表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/18

【第15話】師匠②

「うおおおおおおおおおおお!!!」


 初撃、いつものように勢いよく模擬剣を抜く勢いで斬りかかる。


「おっと」


 持ち手の逆から斬りかかったというのに、男は斬撃に難なく模擬剣を沿わせ、上へ逸らされる。

 ……ゴブリンの下卑た笑みが脳裏に浮かんだ。あの時と同じ、であるならばッ!!


「ふんッ!!!」


 あの時と同じように、あの時討ち取ったように、無理矢理下に斬り下ろす。


「なッ!!」


 振り下ろされる模擬剣に気付き、男が驚愕の表情を露わにするも、男の模擬剣はもう既に下ろされている。防ぎようは、ない。

 刹那、男の左半身がブレて見えた。


「今の、避けれんのか……」

「あっはっは、流石に驚いたけど。避けるくらい簡単だ」


 当たったと思った瞬間、男は目で追えない速度で右足を軸にして、左半身を後ろに捻って避けたのだ。

 断じて俺の剣速が遅かったわけじゃあない。無理矢理斬り下ろしているとは言え、全身の筋肉を全力を使っているのだ。かなりの速度な上、当たるまでの距離もほとんどなかったはずだ。


「おいおい、今のでもう終わりか」


 男が少し楽し気に挑発してくる。衝撃を受ける暇は与えてくれないようだ。


「まだまだ!!」


 何とかして模擬剣を男の体に当てようと斬りつける、斬りつける、斬りつける、斬りつける。

 ……全て、避けられる。防ぎさえ、されない。人混みで人を避けて歩くように、日常動作と大差ないとでもいうように、息一つ上がっていない。悔しい、すごく。



「……さて、今でちょうど1分だ。そろそろ、オレの番だ」


 結局、俺の模擬剣は届くとこのないまま、1分経ってしまった。俺の自信を真正面から打ち砕かれた気がする。

 男は、模擬剣を構えなおした。相変わらず左手に持ったままだが。


「まずは軽く、行くぞ」


 どういうわけか、男はそれなりに離れたまま、模擬剣を頭上に掲げ真っ直ぐ振り下ろす。

 その瞬間に感じる。嫌な予感。一刻も早く避けなければいけないと本能が告げる。気付けば体が回避行動をとっていた。


「うわああああッ!!」


 右側へ飛びのく。それと同時に、俺の立っていた場所に斬撃が飛んできた。

 自分でも何を言っているかわからないが、だが確かに目に見える斬撃が土埃を巻き上げ飛んできたのだ。あれに当たっていたらどうなっていただろうか、あまり考えたくはない。


「へぇ、避けれるんだ。いいね、悪くない」


 男は満足そうに1人で頷きながら、改めて模擬剣をしっかりと持ち直し、構えなおした。

 今の発言は見込みがあると判断してもらえたのではないだろうか。しかし、まだ男の戦意を感じる。


「なあ、アレン君。少し本気出すけどいいかな」

「お、お手柔らかに……」


 確認をとってくれはしたものの、拒否権がある気がしなかった。完全にやる気になっていると感じる。


「じゃあ、少しだけ本気で行くよ。どこまでやれるか、見せてくれ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ