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【第7話】王都内クエスト①

 昼飯を食べ終えて、集合場所に全員集まるや否やギルドへ連れていかれた。


「さて、早速だが冒険者仮登録をしてもらう。事前に今日来ることは連絡してあるからすぐ済むはずだ」


 ダロス先生の言う通りあっさりと仮登録が済まされ、手に収まるサイズの金属製プレートが渡された。登録証らしいが、これだけ渡されてもどうにも実感がない。


「これでお前さんたちは王都内でのみ解決可能なクエストが受けれるようになったわけだ。後、ワシが同行すれば、採取クエストくらいは可能だ」


 確か授業で聞いた内容では、商店の定期便の荷下ろし手伝いや引っ越し手伝い、ペット探し、果ては個人の部屋掃除まであるとか。


「それと覚えているとは思うが、戦闘経験のないお前さんたちは本登録になる半年後までは、討伐クエストなどのお楽しみはお預けだ。それまでの期間で是非とも連携が取れるようになってくれよ」


 1年ですらあれだけ早く感じたんだ。半年なんてすぐ過ぎるだろう。

 ……それまでに上手く連携を取れるだけの関係になれるだろうか。


「では実践といこう。クエストは……これでいいだろう」


 ダロス先生が少し悩み、すぐ側のクエストボードから一枚の紙を取って来た。紙を受け取り、目を通す。


「飼い猫探し、か」

「そうだ。ペット探しってのは案外チームワークを問われるぞ。王都がこうも広いとな」

「情報取集、捕獲、どれもこの王都で一人でこなすには時間がかかりすぎる……あたりですか」

「正解だスウェロ。まあ、お前さんたちの最適解はお前さんたちで見つけるべきだ。やり方は好きにするといい」

「僕がすぐ見つけてみせるさ。先に行くよ」


 そう言い残すとローメルはそそくさとギルドを後にしてしまった。


「待ってください! ローメルさん!」


 ローメルの後を追い、レイラも行ってしまった。


「んー、そうだな。二手に分かれて捜索という事にしよう。というかそうなった」

「アタシ達も行きましょう。標的は赤いスカーフを付けた黒猫、ね」


 結果的にローメルとレイラ、そして置いて行かれた俺とスウェロとメティスの二手に分かれる形となった。

 ……ローメルとレイラは探す猫の情報を見ることなく飛び出していったような。



 あちこちで聞き込みを始めて数時間ほどが経った。

 ここまで集めてきた目撃情報とメティスのレンジャーとしての優れた追跡力と洞察力を合わせれば、そろそろ見つけてもいいはず……。


「あっ」


 十字に交差する道で右から見知った顔が現れた。ローメルとレイラだ。


「そっちはどうだ、ローメル」

「あー、そのー、まだ何も、かな」


 いやに歯切れの悪い返答だ。そりゃあ、どんな猫を探してるのかもわからないのに情報を集めれるわけないよな……。

 その時メティスが一歩前に出てきた。


「ねえ、レイラ。その子は」

「この黒猫ちゃんですか? なんだか懐かれてしまって気付けばずっと付いてきてるんです」


 メティスが言うまで気付かなかったが、レイラが赤いスカーフを付けた黒猫を引き連れている。

 赤いスカーフ? どこかで聞いたような……。


「あ! その猫! 俺達が探してる猫だ!」


 思わず大声を出してしまい、しまったと思う間もなく、黒猫はとてつもない速さで真っすぐ走って逃げて行ってしまった。


「待て! 待ってくれ!」


 俺を先頭に、みんなで全力で走る。走る。走る。右へ、左へ、左へ。



 ……随分と走った気がする。みんな息も絶え絶えながら、追いついた。

 例の黒猫は一本道の裏路地で優雅に歩いている。まだ気付かれてはいないようだ。


「さっきは悪かった。俺のせいで無駄に追いかけるハメになっちまった」

「仕方ないわ。獲物を追いかけてるとそういう事もあるものよ」


 気を付けていれば防げたミスをした自分を恥じるばかりだ……ん? 今、獲物って。

 そんなちょっとした疑問はスウェロの声で遮られた。


「それで、どうするんだ。単純に追いかけたりするだけじゃまた逃げられるぞ」

「そうだ。僕の魔法で逃げ道を制限するってのは」

「却下よ。アナタの実力を疑うわけじゃないけど万が一当たったらどうするの。ただじゃすまないわよ」

「俺に案がある」


 みんなの目線が集まる。きっとこの作戦でうまくいくはずだ。

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