吸い込んだ。
波音と風の知恵を胸に刻みながら、これから始まる交易の話し合いに期待を膨らませた。
違ったわ、多分風邪




