俺、皇都を歩くよ!5
アルベルドが欲しい物を見終わったので、一緒にみんなを探していると大きな何かの周りで話しているみんなを見つけた。集まってどうしたんだろう?
「どうかしたのか?」
「アルベルト、クーア買い物は終わったのか?」
「あぁ欲しい物は揃えられたが、集まってどうしたんだ?」
「実はシャールクがな」
ウォルが指さした方を見るとシャールクが大きな何かをじっくりと眺め、悩ましそうに考えている姿が有った。レイランは呆れたように見ているけど、ウォルもその大きなものが気になってるようだ。シャールクが見ていたのは、尖がっている帽子みたいな形をした置物だ。中には柔らかいクッションが敷いてあって居心地が良さそう。ウォル達三人が中で寝ても大丈夫なぐらい広くて、中には光の魔道具が有って明るい。
「なにこれ?」
「これはテントの魔道具だ!先月開発された最新モデルで、珍しい大蛇で作られていて、丈夫なんだぜ。しかも温風と冷風の魔道具付きで、マットレスは魔獣羊の毛を使ってふわふわ」
「お~」
「しかもしかも、折りたたんで小さく出来るし日の光は遮り、防水防塵頑丈文句のつけようがない。さらに浄化の魔法刻印と強化の魔法刻印が入ってるから、長く使えて清潔」
「おお~」
「さらにさらに、値段も安いし魔道具の効果が切れたら魔核を入れ替えればいいだけ」
「おおお~良いね!」
「だけど・・・・」
「誰がこれを運ぶのかってことよね」
シャールクは意気揚々と商品の紹介をしてくれたけど、レイランが呆れたように言う。その言葉を聞いてシャールクは残念そうにしながら、
「そうなんだよな・・・・小さく出来るとしても、重さがな~一緒に馬を乗せるには重すぎるし、一頭新しく馬を買う訳にもいかないし」
「確かに魅力的な物ではあるが、色々と難しいな」
「そうね、そこらへんで少し過ごすくらいなら不便さを感じないだろうけど、長距離の旅になったら邪魔だし運んでいる時に襲われたら大変ね」
「うむ、確かに良い物だが俺達の旅には合わないな。鎧人達に売ったらどうだろうか。彼らは皇都周辺で野宿することが多いし、鎧を使えば簡単に運べるだろう」
「うう~良いんだけどな~仕方ない今までのテントで我慢するか」
俺達が旅の間使っていたテントはとても軽い鉄の棒と、少し手触りの悪い布を使って毎回組み立てていた。地面は布を敷くだけで、ごつごつしていて寝づらくないのかなと思ったけど、みんな慣れちゃったって言ってた。だけど、慣れただけで寝づらいとは感じてるみたい。だからみんな無理だと思ってるけど、欲しそうな顔をしてテントの魔道具を見ている。
みんな欲しそうだね~重さが問題なんでしょ?だったら俺が何とかしてあげるよ。
「俺が運んであげるから買っちゃえば~?」
「いや、クーアが力持ちでもこんな物を運ばせる訳には行かないだろ」
「そうだな、それにいくら畳めると言ってもクーアより大きい。こんなもの運ぶのは大変だろ?」
「ん~ポケットに入れちゃうから大丈夫だよ?」
「ポケットって・・・・あっその方法が有ったのか!」
「俺も旅の仲間なんだから、少しぐらいは運ばせてよ」
「あ~~じゃあ、お願いしても良い?」
「もっちろん!」
「じゃあ、これを一つとレイラン用に小さいのを一つでいいか」
「うむ」
「金は十分にある大丈夫だ」
「やったっこれで外でも快適に寝れるようになるのね」
俺が運べることに気付いた四人はとても嬉しそうだ。アルベルドは中に入ってクッションの感触を確かめてるし、ウォルはテントの革を触っている。レイランも嬉しそうに、中に入って横になってしまった。
「姉さん、これ代金ね」
「えぇ・・・・丁度ね。それで城まで運びましょうか?」
「いや、大丈夫」
「そう?」
シャールクはお姉さんにお金を渡すと、俺を見て
「それじゃあ、クーアよろしく!」
「は~い」
「ほら、この後いくらでも味わえるんだからどいて」
シャールクが中で寛いでいた三人を退かしてくれたので、俺は組み立ててあるテントそのままをポケットの中に入れた。俺達の事を見ていた店員さんからすれば、一瞬の内にテントが消えてしまったから驚いて動きが止まってしまった。四人はそんな事気にせず、喜びながら
「これで旅が少しは楽になったわね」
「最初の頃は地面に寝るのが慣れず苦労した・・・・」
「今ではどんな場所でも寝れるようになってしまったからな」
「夜の内は寒いのに朝起きたらとてつもなく暑くなって起きちゃったこともあったわよね」
「朝起きたら足の隅にサソリが居たこともあったな」
「あったっあった。ウォル朝が弱いからサソリを見て少しの間状況が理解できず固まってたよな。それから、野宿は大変だってしばらくの間ずっと言ってたぜ」
「あれは、しょうがないだろう。気持ちよく寝ていたのに朝起きてサソリが居たら固まりもする。そういう、シャールクも獣の姿で寝てる時毛皮に砂が入って文句言ってただろ」
「お前は毛皮が無いから分からないだろうけど、毛皮に砂が入るのは滅茶苦茶不快なんだぞ。ジャリジャリする簡単には取れないし、人間の姿に戻っても砂を被ってる気分だし最悪なんだ!」
「それから、獣の姿では寝なくなったな」
「寝るときは獣の姿が一番楽だし気配も感じ取りやすいんだが、流石にあの不快感を毎日味わうのは無理」
今まで大変だったことに思うことが有ったのか、思い出話をし始めた四人。そんなに旅って大変だったんだね。俺が一緒になった時はもうみんな旅に慣れていたから、何一つ文句を言うことなく野宿をしていたけどみんな不満は有ったんだね~
「荷物持ちなら任せて!まだまだ余裕あるよ~」
「いや、クーアはそれだけで十分だ。もしクーアに全て預けてしまったら、必要な時に取るのが大変だし俺達がバラバラになってしまった時不味い事態になるからな」
「だから、自分が必要な分は自分で持つのが鉄則なのよ」
「そっか~じゃあ、邪魔で運べない物だったら任せてね」
「うむ、旅の間に狩った魔物なども任せても良いか?今までは色々諦めていたが、あれを売るとなかなか良い金額になるんだ。勿論クーアに分け前を渡すぞ」
「そうなんだ~何時も魔核を取るだけだったもんね」
「うむ、特別高価な物なら持ってきたが泣く泣く捨てなければならない物も多かったからな」
俺はお金に興味は無いけど、みんなには必要な物だもんね。たまに俺も欲しい物が有ったりするから、少しは俺もお金を持った方が良いかも?
「クーア悪いが、あとどれくらいポケットに入るんだ?」
「ん~いっぱい!この倉庫の物が全部入るくらいには余裕あるよっ」
「・・・・それなら、支援物資も多く運べるな。父上に言って色々用意して貰った方が良いな」
「良い考えだと思います、支援物資は送ってますが私達なら足が速い。早急に届けることが出来ますね」
「すぐに王に伝えます」
アルベルドはその話を聞き、一旦俺達から離れて王城に話を伝えに言った。アルベルドの買った物は俺が一旦持っておいて、旅の準備を順調に進めていく俺達。明日には出発しないといけないから、やるべき事は今日で済まさないとね。
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