俺、ボロスに着いたよ!
「わ~またワームだ」
「・・・・すっかり慣れたな」
砂嵐と共にデカいワームが現れてからもう三日が経ったけど、この三日間本当に地獄だった・・・・休憩してるとワームが出てくるし、寝ててもワームが出てくる。ただ歩いてるだけでも出てくるし、何やっても次々とワームが出てくる。流石の俺もここまで出てくると、もうワームに慣れちゃったよ。
「よっと、まぁそれは俺達にも言える事だけどな」
「うむ、三人共砂漠での戦いに慣れて来たみたいだな」
「流石にこんなに戦ってたらな」
シャールクはそう言いながらワームの頭を雷の矢で射貫く。アルベルド以外は足場が安定せず、遮蔽となる物も無いこの砂漠での戦いに苦戦していたが、度重なるワームや時々出てくるそれ以外の魔獣との戦闘によってかなり慣れ始めている。今じゃ一人で三体のワームを相手出来るようになったよ。
「本当にワーム多いわね~こんなに戦っても、数が減る様子が無いわね」
「こいつらは、繁殖力が高いんだ。放っておくと町をも飲んでしまう数になるんだ」
「こわっ」
「だから、町周辺に居る奴らは定期的に討伐するのが当たり前だな。夜にはボロスの町に着くだろうから、そろそろ数は減ってくると思うぞ」
「良かった~」
「大量発生してる可能性もあるがな」
「やだぁあああ」
ワームが出てくるのは慣れたけど、ワームが好きになった訳じゃないからもし大量に居るのを見たら、もう星でも何でも落として一掃する自信があるよ。
「なんか意外だよな~クーアにも苦手なものがあるなんて」
「なんか、あのうねうねしてるのが嫌なの。あと模様!何であんな目みたいな模様してるんだよ~怖い!」
「じゃあ、蛇はどうなんだ?」
「蛇は可愛いと思うよ」
「・・・・?」
「蛇はつぶらな目だし、鱗はキラキラしてて可愛いでしょ?」
「まぁ可愛いとは思うが」
なんかシャールクとウォルは納得出来ないような顔をしてるけど、蛇とワームは全然違うでしょ!レイランは頷いてくれてるし、アルベルドはどっちも普通みたいだから良いとして、シャールクとウォルが問題。
「ワームはぶにぶにしてるし、変な声だけど蛇はツルツルして威嚇する声も可愛いでしょ?チロチロ出る舌も良いし~」
「分かった、分かった。蛇とワームは全然違うよな」
「そうだな、俺達が悪かった」
ワームと蛇の違いをしっかり教えてあげようと思ったけど、分かったなら良いよ。ワームなんて、目も無いし口も沢山の歯が有って可愛げが無いんだから、蛇と一緒にしたら可哀そうだよ!
「ほらほら、言い合ってないでお客さんが来たわよ~」
「蠍と鷲だな。シャールクとレイランは鷲を、俺とウォルで蠍を相手にするぞ」
「了解」
「任せて」
「ウォル皇子先にどうぞ、合わせます」
ありゃ、話してる間に次のお客さんが来ちゃったみたい。ワームの話ばっかしてたけど、この砂漠で襲い掛かってくる奴らはワームだけじゃない。砂の下に潜んで近くに来た獲物を毒針で仕留めようとする蠍や、地面の下に引きずり込もうとするアリジゴク、空には大きな翼と嘴をもった鷲が虎視眈々と俺達を狙っている。この7日間数え切れない程色々な物に襲われて、この砂漠が危険な場所だっていうのが嫌でも分かるね。俺達が会った場所らへんは魔獣に襲われはしたけど、こんな頻度で来ることは無かった。砂の下にある汚染された魔力も多いし・・・・ここで生活していく人たちは大変だね。俺達が持ってく物資と水で生活が楽になれば良いんだけど。
そんな事を考えていると、ウォルは大剣を持って突撃しあっという間に蠍の尻尾を切断し、それに合わせてアルベルドが頭を潰して終わったし空中に居る鷲はレイランの水の縄で拘束されて、シャールクの雷の矢で射貫かれて戦闘は終わってしまった。砂漠での戦闘に慣れて来たから、危ないところも無いし俺が戦う場面も無いんだよね~もしまたあの巨大ワームが出てきたら一瞬で倒すけどね!
「うむ、増援は無さそうだな。進もう」
「少し砂が入ってしまったな。気を付けなければ」
「近接戦闘になるとどうしても、砂被っちまうよな~」
「砂漠の戦闘では、遠距離で攻撃できる方が便利ね。砂を被る事も無いし、遮蔽が無いから攻撃も通りやすいし」
「だな、結構風はあるが魔法を纏わせてしまえば矢は何とかなるし」
「砂嵐で戦う事もあるから、近距離で戦う用意はしておくように」
「「はーい」」
どうしても動くと砂を被っちゃうし、踏み込むための足場も悪い。だから、動かなくて良い遠距離攻撃が一番楽なんだけど、ウォルはまだ魔法を練習中だからね~
「皇子も魔法の練習として、後衛で戦ってみたらどう?前衛ならアルベルドが居れば十分だし、なんならシャールクと交代でも良いわね」
「えっ!?俺前衛はあんまり得意じゃないって言うか~」
「嘘言わないの、あんまりサボってると前衛の動き鈍るわよ」
「確かにシャールクは最近サボり気味だな」
「うっ・・・・」
「俺は良いが、まだあまり魔法を使いこなしてないから戦力になるかどうか・・・・」
「それも踏まえての練習ですよ。魔法ひたすら実践あるのみです!」
「俺も魔法の練習を~」
「シャールクは十分でしょ、前衛で戦いなさい」
「はい・・・・」
シャールクは嫌がってたけど、レイランが睨むと大人しくアルベルドの後ろに着きウォルは後ろへと周った。ウォルは皇都に居る時も砂漠を旅している時も継続して魔法の練習してるけど、まだ俺があげた属性を剣に纏えるぐらいしか出来るようになってない。魔法を打ち出すことも少しは出来るようになってきてるんだけど、威力と速さが安定して無いからまだ戦闘で使うにはもう少し出来るようになった方が良いかも?
「シャールクって何時も弓を使ってるけど、剣も使えるんだよね?」
「おう、使えるぜ~」
シャールクは何時も背負っている弓を使ってるけど、腰に二つのナイフを携えてる。使ってる所見たことないけどどうやって戦うんだろ。
「シャールクは、元々ナイフ使いなのよ。前衛で敵の攻撃を受け止める戦い方はそんなにだけど、盾をフォローする戦いはとても上手いわよ」
「うむ、身軽さとバネを活かした戦い方は豹獣人ならではのものだな」
「へ~強いんだ!じゃあ何で弓使い始めたの?」
「それはな」
シャールクは笑いながら振り返り俺を見た後、後ろに居るウォルを見ながら
「何処かの誰かさんが遠距離攻撃を持たないから、バランス悪いだろ?二人接近戦しか出来ないってなったら、色々と問題が多いし俺は魔法で物の象るのが得意だから弓にしたんだよ」
「うぐ」
「それに、ウォルの護衛は騎士団が固めてるから傍で戦うより一歩引いて戦況みられる位置に居た方が良いと思ってな」
シャールクはニヤニヤしながらウォルを見て言う。その言葉を聞いてウォルは少しばつが悪そうにしながら
「・・・・感謝してる」
「ははっ魔法の練習頑張れよ」
そう言うとシャールクは、正面を向きなおした。シャールクが弓を覚えたのってウォルの為だったんだ~小さい頃から二人は一緒だったって聞いたけど、本当に仲が良いよね。アルベルドやレイランもウォルと仲良いけど、所々上下関係を感じる事もある。だけど、シャールクは対等って言うか皇子だってことを気にしてないみたい。だから、シャールクはウォルをからかったり怒ったりその逆もあるんだね。
シャールクが戦ってる姿を見たかったけど、あれからぱったりと魔獣が現れなくなっちゃった。町の周辺は魔獣達を定期的に駆除してるってアルベルドが言ってたし、そろそろ町が近いのかも。歩いていると日が暮れ、段々あたりが暗くなってきたけど前方に光が見えて来た。多分だけどあの光がきっと
「ボロスが見えたぞ」
「く~やっとか!」
「完全に夜になる前に見えて良かったわ」
「そうだな、日が完全落ちるまでそう長くない急ごう」
俺達は先に見える光に向かって、一歩ずつ確実に砂を踏みしめながら歩いて行く。
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