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俺、加護について教えて貰うよ!

※遅ればせながら「裏切られた水龍の俺は皇子達と国を復活させます!~俺を食べようとした奴なんかに水はあげない!~」のタグを決定致しました。

#水龍の水遊び

こちらのタグでX(旧Twitter)で更新状況やお話しの背景などを軽く投稿させて頂きます。こちらのタグを使って感想などを書いて頂けた場合拝見させて頂きます。

何時も読んで頂きありがとうございます

@kazu_kichi0

「さて、取りあえず竜種の事については以上だがもう一つ重要な話が有る」

「なに~?」

「クーア、お前はあの四人に加護を与えたな」

「うん!みんなが大好きだからねっそれがどうしたの?」

「加護が何を意味しているのか理解しているのか?」


  ヴィラスはまだ真面目な話が有るみたいだね。竜種のお話しが終わったと思わったら次は加護のお話しか~大事なことだとは分かってるけど、少しつまんない!


「加護は俺の力を使えるようになって~みんなが大好きって証拠でしょ!」

「はぁ・・・・加護はそんな軽い物じゃない!」


 俺の答えを聞いたヴィラスが小さな腕を顔に当て大きく溜息を付いた後、怖い顔で強く言う。だけど、その言い方はどうかと思う!


「俺だって加護を気軽にあげたりはして無いよ!ウォルに俺の名前を付けて貰ったし、俺に出来た初めての友達だから大事でみんなの力になりたいと思ってあげたんだ!全然軽い気持ちじゃ無いよ!」

「すまん、言い方が悪かったな。だが、クーアは加護の本質を理解していない。それを理解しないで加護を与えるのは、とても危険な行為なんだ」


 反論した俺に少し申し訳なさそうにしたけど、難しい顔をしながら力強く言うヴィラス。そこまで言うってことは本当に大事なことなんだろう。俺は軽い態度だったのを反省して、気持ちを落ち着かせて真面目に聞かないとね。それに、加護が危険ってどういう事なんだろう。もしかしてみんなに悪影響が出ちゃうのかな?


「危険ってどういう事なの?」

「今から言う事は全ての竜種に通じているものだ。加護とは、俺達竜種の力の一部を他者に付与することを言うんだが、竜種は強大な力を持っている存在だ。故に一部とは言え他の生き物達にとって世界を変えられる程の強力な力を手にするのだ。世界の均衡を保つために与える相手は慎重に選ばなければならない。もし、悪しき心を持った人間にその力が渡ったら大変なことになる」

「それだったら、みんなは大丈夫だよ!みんな魂は清らかだし人々の為に自らを捧げる程の善良な人達だもん!」


 みんなは人の為に泣き、人の為に苦しみ助けを求める人を見過ごすことが無い善良な人達だ。そもそもみんなが旅に出たのは国を救うためだし、俺の力を悪いことに使おう素振りさえ無いんだから!それに、みんな俺の力を出来るだけ使わないようにしているみたいだしね。


「俺もあいつらが危険だとは思わない。だが、急に得た強大な力はその者の性格を変えてしまう事もあるということを忘れるな。優しい奴ほどその力で出来る事に悩み、人々を救うために自滅してしまうものだ。だから、加護を与えた者に対しては気を付けるんだぞ」

「うん、分かった」


 そっか・・・・優しいからこそ自分で何とかしようとして自滅しちゃう人も居るんだね。みんなが抱え込まないように日ごろから気を付けなきゃ駄目だよね!


「それ以外にも加護は危険性を持っているんだ。クーア、加護と言うのはお前の力が絶え間なく相手に注がれている状態なんだ。俺達の魔力は一体どんな特性を持っている?」

「俺達の特性ってそりゃ環境を変える改変能力・・・・・あ」

「気付いたか。そう、俺達の魔力は全てを書き換える改変能力を持っている。そんな魔力を人間に流し続けて影響が出ない訳が無い」

「でも、みんな健康だよ!俺いっつもみんなの怪我や病気が無いか確かめてるもん!」

「加護はその人物を守る者だから病気や体を傷つけるような影響が出ないが、その生き物自体に影響を与えるんだ。クーア、俺の番であるミルガンナが人間であるのに今も生きている理由が分かるか?」

「あっ・・・・」


 言われてみればそうだ。人間は長くても60や80で死んでしまう生き物なのに、何で250年前の人が今も生きているんだ?竜と人間の子であるディオはまだ生きているのは分かるけど、ミルガンナはただの人間のはず。今加護の話をしているということは・・・・・


「それは・・・・ヴィラスの加護があるから?」

「その通りだ。竜種による加護は強力が故にその者の生命の在り方を改変してしまう代物なんだ。人から人では無い竜種に近い存在にまで昇り、その者は全盛期で姿は固定され老化は止まり加護を与えた者が死ぬまで永遠に近い寿命を手に入れる。それが意味することは」

「魂の変質・・・・」


 そんな俺知らなくて、魂が変わるなんて思ってなかったんだ!ただみんなとのつながりが欲しくてみんなの力になりたくて、ただみんなに喜んでほしかっただけなんだ!魂の変質は世界の禁忌、変質した魂は星に帰ることが出来なくなる。永遠に近い寿命なんて、人間からしたら拷問に近いはずだ。俺は禁忌を守り人々の魂を浄化するのが役目なのに何てことを・・・・


「そんな俺は禁忌を・・・・」

「クーア落ち着け」

「だって!俺が、そんなどうしよう!」

「クーア、加護による変質は例外的な物なんだ!だから禁忌には当たらない!」

「え。あぁそうなんだ良かった・・・・でも、俺はみんなを変えちゃってる・・・・」


 みんなはきっと永遠に近い命なんて望まない。それに勝手に魂を変えたなんてそんな酷い事・・・・謝らなきゃ駄目だ。謝って許されるものじゃないけど、すぐに謝らないと!


「俺みんなの所に行ってくる」

「待て」

「待てないよ!すぐに謝って事情を説明しないと!」


 ここでヴィラスとお話ししている場合じゃ無いよ!


「大丈夫だ。加護の気配を感じて俺も探ってみたがあいつらは加護の力を殆ど使って無いから、殆ど魂の変質が起きて無い。だから、まだ大丈夫なんだ」

「そうなの?それなら今すぐ加護を切らなきゃ」


 みんなとの繋がりが消えちゃうのは凄く悲しいけど、みんなを変質させちゃうなら無い方が良い!


「少し待て」

「何で!」

「・・・・明日あいつらに加護の事を話してみろ。加護を取り消すのはそれからでも十分に間に合う」

「でもでも」

「落ち着け。クーアの力は俺達のような火や土みたいな純粋な力では無く、浄化と星の力だ。そしてクーアが加護を掛ける時に彼らを守るように祈り願ったおかげで、魂を変える力はそこまで強く無いんだ。だが加護が掛かっているのは間違いないから、今切ったとしても普通の人間よりは長生きするのは間違いないだろうな」


 うぅ・・・・やっぱり俺の加護で影響出しちゃってるんだ・・・・はぁ、みんなにどうやって謝ろう。


「切るなら早い方が良いんじゃないの?」

「クーアは渡されたものを勝手に何も言わず奪われたらどう思う?」

「それは、どうしてって思うだろうし悲しくなっちゃう」

「そうだろ?いくら有害なものだとしても、しっかりと説明してから回収しなければならないものだ」

「・・・・・」

「今日の戦いで彼らは疲れているだろうし、今外は宴で盛り上がっている。そんな状態の彼らに水を差すのは良く無いだろう」

「そうだけどさ・・・・」

「年上の俺の事を信じろ。きっと彼らは・・・・まぁそれは明日になればわかるな」


 ヴィラスは何か言おうとしたけど途中で止め、俺の頭を撫でながら宥めるが俺の心はモヤモヤでみんなに説明するのが怖くてたまらないよ。


はぁ、みんなの力になろうと思ってやったことが魂の領域を侵食するような悪行をしていたなんて・・・・自分が情けないし恥ずかしいよ。みんなは優しいけどそんなことしたら友達じゃ無くなっちゃうかも。そんなの嫌だけど、そうされても仕方が無いよね。どうしたら許してくれるかな。


 魂は変質させちゃったら星の力を使わないと戻せないし、汚染された魂は汚染されちゃっただけだから浄化をすれば治ったけど、これは訳が違うしな。そうだ、俺がヴィラスを見つけてくれば!いやでもそれはみんなの使命を奪う事に・・・・


うぅ・・・・どうしたら良いの!?


 ヴィラスは大丈夫だと言ってくれるけど、俺は一晩中その事ばかり考えて一睡もすることが出来なかったよ。

読んで頂きありがとうございます!

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