俺、騒ぎが収まるまで大人しくするよ!
リオとガイアが突然現れるというハプニングは起きたけれど、きっとシャリンは既に起きてるはず。シャリンに話さないといけない事もあるし、みんなでシャリンが休んでいる部屋まで行こうとしたら、扉をノックする音がした。
「皆様、町長がお目覚めになられました。入ってもよろしいでしょうか?」
良かった~シャリン起きたんだ。丁度シャリンの所に行こうと思ってたしタイミング良いねっ
「あぁ構わない」
「失礼する」
「うおっ!?」
返事をすると扉が開き中に入ってきたシャリン。声を上げて驚いたのはシャールクだ。シャリンはさっきまで固まっていたとは思えないほど警戒に動いているが、顔は満面の笑みで固定され眩しいくらい光り輝いている。
「シャリン殿どうかなされましたか?」
「とても素晴らしい事が起きたのです、もう私は心の高まりを抑えることが出来ません!」
「おぉおぉ」
眩しいくらいの笑顔に珍しくウォルが押されている。そしてシャリンは俺の前まで来ると跪き
「偉大なる竜種様、この度は我が町に大いなる慈悲を与えて下さり感謝しきれません。我々は守護竜様の民であり裏切る訳にはいきませんが私達の忠誠を貴方様に。我々の努力を認めて下さりありがとうございます」
「俺はオアシスの下地を作っただけだよ~大変なのはこれからだよ。自分達でオアシスを作り上げていかないといけないんだから」
「今までの苦労を考えれば、容易い事です。オアシスを・・・・我々の誇りと歴史を救って下さりありがとうございます」
シャリンは深く頭を下げ礼を言う。
「どういたしまして」
こういう時はこう言うのが正解なんだよね?シャリンはオアシスが復活したことを喜んでいるけど、まだまだやる事は沢山あるよ。
「シャリンに植物の種を任せるから、どうやって植えるかはみんなで相談して決めてね。一応植物が育ちやすくしてあるけど、ちゃんとお世話しないと綺麗には育たないよ」
「はっ任されました」
「それと、湖には色々な生き物が居たみたいだけど今の俺の力じゃそこまでは出来ない。長年オアシスを綺麗で豊かなままで保つことが出来たら、その内生き物達が現れ始めるかもよ」
「それは・・・・これからが楽しみですね」
「頑張ってね~」
この乾燥し水が少ない場所でのオアシスは生き物たちとっての楽園だ。だから、時間が経てば段々と命が戻ってくるはず。それまできっとここの人達がオアシスを守り育ててくれる。見守りたいけれど、俺達は行かないとね。俺はシャリンの前に立ち両手で下げている頭を持ち上げると
「守護竜は今でもみんなを見守ってるよ。怒ったり恨んだりもしてない、だから背負い過ぎないでね」
「・・・・はい」
シャリンは泣く事無く眩しいほどの笑顔で答えてくれた。俺が話したい事は終わったのでソファーに戻りウォルの膝に乗ると、
「シャリン殿我々は明日の朝出て行くつもりだ、後の事は頼んだぞ」
「残念ですが、外の騒ぎを聞いているとそれが得策ですね。町の盛り上がり方はとてつもないですから、町を歩くだけで一瞬で人に囲まれてしまうでしょう。それに、先を急ぐのですよね?」
「あぁネリアまで物資を運ばなければならい。サイドに向けての物資もあるから受け取ってくれ」
「畏まりました、中庭が空いてますのでそちらに出して頂ければこちらで分配しておきます」
「うむ、クーア頼めるか?」
「は~い」
俺達はシャリンの案内で中庭に行くと俺はポケットの中からサイドの用の支援物資を出し並べる。そして、シャリンに渡す石像を渡す。
「こんなにも多くの物資を送って頂けるとは感謝します。オアシスも戻ってきましたし、この町はもう大丈夫です。ここから悪い方に行くなんて絶対しませんしさせません」
「あぁ任せた」
シャリンは一礼するとウォルは頷き笑った。この町でやる事はやったし、明日になるまでどうしようかな~外に出たら人に囲まれちゃって大変なことになりそうだし・・・・
これからどうしようかと考えているとアルベルドが
「ウォル、俺は暫くの間出てくるからクーアを頼んだ」
「俺も一緒に行っちゃ駄目~?」
「クーアが一番目立つからな俺とお留守番しようぜ」
「悪いなクーア。次来た時には俺の友人と合わせるよ」
「は~い」
「レイラン、何か有ればいつも通り合図を」
アルベルドは俺の頭を撫でるとシャリンに案内された裏口から出て行ってしまった。む~アルベルドの友達と会って見たかったんだけど、仕方ないよね。俺達はまた客間に戻ってアルベルドが帰ってくるまで暇つぶしを、シャリンは残っている仕事と住民達を落ち着かせるために外に行ってしまった。
「ぬ~暇!」
「そうね~遊戯盤も持ってきてないし」
「偶にはこうやってゆっくりするのも良いもんだぜ」
「そうだな、貴重な休息時間だ」
みんなはアルベルドが戻ってくるまでに少しでも体を休めるつもりみたい。ウォルは目を瞑りソファーに持たれながら精神を鎮め、シャールクは武器の点検を始めレイランはノートに何かを書き始めてしまった。
う~ん、俺は何しようかな~そのまま出て行ったら大騒ぎになるなら意識だけを外に飛ばせば誰にも気づかれずに観光出来るんじゃないかな?だけど、一人で見て周るのは少し寂しいよな~
俺はみんなみたいに武器を持っている訳じゃないから、武器の点検はしなくても良いし眠くもない、何しようかな~
・・・・あ、そうだ。ガイアが生まれたことによって俺が干渉できるようになった場所を確認しよっと。あとはリオとガイアを呼び出して、精霊について色々教えてもお~っと
(リオ~ガイア~今大丈夫?」
(ん?ちょっと待ってくれな主)
(私は大丈夫ですわ)
(じゃあ、こっち来て~リオは用事が終わってからで大丈夫だよっ)
(畏まりました)
そう言うと、ガイアは部屋の中に花弁を撒きながら空中に現れ一礼すると
「お待たせしました主、ガイアここに参りました」
「いらっしゃ~い」
突然現れたガイアにみんな驚いたけど、二度目だったからそこまで驚くことは無かった。ウォルは目を開けると
「クーア、どうしてガイア様を呼び出したんだ?」
「ん~?精霊について色々教えてもらおうと思って!あと、ガイアは何が出来るのか知らないから教えてもらおうと思ったの」
「なるほどな、確かに精霊については我々ももっと知った方が良さそうだな」
「そうね~精霊は謎が多い存在だしここ百年間姿を見た人は居ないから詳しくは知らない人が多いだろうけど、一応研究されてはいるからある程度は知っておいた方が良いわね」
「精霊と話せる機会なんてそうそう無いからな、貴重な体験だぜ」
「そうね、それに知識も深めたいし」
「あら、わたくし人気者みたいですね」
みんなから注目を浴び口元を抑えながら笑い、空中で一回転すると俺の元まで降りてくるガイア
「私に答えられる質問であればどんな質問でもお答えしますので、自由に聞いてください」
「ふ~~~やっと来れたぜ!お、一体何してるんだ?」
ガイアに質問しようとしたタイミングでリオが突然現れ、笑いながら部屋を飛び回る。
「リオ、今丁度精霊についての質問を答える所でしたの。一緒にいかが?」
「お、質問が有るのか~?何でも答えてやるぜ」
リオは空中に水球を作り出すとその上に乗り寛ぎながら俺達の質問に答えてくれるみたい。二人揃ったし、色々聞いていこう!
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