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俺、秘密がバレちゃったよ!?

 今日の夕飯は、色とりどりのフルーツと牛の丸焼きだったよ!牛が丸ごと出て来た時は吃驚してウォルの後ろに隠れちゃったけど、食べてみたら肉汁たっぷり、直火で焼いた香ばしさが有って本当に美味しかった!油が凄いから飽きちゃうかもと思ったけど、お酢と胡椒、玉ねぎとか色々な調味料を混ぜた付けダレがあってそれを付けるとさっぱりとした味になっていくらでも食べれちゃった。

 夕飯にはアルベルドとレイランも居たんだけど、ウォルはみんなと少し話があるからと言って俺は先にウォルの部屋に戻って来た。何か相談事でもあったのかな~ウォルが帰ってくるまで本でも読んでようかな~と思ってたら、扉が開きみんなが入ってきた。


「あれ~早かったね。みんな揃ってどうしたの?」

「少し・・・・クーアに話が有ってな」

「うむ」


 みんなの表情は少し暗く深刻そうだ。もしかして俺が知らないだけで、重大な問題が起きてるとか!?明日には出発なのにどうしよう!?もう少しここに残った方が良いのかな?


「どうしたのみんなそんな深刻そうな顔して・・・・何でも言って!俺に出来る事なら協力するから!」


 俺には国を運営する政治とか、信仰とかは分からないから力になれないけど魔法で解決できることなら大体力になれると思う。水が足りない?それなら、俺が雨を降らせるよ。魔物や魔獣が沢山居て大変?それなら、俺が全て倒してあげるよ。何でも言って!


「そうか・・・・なら、俺達にもクーアが抱えてる悩みを背負わせてくれないか?」

「え?」


 全く予想外な事を言われて吃驚しちゃった。俺が抱えてる悩み?何のことだろう。


「ここ最近クーアは何かに悩んでいただろ?俺達じゃあんまり力になれないと思うけど一緒に悩むことぐらい出来るだろ?友達なんだから相談してくれよ」

「うむ、ここ最近少し様子が可笑しかったぞ。俺達に何かを聞いては悩んでいる顔をしていた。俺達では力になれないだろうか」

「もし、竜種としての使命で人に言えないなら言わなくても大丈夫よ。私達は何か悩んでるクーアが心配なだけだから」


 みんな俺の周りに座り、そう言ってくる。そっか・・・・誤魔化せてると思ったんだけど、バレちゃってたのか。みんな心配してくれたみたいだし、内緒にし続けるのも良くないよね。みんなは俺の悩んでることがとても深刻な事だと思ってるみたいだけど、違うんだよ!ただ、ぬか喜びさせたくなくて黙ってただけで、竜種の使命とか世界の行方とかそんな壮大な事じゃないんだ。


うぅ~言いづらい・・・・


「やっぱり、何か星に問題が起きたのか?まさか、また汚染された魔力が!?」

「違う違う!そんな事じゃないんだよ・・・・ただ~」

「ただ?」

「ただ、ぬか喜びさせたくなかっただけなんだ」

「・・・・どういうことだ?」


 こうなったら全部話すしかないよね・・・・


「あのね、俺が悩んでることはエルディランとヴィラスの居場所なんだ」

「・・・・?守護竜様の居場所を知ってどうするんだ?」

「多分だけど、エルディランはまだ生きてるよ」

「!!それは・・・・どうしてだ?」


 みんな俺の言葉に目を見開くと、慎重に俺になぜかと聞く。汚染された魔力に侵されたエルディランは長い時間を掛けて自分が魔力に侵され暴走しないように眠ってるけど、そのうち死んでしまう運命は変わらない。もしかしたら、エルディランはもう死んでしまったんじゃないかという考えがみんなの中に有ったんだろうね。だから、みんな驚いてるし声が震えてる。


「まだ、大地にエルディランの加護が残ってるし今も生きてるんだ。もし加護を掛けた人が死んじゃったら一緒に加護も無くなるはずだからまだ生きてるんだ。だけど、エルディランは弱ってるしこのままだと死んじゃう」

「「「「っ!!」」」」

「だけど、俺なら汚染された体を治すことが出来る。もし瀕死の状態でも、俺なら回復できるし生命力も上げることが出来るからまたエルディランは元気にこの国に戻って来れると思うんだ」

「本当か・・・・!?」

「まさか、そんな事が」

「エルディラン様が戻って来られる・・・・」

「そんなまた昔の様に、エルディラン様と暮らせるの?」

「うん、会ってみないと本当に治せるかどうか分からないけど多分俺なら大丈夫だ思う。みんなに伝えなかったのは、いつエルディランが死んじゃっても可笑しくないからなんだ」

「そんな!」

「エルディランの状況がはっきり分からないから、どうとも言えないんだけど300年近く汚染した魔力と戦ってるみたいだからちょっと心配なんだ。エルディランが見つかると保証できないし、間に合うかも分からない。だから、みんなに伝えなかったんだ」

「そうか・・・・クーアありがとう守護竜様の事と俺達の事を考えてくれて」

「私達の守護竜様の事なんだもの、私達も手伝わせて!」

「商会の力も使って色々情報を集めてみるぜ、きっと何かしらは見つかるはずだ」

「うむ、俺も文献を探しておこう」

「うん!ありがとう、それとねヴィラスの事なんだけど・・・・」


 みんなは、会議を始めどうやってエルディランの情報を集めるか話し合っていたけれど、アルベルドはいち早く反応し俺を見る。アルベルドは白風の一族だもんヴィラスの事が気になるよね。


「ヴィラス様がどうしたんだ?」

「あのね、ちょっと表現しづらいんだけど死んでるけど死んで無いかもっていうか、一部死んで無いかもっていうか」

「どういうことだ?」


 う~ん説明しづらいな~どう言ったらいいんだろう。


「あのね、普通生き物って魂と肉体がセットになって生きてるの。普通魂を動かしたりとか使ったり出来ないし、肉体が壊れちゃうと魂は体から離れて星に戻っちゃうんだけど

「ふむ・・・・」

「もしかしたらヴィラスの肉体は死んじゃったけど魂はまだこの世界に残ってるかもしれないの」

「それは・・・・どうしてそう思ったんだ?」

「普通肉体が死んじゃったら、魂は体から離れ星に戻るんだけど、竜や精霊って魔力の塊みたいなものだから魂だけでこの世界に残ることが出来るんだ。前にヴィラスが死んじゃった時その体から汚染した魔力が溢れ出さなかったか聞いたでしょ?」

「あぁ、覚えてる」

「体に汚染された魔力を大量に取り込んでいたら、核を壊したとしても汚染した魔力が体から溢れ出しちゃうんだ。見たことあるでしょ?」

「うむ、偶にそういった個体が居るな」

「でも、ヴィラスはそうならなかった。汚染された魔力を大量に体に取り込んでるはずなのに」

「!!ということは」

「多分だけどヴィラスが魂だけで生きていて肉体から汚染された魔力が溢れ出すのを抑えたんだと思う。そして、埋められた後もずっと体から溢れ出すのを抑えてるはず、だってそんな大量の汚染した魔力が溢れ出したんなら誰かしら気付くはずでしょ?」

「では・・・・まだヴィラス様は・・・・」

「うん、まだこの大地に残ってると思う。エルディランみたいに肉体が残ってる訳じゃないから、再生させるのは難しいだろうけどその責務から解放させないと。それに、俺の力ならヴィラスがまたこの大地に戻って来れるように出来る」

「!!そんなこと、一体どうやって」

「それは内緒っ」


 星の魔法を使えば、魂の循環を早めることは出来る。だけど、今の俺じゃ魔力が足りないしヴィラスの魂が傷ついているだろうからその怪我を癒す時間も必要だね。簡単にすぐとはいかないだろうけど、きっとなんとかできる。


「これが、俺が内緒にしてた事だよ」

「そうか、ヴィラス様が・・・・」

「長年我々を守ってくれていたんだな」

「守護竜様を絶対見つけないといけませんね」

「ありがとうクーア、希望を見せてくれて」


 みんな部屋を入って来た時は深刻そうな顔をしていたのに、今は希望に満ち溢れた顔をしている。こんな顔をしてくれるんだったらもっと早く教えてあげるんだった。みんなの希望を叶えるためにも絶対守護竜を見つけないとね!待っててねエルディラン、ヴィラスすぐ迎えに行くから!

読んで頂きありがとうございます!

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