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俺、みんなに説明するよ!

「え~と、何処から説明したら良いんだろう」


 俺は宿の部屋のベットに座り、ウォル達は対面に椅子をもってきて座り真剣な表情をしている。村での出来事ってそんな面白い事じゃ無いから、聞いても楽しくないと思うけどみんなには重要な事みたい。


「まずは、クーアが前に住んでいた場所について教えてもらえるか?」

「う~んとね、俺が生まれたのは人間から魔の森って言われてる場所なんだけど」

「魔の森?魔の森ってあの森か?」

「確かエルロー帝国に北に存在する森だったな」

「うむ、確か大戦の影響を濃く受け命あるものが生活できるような場所じゃなかったはずだが」

「多分その森で合ってると思うよ~今なら分かるけど汚染された魔力が沢山あったし」

「そんな場所で生まれのか・・・・あの森は生き物にとっては毒だろう、大丈夫だったのか?」

「うん!生まれてからずっと浄化された水の中に居たし、浄化も出来たからね」

「良かった・・・・それで、魔の森に住んでいたのか?」

「そうだよ~暫くの間は生まれた所から動かなかったんだけど、あまりにも暇で寂しくてお話しできる生き物を探しに行ったんだよね~」


 あそこは住みやすくて心が落ち着いたけど、たった一人ずっとあの場所に居るのは流石に寂しすぎた。自分で思い付く遊びはもう遊びつくしてしまったし、あの汚染された森では普通の動物も居ない。だからどうしてもあの場所にずっと居るのに耐えられなかったんだ。


「ずっと一人は寂しいものね」

「うん、それにつまらなかったらね!」

「それで、魔の森を出て生き物を探しに行ったのか?」

「それがね~魔の森を進んでたら森に住んでいる人間と会ったんだよね!」

「人間?あの森に人間が居たのか?」


 ウォルは魔の森について色々知っているみたいで、あの酷い環境の森に人が住んでいることに驚いたけどシャールクは


「あそこって確かエルロー帝国から追放された罪人達が集まってるって聞いたけど、本当だったのか」

「あの国から追放っていったい何をしたのよ」

「皇帝に逆らった者達と言う事か?」

「あそこでは、多種族を擁護すれば罪人となるそう言った者達か?」

「そういう奴らは魔の森になんか追放されず、処刑されてるはずだぜ。それか、他の国に逃げてる。追放されてる奴らは真っ黒の真っ黒、自分の為に殺人を犯した奴や禁忌に触れた者達ばかりだって聞くぜ。あの国はもう崩壊してるようなものだから数件の殺人では、追い出されるようなことは無いけどあまりにも大きなことをしたやつらは国を追われて逃げるように魔の森に集まるんだ。あの森には誰も好き好んで近づいたりしないからな」

「あ~それでみんな真っ黒だったんだね」


 村に居る間、村人の人達の姿が真っ黒なものに染まっていて少し気持ち悪いなと思ってたけど、みんな何かしらの罪を犯していたからあんな風になっていたんだね。生き物をむやみやたらに殺せばその分魂や心が黒く染まる。あの町はそんな人達の集まりだったのか。


「そんな人達と会ってどうしたんだ?」

「初めて話せる生き物と会えたからすごく嬉しかったんだよね~だから、どうにかして意思疎通を図ろうと色々してたらその村の村長が出てきて俺を村に入れてくれたんだ」

「その時の姿は龍のままか?」

「うん!」

「・・・・」


 返事を聞いてウォル達は険しい表情へと変わり、俺を利用しようと考えていると気付いたみたいだね。ウォル達は凄いよね~すぐに気づくなんて。その頃の俺は生き物と会えた嬉しさで心がいっぱいで何も気づかなかった。嘘なんて思考も無かったから、みんなが嘘をついてることにも気づけなかった。


「それからどうなったんだ?」

「それからね~暫くの間その村で過ごしたんだ。村に居る間に色々な事を教えて貰ったんだよ。文字の書き方とか魔法の事とか、人間の事とかね。それで、俺は教えてもらった対価として、水を作ったり畑に水を撒いたり森で魔獣とかを狩って村の為に働いてたの」

「それで、クーアは色々な事を知ってるんだな」

「ふむ・・・・疑うようで悪いが、魔の森に追放されたような奴らがそれだけで済ませるとは思えない。詳しく村での生活を教えてくれるか?」

「えっとね~日が出る前に起きて、みんなが使うための水を作って畑に水をあげて朝食の為のお肉を狩ってくるでしょ~それで、みんなが起きてきたらみんながそれを食べて、村はボロボロの家が多いからそれを直して魔獣達が村に来ないように追い払って、育った野菜を収穫するでしょ。んで、種まきをしてお勉強を少し教えて貰ってみんなを若返らせるでしょ」

「ちょっと待ってくれ、若返らせる?」

「うん、年老いたりして出来た皺を消してってよく頼まれたよ。俺の力がこもった水を使えば少し若返らせることは出来るからね。命を使うけど」

「それはクーアのか?」

「ううん、掛けられた人のだよ。命は有限なんだから戻したりしたらその分先の命を失う当たり前でしょ?」

「そうか、クーアの命が使われてないようで安心した」


 若返らせるのはよく女の人に頼まれてたんだよね~男の人からは力を増したり魔力を底上げして欲しいって頼まれたんだよね。命を使うよって説明したんだけど、それでもやって欲しいって言われたからしてあげたけど、どうしてあんなこと頼んだんだろうね。ネリアの人達は若返らせた訳じゃ無いから、命を使って無いので大丈夫だよ!


「それから、昼のお肉を狩って夜まで村の人達からのお願いを全てこなして夜のお肉を狩って夜の間は寝てその繰り返し」

「なによそれ・・・・雑用全てをクーアに押してつけて村の人達は何もしてないじゃない」

「人間って生きるだけで十分なんでしょ?だから、村の事は全部俺がやるって教えられたけど」

「クーア、それは嘘だ。何もせずに他の者に全てを押し付けるなど・・・・あり得ない」

「ほへ~」

「クーアが何も知らないのを知って利用しまくった訳か」

「全く度し難い」


 ウォル達は俺の話を聞いていくうちに、どんどん顔が険しくなり怒りが滲み出てきている。嫌な気分にさせちゃうなら、お話止めた方が良いかな?


「大丈夫?お話止めた方が良い?」

「すまない、クーアに怒っている訳じゃないんだ」

「あぁだが、怒りの制御できないな」

「えぇ、今すぐ殴り込みに行きたい気分だわ」

「クーアを利用しようとしたんだ。イラついて当たり前だぜ」

「続きを聞きたい、殺されそうになったって何があったんだ?」


止めた方が良いと思うんだけどな~でも、聞きたいな話した方が良いよね。


「ある日村に旅商人さんが来たんだけど、商人さんが来たってことで宴をあげる事になったんだよね。それで俺も宴に参加したんだけど、闇の魔力が豊富な青い果物を貰ったんだよね~あれ美味しかった!」

「闇の魔力を持った果物・・・・?クーアそれはこういう形をして無かったか?」


 シャールクは荷物から紙を取り出し、丸く一本の横線が入っているリンゴのような果物を描く。それに見覚えがあったのか、ウォル達は目を大きく見開きまさかと呟く。


「あ、それそれ!よく分かったね~」

「クーア、これは永遠の果実と言って、その名の通り食べた者を永遠の眠りに落とす果実なんだ。暗殺なんかに使われるんだが、希少性からほぼ見る事は無いんだがな・・・・こんなものを用意できたって事は、クーアに会った時から計画してたんだろうな」

「相当用意周到だな。永遠の果実ならほぼ全ての生き物達を眠らせることが出来るから、クーアにも効くと思ったんだろう」

「だが、此処に居るという事はクーアには効かなかった訳か」

「闇の魔力が沢山で美味しかったよ~」

「はぁ、良かったぜ・・・・」


 つまりあの人達は俺を寝かせてから殺そうと考えていたのか~俺にとってはただの美味しい果実だったけどね。


「それで、お腹いっぱいになったから寝ちゃったんだけど。いきなり痛みを感じて飛び起きたんだよね~」

「クーアに痛みを?」

「へぇ・・・・」

「ふむ・・・・」


 痛みを感じたと言った瞬間、周囲の温度が何度か下がったんじゃないかと思う程剣呑な雰囲気に包まれみんなの目には薄暗い殺意が浮かんでいる。


「飛び起きて見てみたら、村長が俺に剣を突き立ててたんだよね~。ただの剣だったら、痛くも痒くもないんだけど汚染された魔力に芯まで汚染されてた剣だったから俺でも痛みを感じたんだよね。あんなもので斬られたら、どんな生き物だって死んじゃうよ」

「大丈夫だったのか!?」

「うん、一瞬で浄化したから俺に影響は全くないよ~何で俺を殺そうとするのか分からなかったから町の人達に助けを求めたんだけど、その時みんな俺を殺そうとしてるのに気づいたんだ・・・・」

「外道が・・・・」

「燃やすのと、全身を粉砕するのどっちが良いかしら」

「一瞬で始末するのは良くないと思うぜ、時間を掛けないとな」

「うむ」


 シャールクとレイランは恐ろしい笑みを浮かべ、ウォルとアルベルドは静かに怒りを燃やしていた。


「それで、俺も怒っちゃって俺が今まで村に与えていた力を全て没収して村の全てを水で流しちゃったんだよね~誰一人殺しては無いけど、それぐらいはしても良いよね」

「優しすぎるくらいだ」

「えぇそんな奴らに慈悲なんて要らないよ」

「だが、そんな村からクーアが離れられたのは喜ばしいな」

「それで、出来るだけ村から離れたくて夢中で空を飛んでいたらウォル達と出会ったんだよね~」

「そうだったのか・・・・そんなことがあった後だったのに俺を助けてくれてありがとう」

「ウォル達は村の人達とは全く違う雰囲気が有ったからね」

「そんな嫌な事すべて忘れてしまいましょ」

「レイランの言う通り、村でのことは忘れて俺達と一緒に楽しい思い出を作ろうぜ!」

「うん!俺もみんなに聞かれるまでほぼ忘れてるようなものだったし気にして無いよ!」


 ウォル達はさっきまで出していた剣呑な雰囲気を引っ込め俺の頭を撫でこれからを約束してくれた。あの村で経験したことは役には立ったけど、あんな思い出捨てちゃえ。今はこんなに楽しいんだから。俺はウォル達とこれからの楽しい事を話していると、いつの間にか眠りの世界へと旅立って行った。

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