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俺、燃え爛れる大地を浄化するよ!

 お手伝いさん達のおかげで大地の浄化は止まる事無く順調に進んでるね。みんなに任せた大地の復活や水路の回収は何の問題も無いし、ヴィラスは火の魔力を集めて絶好調だし俺は久々に水の中に入れて凄く楽しい!勿論、この作業は凄く大事なことだから楽しみながらも真剣にやってるよ。


「みんなの魔力はまだまだ余裕みたいだね~」


ガウ ガゥン ガガウ


「ん?もっと早くても平気だって?頼りになるね~でもみんなには無理をさせられないしこのペースで頑張ろうね」


 確かに魔力が増えてとても強力な存在になったみたいだけど、お手伝いさん達の本来の使命はこの国に水路を引き人々を助けること。この作業はあくまで俺のお手伝いだから彼らの力をここで消費する訳にはいかないんだよね。これが終わったらみんなには直ぐに元居た場所に戻って貰うんだからみんなの負担は出来るだけ減らしたいから、これ以上スピードを上げるつもりは無いよ。気持ちは嬉しいけどね。


ニャニャ ン ナオーン?


「この土地にもお手伝いさんを派遣するのかって?う~ん、それはちょっと迷ってるんだよね~」


 アルベルドから魔境の先にはネリアとセレルしかないって聞いたからお手伝いさん達は人が待っている魔境より手前の土地に派遣しているんだよね。みんなそれぞれ担当の場所を持っているからもしもこの大地、もしくはネリアとセレルにお手伝いさんを派遣するなら新しく仲間を作らないと駄目なのだ。だけど、お手伝いさんはそうほいほいと作っちゃ駄目だって言われたし、ネリアとセレルの問題は俺が解決するから要らないと言えば要らないんだよね~


 キュウ キュキュッ?


「作れない訳じゃ無いよ。だけど、必要か考えると微妙じゃないかなって」


 わざわざお手伝いさんを作らなくても十分町は回るし、お手伝いさんは凶悪な魔物を退治する役目も担っているけど、それはあくまで人間が危険な時だけだ。俺達が魔物を狩りつくしたらここら一帯は安全になるだろうけど、それじゃあ人間の仕事を奪ってしまうし食糧だって減ってしまう。それに俺達は世界を守る者であって一部の生き物を滅ぼす殺戮者じゃないしね。


クゥーン クン!


「そうそう何でもバランスが大事ってヴィラスに教わったからね~」


 お手伝いさん達は頭が良いからすぐに物事や俺の考えを理解してくれる。そんな彼らを生み出した主として俺はしっかりしないと駄目だよね!考え事を止めて俺は大地の復活に集中し、時間を忘れて作業しているとヴィラスが突然止まった。


「あれ?どうしたの~?」

「そういえば昼の事を忘れていたと思ってな。少し過ぎてしまったが昼食にしよう」

「あ、確かに~折角作って貰ったんだからちゃんと食べないとね!」


 夢中で大地の浄化をしていたせいで危うくお昼の事を忘れちゃうところだったよ!俺達は地面に流れる水の中から浮上しヴィラスは纏っていた火の魔力を全て吸収すると大地へ降りた。


「食事を取るならば、机が必要だな」

「椅子もね~」


 ヴィラスは軽く指を振ると大地が隆起し机と椅子の形となった。俺はそれにウォルから預かってるテーブルクロスとランチマットを置き椅子には柔らかいクッションを置いた。ご飯を食べる時は余裕があるならしっかり場所を整えないとね!


「準備が良いな」

「ウォルから預かってるからね~ポケットの中には色々あるよ!」

「ポケット・・・・あぁ空間収納か」

「そんな名前のやつ~」


 ポケットの魔法は・・・・誰に教えて貰ったんだっけ?覚えて無いってことはどうでも良い人か教わったんだろうね。俺は朝の残りが入った籠をテーブルに置いて食べようとしたけど


「そうだ、まずは今日頑張ってくれたみんなにご褒美をあげないとね」


 お手伝いさん達はお行儀よく俺達の横でゆっくりと休憩していたので俺の魔力がたっぷり入った水を作り出す。


「おい、それは流石に籠め過ぎじゃないか?」

「え~今日この速さで浄化出来たのはみんなのおかげだしこの後も頑張って貰うんだからこれぐらいしないと駄目でしょ~」

「ん~・・・・まぁ眷属に渡すのなら良いか。一応言っておくがその水は絶対に人に飲ませるなよ。クーアの魔力が籠り過ぎて星々を内包した水みたいになってるからな」

「それぐらい分かってるよ~こんなの人間に飲ませたら魔力が多過ぎで破裂しちゃうよ」


 過ぎた魔力は生き物にとって毒になる。生き物には魔力を受けいれられる器があってその大きさは人それぞれだけどその器以上の魔力を注ぎ込まれると体が耐えられなくて破裂しちゃうんだよね。だけど、この子達なら殆どが俺の魔力で出来ているし器もほぼ無限だから大丈夫だよ。俺達は今か今かと俺の水を見ているお手伝いさん達一人一人に水をあげるとみんな喜んで口の中に入れていく。


キュウ~♪ ワオン グルゥ ニャーオ


 みんなが喜んでくれて俺も嬉しいよ~さて、みんなに水をあげたことだし俺達もご飯食べようか!


「ふむ、パンの中にチーズと肉を入れているのか。俺の時代では上に載せる事はあったが中は無かったな。うん、肉汁がパンに染みて良い味をしているな」

「こっちはお塩が振ってある~バターとお塩が合わさって凄く幸せ~」


 朝のパン達は甘い物が多かったけれどお昼のパン達はしょっぱいものが多くてどれも絶妙な香辛料で味付けされ柔らかいパン達とぴったりだ!


「とりあえず昼は過ぎちまったが大地の半分は浄化出来たな」

「だね~このペースなら夜までやれば浄化は終わりそうだね!」

「そうだな。俺は大丈夫だがクーア達は夜までいけるか?」

「勿論!」


 ワン ニャーン ブルゥウ キュウ


「そうかそうか、なら今日でこの大地の浄化は終わらせちまおう」

「うん!ヴィラスは大地の魔力を沢山吸ってたけど体調は大丈夫なの?」

「おう、絶好調だ」

「・・・・一応浄化掛けとくね」


 大地を燃え上がらせている火の魔力は汚染された魔力を焼くためにあるものだけど僅かに汚染された魔力が混ざってしまっている。いくらヴィラスの力が少しが戻ってると言ってもこんな大量の魔力を吸収したら燃やし尽くせないだろう。塵も積もれば山となる、だっけ?


「あぁ助かる」

「その体は仮の身体で俺の魔力が混じっているから汚染された魔力に強いけど何かあったら本体に影響が出るかもしれないから気を付けてね!」

「分かっている」


 念の為に浄化を掛けて本当に僅かな汚染された魔力をヴィラスの身体から取り除いておいた。さて、お腹も膨れたことだし作業を再開しようかな!


 俺達はさっきと同じように大地を飛び地面へと潜り駆け抜けていく。随分と静かだけどこの大地に住んでいる魔物や動物達は俺達の気配に気づき萎縮してしまい動きを見せず、岩場や炎の影に隠れてしまっている。そんな事しなくても俺達が手を出すつもりは無いし、ヴィラスがやってるのは魔力の回収だけだから君達が住む環境には問題無いよ。


だけど、全ての事が終わった後はどうしようかな~


 俺は水路を泳ぎながらこの大地の行く末を考えてみる。この大地が炎に包まれてから時間が経ち過ぎてこの大地特有の生態系が出来上がってしまっているんだよね。俺達は大地を正常なものへそして人間が住みやすい場所にしたいけれど、そうするとここに芽吹いている命が生活することが出来なくなってしまう。だけど、燃えている大地はセレルを孤立させ交通を分断させてしまっているので何とかしないと駄目なのだ。


う~ん、難しいな~浄化は終わるけど火が無いと生きていけない生き物達も沢山居るしな~


 人間が通る場所だけ綺麗で豊かな大地に戻してそれ以外は燃えたままの大地にするとか?これが一番良い策だと思うけど、ヴィラスはこの大地を消したがっているし、セレルの人達が良いというかが問題だよね~


 考えるべき事は沢山あるけどまずは浄化が終わらせないと始まらない。浄化が終わったらヴィラスとかウォル、ディオクスに相談しよう!

読んで頂きありがとうございます!

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#水龍の水遊び

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