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俺、出発するよ!

 誤解が解けた俺達は、明日に備えて早く寝なければいけないのでみんなそれぞれの部屋に戻り今日はシャールクの部屋に行き俺も寝る事にした。


 明日で皇都とはさよならか~全然見て周れなかったな~。皇都には色々な物が有って見る所も沢山あるってみんなから聞いてたから楽しみにしてたんだけど、俺達を待ってる人達が居るんだから仕方ないよね。もう二度と来れない訳じゃないんだし、また来た時にその楽しみを取っておこう。明日は天気になると良いな~そう祈りながら俺は、眠りつくのだ。


 次の日熱い日差しを受けたことによって、起きた俺はあまりにもの暑さに窓を水でふさいでしまった。


 あっつ~い!昨日まではまぁまぁ暑いかなぐらいだったのにいきなり過ぎない!?雲一つないいい天気なのは良いけど、ここまで暑くなって欲しいとは言ってない!


 あまりの暑さに天気に文句を言いながら、俺はまだ隣で寝てるシャールクの毛皮に飛び込む。


「おりゃ~~」

「うおっ!?・・・・クーアか」


 シャールクはこの部屋で寝るときは何時も獣の姿になっているから、ふわふわでさらさらの毛皮が気持ち良いんだよね。シャールクはお日様の匂いがするし、暖かくて一緒に寝っ転がるとすぐ寝ちゃうんだよね。


 俺が飛び込んだことによって起きたシャールクは眠たそうに眼を開け俺を見ると、また目を閉じそうになったので


「もう、朝だよ~起きないとウォル達に怒られるよ~」

「ん~もう少し・・・・」


 昨日も思ったけど、もしかしてシャールクって朝が弱いのかな?眠そうなシャールクを起こすのはちょっと可哀そうだけど、ウォルからまた寝そうになったら叩き起こすように言われてるから、起こさないと。


「ほら~起きて~準備しないと~」


 また眠ってしまったシャールクの体を揺するけど、起きてくれない~起きて~よいしょっと。寝ているシャールクの体を持ち上げベットから降りたけど、まだ起きる気配が無い。えぇ~ベットから離れたら起きると思ったのにどうしよ・・・・悩んでいると、扉がノックされ


「クーア、シャールク起きてるか?」

「ウォル~シャールクが起きない~」

「はぁ・・・・全く」


 扉から聞こえてきたのはウォルの声だ。俺が返事をしたので扉を開け入ってくると、ウォルを持ち上げて床に立ってる俺の姿を見て目を丸くし、


「・・・・どういう状況だ?」

「ベットから離れたら起きるかな~と思ったけど、駄目だったの」

「・・・・クーアそのまま浮けるか?」

「?出来るよ~」


 ウォルに言われた通りシャールクを持ち上げたまま、一メートルくらい浮かぶ。一体ウォルは何をさせようとしてるんだろう?


「じゃあ、そのままシャールクを落としてくれ」

「ふえぇ!?」


 そんなことしたら、シャールクが地面に落ちて怪我しちゃうよ!?


「大丈夫だ、俺を信じてくれ」

「うう~分かった」


 ウォルがシャールクを傷つけるようなこと言うはずがないもんね。きっとウォルには何か考えがあるはず、俺はウォルに言われた通り、パッと手を放し、シャールクの体の下から抜け出すと落ち始めた瞬間、寝ていたシャールクはバッと体を捻り四本足で見事に着地した。シャールクの目はぱっちり開かれ、尻尾もピンと立っちゃってるけど起きたみたいだね。それにしても・・・・


「おお~凄~い!」

「猫系の獣人だからな、着地は得意なんだ」

「吃驚した・・・・っておい!いきなり何するんだよ!」

「あはは、シャールク、毛が凄い事になってる~」


 いつもサラサラで整ってるシャールクの毛は逆立って大きくなっちゃってる。


「ク~ア~」

「あはは、ごめんごめん」

「クーアは悪くないだろ起きないお前が悪いんだぞ」

「やれって言ったの絶対にウォルだろ!!」

「起きないお前が悪い」

「くそっ覚えておけよ・・・・」


 実際ウォルが言ってる事は正しいから、そんなに強く反論できないシャールクはしぶしぶ人の姿に戻り服を着替える。今日は出発の日だから、キラキラした服じゃなくて旅用の少し落ち着いている服。金で出来た装飾品は、派手だけどワイルドなカッコ良さを持つシャールクには合っている。昨日準備しておいたリュックを背負うと


「うし、これで全部だな」

「よし、行くぞ」

「は~い」


 俺はシャールクの肩に乗り王様達が待っている広間に向かっていく。途中で自分達の仕事場に顔を出していたレイランとアルベルドと合流し広間へたどり着き中に入ると、そこには最初に会った面々と大量の荷物が置いてあった。


「クーア殿、ウォル・シャールク・レイラン・アルベルド朝早くからご苦労。お前達に頼む物資の準備は既に済んでいる。本来であれば王である私がやるべき事であるのにお前達に色々任せすぎな私を許してくれ」

「いえ、皇子として務めを果たしているだけです。父上がどれだけこの国行く末を心配しているか分かっています」

「私は騎士団に入った時国へ全てを捧げると決めました。ですので、お気になさらないでください」

「えぇアルベルドの言う通りです」

「俺は、国民としてやるべき事をやっているだけですから」

「そうか・・・・決して一人も欠ける事無くここへ戻ってくるように」

「「「「はい」」」」

「クーア殿、この四人をどうかお願いします」

「まっかせて~」


 王様と王妃様の目には心配の色が浮かんでいる。そりゃそうだよね、可愛い息子や部下を大変な旅に行かせるんだもん。


「ウォル体に気を付けるのですよ」

「兄さま帰ってきたら色々話聞かせてくださいね!」

「シャールク、ウォル皇子の事は頼みました」

「アルベルド、三人を守り切るのだぞ」

「レイラン、魔法の研鑽を忘れないようにね」


 みんな別れの言葉を貰い俺はミレイアの所に行き


「これが俺が持って行く荷物?」

「そうです、町ごとに分けてありますので、この紙に書いてあるものを町に届けてください。それと、こちらが大地に植える種です。クーア様は、大地に何が生えていたのかを知ることが出来ると聞きました」

「出来るよ~」

「この種の中に、大地から既に消えてしまっている植物があったら植えて下さい。クーア様にこんな事させるのは申し訳なく不敬だと思うのですが・・・・」

「気にしないで~俺も植物が増えてくれた方が嬉しいから!」


 俺は大量の種が入った箱と、町ごとに分けられてる荷物をポケットにしまい込むと王様が、俺の元まで来ると


「クーア様、本来は貴方様を祀り歓迎し、働かせるなど以ての外なのですが・・・・ウォル達の事と国の事お願いします」

「うんうん、気にしないでね。俺は祀られる気なんて、無いんだから」

「本当に申し訳ありません」

「俺は好きな事をしてるだけだから、俺も嫌だったら断るから大丈夫だよ」

「そうですか・・・・」


 この国の人達は竜種に働かせるのを嫌がるんだよね。竜種は崇め人間は奉仕する者だと思ってるみたいだけど、俺はそんなこと考えてないよ。自分が好きな事をして、自分が動くそれが普通だと思ってるし。俺はみんなの元に戻り、挨拶も終わったのでウォルが


「それでは、父上母上、そしてみんな行って参ります」

「うむ、任せた」


 俺達はみんなの期待を受けながら、皇都からボロスに向かって出発した。

読んで頂きありがとうございます!

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