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【第12話】モンスター討伐②

「では行くぞ」


 出発の合図と共にダロス先生が街道を挟む木々に向かって歩き出したので、前衛と後衛を意識しつつ、付いて行く。

 街道を挟む森ではあるが、街道そのものではないため、全く人の手の入っておらず、非常に歩き辛い。鬱蒼としていて、足元も平らでなく、ところどころにクモの巣が丁度顔の高さほどにあり、もう二度も引っかかった。



「止まれ。身を屈めろ」


 進んでいく中、ダロス先生からハンドサインと共に小さな声で静止するよう指示が出る。

 指示通り、目前の木に屈んで隠れる。みんなも各々、近くの木や茂みに隠れたようだ。


「あそこ、見えるか」


 そう言ってダロス先生が指で示す遥か先、少し開けた空間に5匹のゴブリンがいた。座り込んで、狩ったであろう何かを食べているようだ。


「今であれば気付かれぬように近づき、奇襲をかけれそうじゃな。ゆっくり行くぞ」


 言われるままダロス先生に倣い、ゴブリンに近づく。

 音を出せば、勘付かれそうなところまで辿り着き、肉薄する戦闘に心が昂る。


「後衛が先、それに合わせて前衛」


 さっき以上に小さく、聞こえるか聞こえないかすれすれの声とハンドサインでダロス先生の作戦が伝えられた。

 手前にいる3匹を右から順にメティス、ローメル、レイラの矢と魔法で仕留め、それに合わせて俺とスウェロが飛び出し、奥にいる残り2匹のゴブリンの右が俺、左をスウェロで片付けるようだ。


 合図は俺に任され、全員の状況を確認する。各々と目が合い、頷きが返ってくる、準備はできているようだ。

 言葉は出さず、ゴブリンどもに向かい指を突き出し攻撃の合図とした。


「ファイアボール!!」

「ホーリーランス!!」


 ローメルとレイラのが唱えた魔法とメティスの静かな矢が見事にゴブリンに命中し、僅かな断末魔の呻きをもらして倒れていく。

 俺達の攻撃に気付いた残りのゴブリン達が慌てて立ち上がりつつ、手元に置いていた武器を構えようとする。だが、もう遅い。


「行くぞ!! スウェロ!!」

「ああ、決めるぞ!」


 掛け声と同時に飛び出す。ゴブリン目前、少し震える手を雄叫びで突き動かし、剣を抜く。そして、そのままの勢いで首めがけて斬りつけた。


「うおおおおお!」


 皮膚を裂き、肉を切り分け、骨を砕き折る感触が手に伝わる。ゴブリンの嫌な臭いと鮮血の臭いを感じると同時に、斬り飛ばした首が背後に落ちる音がした。

 スウェロの方を見ると、向こうも仕留めたようだった。ゴブリンの心臓のあたりに剣を突き刺した瞬間といったところで、それに加えて左肩から右の脇腹へと深い切り傷が見えた。


「上手くいったな」

「ああ、上手くいって良かったよ」


 剣に付いた血を振り払い、鞘に戻しているとみんなが駆け寄ってきた。


「アレン! スウェロ! 僕の魔法くらいすごいじゃないか!」


 ローメルが随分とご機嫌で彼なりの称賛の言葉を言っている。

 相変わらず自分が好きなようだ。


「お二人ともお怪我はしていませんか?」

「俺は大丈夫だ。スウェロは?」

「ああ、俺も大丈夫だ」


 レイラが心配そうに聞いてきたが、俺はもちろん、スウェロも特に何事もなかったようだ。


「お前さんたち、よくやったな。まだいるかもしれんから引き続き探すぞ。次からは何も言わんから、お前さんたちだけでやるんだ」

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