俺、魔法について教えてもらうよ!2
「そして何より重要なのはどんな魔法を使うのかをしっかりとイメージすること」
「いくら魔力操作が上手かったとしても、発動する魔法を思い描けなければ意味ないからな」
「だから、これから毎日みんなで魔力操作とイメージの練習をしましょう。解らないところがあれば教えるし、色々な魔法を使えるクーアが居るんだもの訓練するにはもってこいね」
「お~俺も先生?」
「そう、よろしくねクーア先生」
「おぉぉ先生!よ~し何でも聞いてね!」
俺はまだ知らないことが沢山有るけど、魔法に関してなら任せてね!俺が持ってる属性の魔法は全部自由に使えるし、みんなの魔力を操ることも出来るから色々教えることが出来ると思う。
「みんな魔力の放出はある程度できるから、まずは放出した魔力を掌に集める事から始めていきましょうか」
「うむ、基本だな」
「魔法を使ったら制御できなくて暴走しちゃう可能性があるから、最初は何も魔法を乗せずにただ魔力を放出するだけね」
「俺、これ苦手なんだよな~」
シャールクは嫌そうにしながらも、魔力を放出して掌に魔力を集めていくけど形が歪だし時々崩れちゃってる。ウォルは魔力を放出することは出来てるけど、掌に集めるのに苦戦してるみたい。
「魔法士を目指す人でもこれが一番難しいですからね。いくら自分の魔力だと言え目に見えないものを感覚だけで操作しないといけませんから」
「・・・・目に見えない?」
「えぇ、高濃度の魔力でなければ目に見えませんからね」
・・・・あっそっか!人間は魔力を見る事が出来ないんだった。確かに目に見えない物を、操ったりするのは難しいよね。俺は魔力の流れや空中に散っている魔力、そして自分の魔力も見えるから簡単に操ることが出来るんだよね。
だったら、みんなも魔力が見えるようになったら簡単に魔法が使えるようになるんじゃないかな。星の魔法を使えばみんなに全ての魔力が見えるようにすることが出来るけど、それはなんか違う気がする。みんな苦戦しながらも、練習してるしそれを俺が何でもかんでもやってあげるのはなんか違うよね。
「魔法を使えば楽なんだけどな~」
「シャールクは魔法の矢を作るのが上手よね」
「うむ、騎士団に入っても問題ないレベルだな」
「あれは見慣れてる物だし、目に見えるからな」
「・・・・」
アルベルドは苦戦する事無く魔力を掌に集めることが出来てるし、レイランは集めた魔力を色々な形に変えている。ウォルは無言で集中してるけど、中々出来ないみたい。
「皇子日々努力すれば出来るようになりますよ」
「そうか・・・・」
「流石にすぐに出来たら俺落ち込むぜ」
シャールク達は長年魔法の訓練をしてきたから魔力の操作がある程度出来るのだ。すぐにウォルが出来るようになったら嬉しいけど、ちょっと落ち込んじゃうよね。だけど、ウォルは水の魔法を長年使いたいと思ってたんだし、少しだけ手助けするぐらい良いよね?
「じゃあ、俺が少しだけ手伝ってあげる。操作出来るかはウォル次第だけどね」
俺はウォルの近くまで行って、ウォルが放出している魔力に星の魔法で色付けをしてあげる。
「これは・・・・」
「この水色に光ってるものがウォルの魔力だよ」
「魔力が見える・・・・!?可視化できる程高濃度じゃないのに!」
「綺麗だな・・・・」
「おお~魔力ってこんな感じなのか」
今俺がやったのは、ウォルが放出している魔力に色を付けて見えるようにしてるだけ。みんなに魔力が見えるようになる魔法を掛けた訳じゃないし、ウォルの魔力を俺が操った訳でもない。ただ見えるようにしただけ。だから、これを操れるかどうかはウォル次第。
「これで魔力が分かりやすくなったんじゃない?」
「あぁこれなら分かりやすいな、ありがとうクーア」
「うん!」
ウォルは色付いた魔力をしっかり見ながら集中し魔力がどう流れているのか、今魔力がどういう状態なのかを確認しながら操っている。まだ、掌に集めることは出来ないけど、魔力を操る事は少しずつ出来てきている。
「この方法があれば、魔法を習得する速さが格段に上がるわね。クーアこれはどういう魔法なの?」
「これは星の魔法だよ~少しの間だけウォルから放出される魔力に色付けをしたんだよ。だから、少ししたらまた見えなくなっちゃう」
「星の魔法なのね・・・・それは私には使えないし・・・・あれ、でもクーアの加護で私にも星の属性がっ」
「あっごめん言い忘れた。星の魔法は俺の加護が有っても無理だよ」
「そんな・・・」
レイランが地面に手を付きながら悲しんでいるけど、ごめんね~いくら俺の加護が有っても星の魔法は無理なんだ。まず、星の魔法を使うには星の意識に触れなきゃいけないから人間の精神には耐えられないから無理なんだよね。あと星の防衛策として例外以外は生きている者は星の意識には触れられないんだ。例外というのが星の属性を持つ者達の事。
だから、どれだけやっても星の魔法を使う事は無理。けど、俺が今やったことをしたいなら他に方法があるよ。
「レイランそんなに落ち込まないで~」
「大丈夫よ、ただ残念で・・・・あれが出来ればより魔法が習いやすくなるのに」
「やろうと思えば、同じことを他の魔法でも出来るよ?」
俺はシャールクの傍に行って魔法を発動させる。
「こうやってね」
「おぉ紫!カッコイイな」
「えっどうやって!?」
俺が今やって見せた魔法は星の魔法じゃなくて闇の魔法と光の魔法の合わせ技。魔法を魔力に纏わせて魔力に反応して光る様に調節すればこんなことだって出来る。
「ただ、魔法でシャールクの魔力に纏わせて光るようにしただけだよ~」
「・・・・そうか!何でそんな単純な事を思いつかなかったの!」
「昔からこの方法だからな、仕方あるまい。それに、魔法を掛ける側は相手の魔力をしっかり把握しないと魔法が発動しないだろ」
「熟練した魔法士なら相手の魔力を感じ取る事程度簡単に出来るわ。皇都に戻ったらすぐにこの事をまとめて報告しないと・・・・」
魔法は想像力次第で本当に色々なことが出来る。新しい発見をしたり、生活がより豊かになったりね。魔法は万能だけど水で火を起こしたり、風で大地を揺るがしたりとか属性からかけ離れた事は出来ない。
「魔法は楽しい事を考えると使いやすいよ~」
「楽しい事?」
「そう、好きな物や~馴染み深いものその方がイメージしやすいから魔法も使いやすいんだよ
「好きな物・・・・」
「俺はいつも水遊びしたいとか、スナネコちゃんとかウサギちゃんの事を考えて魔法を使うの。そうすれば形や感触が再現しやすいでしょ?」
「はは、クーアらしいな。そうだな、確かに想像しやすい」
「ウォルも魔力の操作が慣れたらすぐに魔法を放つことが出来るようになると思うよ」
色付けた魔力に集中しならが、ずっと訓練しているウォルを応援しながら色々聞きたそうにしているレイランの質問に答えていくのだった。
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