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  作者: 来音_♬.*゜
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遺影

1.遺影

今日僕は初めて遺影を見た。

テレビや映像の中ではなく、実際に。

あるレストランでのアルバイトの最中だった、予約されたお客様の席に向かい、お冷を出し、「失礼します。」と言い、顔を上げた時だった。

1番端の席に立ててある大きな写真たてのなかに、幸せそうに笑う、ある若い女性の顔が見えた。

その遺影を見た瞬間、時間が止まったかのようにその写真が脳裏にこびりつき、僕は心臓を誰かにぎゅっと掴まれたような、苦しいような、痛いような、そんな感覚を覚えた。

「遺影」というものに馴染みはなかった。話したこともない、会ったこともない、ましては名前も知らない、簡潔に言えば「他人」なのに、その笑顔の奥から、どこか愛おしさと、親近感を覚えた。


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