俺、ちょっと休憩すよ!
俺はレイランの膝の上に乗って、公園で休憩しているとシャリンがキラキラと目を輝かせながら俺の前に来て
「竜種様っ先程の魔法本当に見事でした!水が人々に降り注ぎ人々の渇きを満たしていく様は、竜種様の慈悲を現している様で美しくそして温もりに満ちていて・・・・私は感激です!最後の水が鳥に変わる場面はまるで神々の世界に迷い込んだみたいでした」
「えへ~褒めてくれてありがとっ」
「当然の事です!私が竜種様を心配するのはおこがましいと分かっているのですがあんなに大規模な魔法を使われて大丈夫でしょうか?」
「大丈夫だよ~俺は魔力をほとんど使って無いからね~」
「と言いますと?」
「あの魔法を発動するための魔力はウォル達から貰ってるんだよ~ボロスでも同じことをしたけどその時もウォル達から貰ってるしここ最近殆ど魔力使ってないんだよ~」
「先程の治療は?」
「あんなのほんの少ししか使って無いよ~もう回復してるしね」
「流石は竜種様ですね!」
「俺はみんなが作ってくれた水を操ってるだけだから、凄いのはウォル達だよ~」
水に関する魔法なら俺は殆ど魔力を使わないで発動できる。だから、町一つ満たす量の水を作ったり十数人治療するくらいの魔力だったら数分経てばすぐに回復することが出来るんだよね~今回の魔法はウォル達の魔力を使ってるから俺の消費は殆ど無し!なんなら有り余ってるくらいだ。
「王族の方は魔力が多いと聞いていましたが、あれ程の水を作り出してしまうとは思ってもいませんでした」
「いや、前までは無理だったな」
「えぇ無理ね」
「うむ」
「俺も獣人にしては魔力が多い方だけど、俺達全員の力を合わせても無理だっただろうな」
「そうなのですか・・・・」
みんなの魔力は俺が加護を上げてから日に日に強くなっているから、今じゃ町中に水を巡らせるくらいなら、三分の一くらいの消費で出来るようになっている。どこまで増えていくかは俺にも分からないけれど、この勢いだと一人で町を水を満たせるくらいにはなるんじゃないかな?
「わたし・・・・私、皆さんが井戸を復活させた場面と立ち合えて光栄です!」
「大袈裟だよ~ってなんで泣いてるの!?」
ラーラが静かだな~と思ってたけど、話したと思ったらいきなり泣き始めてしまったラーラ。どうしたの!?何処か痛い所でもあるの?
「すみません、見ている間は職務を全うするために気を引き締めていたので大丈夫だったのですが、こう一息ついてしまうと感動が抑えられないと言いますか、まさか竜種様の魔法を見られるとは思っておらず」
そう言うラーラは号泣しているけれど、どうやら何処かが痛くて泣いている訳でも悲しくて泣いてる訳でもなく感動して泣いているみたい。俺達の魔法で喜んで感動してくれるのはとても嬉しいけど、そんなに号泣する!?
「ありがと~でもそんなに泣くと腫れちゃうよ~」
「すみませんっでも止まらなくて」
「ラーラ殿分かります、あの魔法はまさに奇跡のようで、私に画力が有ればあの場面を残せたのですが・・・・」
「町長分かってくれますか!私もあの場面を記録したかったのです・・・・もしくは何か記念碑を!」
「勿論です!仕事に戻りましたらあの場に居た可能性のある者達に呼びかけ絵画を描いて貰おうと決めました!彫刻や像でも良いですね~それと一緒にウォル皇子による演説の記念碑を残すのも良いでしょう」
「素晴らしいお考えだと思います!彫刻でしたら我が隊員に一人覚えがある物が居ます!」
「なんと!」
「しかも、井戸の周囲で住民達を整理している者でしたのでしっかりと見ています」
「素晴らしい、戻りましたら是非紹介してください!勿論報酬は弾みますよ!」
泣き続けるラーラに対して理解を示したシャリンは二人で話が盛り上がり何やら大事になってる気がするな~俺の絵が描かれるのは嬉しいけど、彫刻って何だろう?
「ねぇねぇレイラン」
「なーに?」
「彫刻って何?」
「彫刻は木や石を削り物や人を表現する作品の事よ、ほらサスヴァンの井戸に守護竜様が刻まれてたでしょ?ああいう風に固いものを削って色々表現するの」
「あ~あれね!つまりこういう事だよね」
俺は魔法を使って白く硬い15㎝くらいの石を作り出すと、それに勢いよく水を噴出することによって石を削っていく。お題は~丁度の目の前にあるしシャリンでいいや。シャリンは全身蜥蜴のようになっていて、綺麗な鱗と鋭い瞳、そして立派な尻尾を持っている。それを完全に再現するために集中して削っていくと30秒ぐらいでシャリンの彫刻の出来上がり!
「じゃじゃ~ん!」
「おぉ凄いなクーア、シャリン殿そっくりだ」
「うむ、見事な出来だ」
「えぇそっくりね」
シャリンが目の前に居るからその姿を映しとって、そのとおりに水を操れば良いだけだからこれぐらい簡単!だけど、神殿の壁画みたいな自分の心や世界を表現するのは俺には出来ない。だから、ああいう風に人の心を動かせる作品を作れる人は本当に凄いと思う。
「クーアはそれをどうするつもりだ?何処かに飾ろうか?」
「これは遊びで作っただけだから飾ったりしないよ~砕いて土に戻すだけ」
「そうか、綺麗に出来てると思ったんだが」
「そそそそんな!!!」
「待ってください!」
これは彫刻ってものを体験するのと確認するために作ったものだから、壊して土に戻そうと思ったら二人で話して盛り上がっていたラーラとシャリンが必至な顔で止めに入ってきた。さっきまで泣いていたから、より必死に見えて吃驚しちゃったけど、一体どうしたんだろう?
「な~に?」
「そんな芸術品を壊すなどっどうか考え直して下さい!」
「町長の言う通りです、竜種様が自ら作られた物を壊すなど!」
「え~」
「竜種様が作られたそれだけで残すべき物となるのです」
「そうです!皇都に持ち帰り厳重に保管するべきかと!」
「え~」
遊びで作ったものを大事に飾られるのはなんか嫌だな~凄い芸術家の人が作った物って訳じゃないし。あまり乗り気じゃない俺を見てシャリンとラーラはウォル達を見て
「ウォル皇子も説得してください!」
「副団長もお願いします!!」
「いや、クーアが望むならそうするが・・・・」
「うむ、無理強いをするのは良くない」
「ですが!」
「どうしたんだ、そんなに騒いで」
ラーラとシャリンがアルベルドとウォルに迫っていると、後ろから声が掛かり振り返るとシャールクが居た。
「おかえり~」
「おう、ただいま。それでどうしたんだ?ラーラ殿とシャリン殿がすっごい事になってるが」
ラーラとシャリンがウォルとアルベルドに詰め寄っている様子を見てシャールクが言う。レイランがシャールクに事情を話すと、苦笑いをしながら
「あ~まぁ竜種への信仰が強い人間からしたらお宝みたいなもんだからな。俺もクーアが作ってくれたものなら欲しいし、俺達はクーアに慣れて来たけどあの反応が正しい反応だよな」
「そうね~この国に住んでいる者ならみんな似たような反応をするでしょうね」
詰め寄ってくる二人にアルベルドとウォルが強く言えないのは、竜種が作ったものは残すべきだという考えが理解できるからなのかな?レイランも頷いているし、それが普通なんだろうな~
遊びで作ったから、飾られるのは恥ずかしいけどこんなに欲しがってるな壊すのは申し訳ないよね~・・・・う~ん・・・・そうだ!
「ねぇねぇシャリン」
「何でしょうか!?」
「そんなに欲しいならあげる~だけど、個人的に飾ってね。みんなの見える所に飾るのは止めてね」
「!!!!!本当によろしいのでしょうか!?」
「いいよ~」
「ごぉうえぇいですぅううううううううううううう」
シャリンを見て作ったんだから、シャリンにあげるのが一番いいかなと思ったのと俺からのお願いなら聞いてくれるかなと思って渡したけど、渡した瞬間大声を上げて号泣してしまった。それを見てラーラは良かったですねと頷いてるし、みんなも笑ってる。
こんなに喜んでくれたならこれで良かった気がするけど、泣き止むまで暫くかかりそうだな~
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