俺、ネリアの町長さんに会いに行くよ!
部屋を出て、広間のような場所に行くとそこには忙しそうに騎士たちに指示をするコーネスが居た。周りにいる人達は見たことが無い人ばかりだけど、恐らくコーネスの部下である第三部隊の人達だろうね。俺達が歩いて来たことに気付きコーネスは、驚いた顔をしながら詰め寄ると
「チビッ子目が覚めたのか!?大丈夫か?何処か痛いところはないか!?」
「近い」
詰め寄りウォルに抱かれている俺に顔がくっつくんじゃないかと言う程つか寄ってきたので、近いとアルベルドに離されしっかり顔が見えるようになると、その顔には心配の色が浮かんでいた。
「そんなに心配しないで~もう完全復活だよ!」
「そうか・・・・」
「コーネスはお仕事してたの?」
「おう、チビッ子のおかげで隊員全員元気になったからな!食料を確保したり町で騒動が起きないか確認したり町に居る戦士達と相談したり大忙しだぜ」
「いきなり全て元に戻ったからな、いやより良くなったと言った方が良いか。変化は混乱を産むしっかりと町に目を配っておかなければならないな」
「はい!副団長」
普通は少しづつ変化していくものだけど、今回は一瞬の内に町は変化してしまった。今は喜びに包まれているけど、これkら色々新しい環境に慣れるために問題が起きるだろう。町を安定させるにはその問題を早く解決することが大事だコーネスには頑張って貰わないとね!
「後ろに居る人達が、コーネスの部下の人?」
「そうだぜ!紹介する、おいみんなお前達の恩人だぞ!」
「うぇ!?マジっすか」
「あれ、副団長じゃないっすか!いつ来たんですか?」
「うおおお、子供がいるぞ!」
「おい、皇子に抱かれてるぞ・・・・もしかして隠し子!?」
コーネスの後ろで書類を見ながら頭が痛そうにしていた、騎士達が集まってきて俺達を囲むとワイワイと盛り上がる。よく見てみると、この第三部隊の人達って服装に纏まりないよね。騎士団の紋章を付けているから、騎士団の人達だと分かるけど、無かったら騎士だって分からないと思う。コーネスは、半ズボンと半袖の服を着て体に張り付かないようゆったりと余裕のある服を着ている。他の人達は、ガチガチに鉄の鎧を纏っていたり全身を布で包んで見えてるのは目だけの人、もはやそれ着る意味あるって思うほど薄手の人が居たりと個性が光ってる。
「おい、お前ら静かにしろ」
「チビッ子!何か食べるか?肉もあるぞ!」
「副団長髪伸びましたね!」
「おぉこんな近くで皇子なんて初めて見たぜ」
「お、豹の獣人か!」
溜息をつきながら注意をするアルベルドを完全に無視して話を続ける騎士達。そんな様子に、アルベルドは顔を顰めると話し続けているコーネスの頭に手刀をいれると
「職務に戻れ!」
「は~い!」
「おぉおっかね!」
「職権乱用だ~」
「小さい頃はあんなに可愛かったのに!」
文句を言いながらもアルベルドの言葉を聞き、しぶしぶ職務に戻っていく騎士達。その様子にまたアルベルドは大きくため息を吐きながら、出口に向かっていく。それに俺達は付いていき俺達は建物から出ると、またアルベルドは溜息を吐きながら
「元気になったのは喜ばしいが、問題を起こさないよう気を付けなければ」
「なんか、面白い人達だったね」
「あぁ騎士っぽくないよな」
「そうね、隊服も着てなかったし」
「第三部隊は猛者揃いだとは聞いていたが・・・・個性も強いんだな」
「猛者なのは間違いないんだ、一人一人が何かしらに特化している騎士で実力者のみを集めたのが第三部隊なんだが個性が強すぎてな・・・」
アルベルドは頭が痛そうにこめかみを揉むと、頭を振り
「今は町長の所へ急ごう、あいつらの対処は後だ」
「ふふ、そうね」
「おう」
「了解した」
俺達は盛り上がっている町を歩きながら住民達を観察していく
「凄い盛り上がり様だな・・・・まぁ事を考えれば当たり前か」
「色々見たけれど、ほんと見違えたわよね」
「うむ、昨日までの光景が嘘のようだ」
町の人達は楽しそうに歌い、友達や仲間と共に水を飲み料理を食べ笑顔が満ち溢れている。ある人は昨日の光景を声高々に話し、ある人はくるくると踊りながら喜びを表現している。どの人達も生命力に満ち溢れ、昨日まで死の淵に立たされていたのが嘘のようだ。
みんなが元気になってくれて良かったよ~やっぱり笑顔が一番だね!心配していた食事を取るという事も、大地に育った植物を使った料理が沢山出店として出ているし大丈夫そうだね。
「元気になったみたいで良かったよ~」
「これも全てクーアのおかげだ、心から感謝する」
「えへへ~」
「本当に凄いわよね、あっという間に町を復活させてしまうなんて・・・・一体どれだけの魔力を使ったの?」
「俺が持ってるほぼ全てとガイアとリオの魔力を借りて何とかね~」
「クーアが想像できないほど強大な魔力を持っているのは知っているが、どうか気を付けてくれ。魔力を持っている者にとって魔力は命とほぼ同じもの。魔力を使い切ってしまえば、命の危険がある。もし、足りなければ何時でも俺達に言ってくれ」
「うん、そうするね」
心配してくれてるのが分かったから素直に頷く俺。だけど、またこんな事をするような事態にはならないでしょ。これから行くつもりのセレルは凄く暑い所だって聞いてるけど、食糧難と言う話は聞こえてこない。だから、たぶん大丈夫だと思うけど少し心配だね。それと・・・・
「安心して!魔力が凄く増えたから昨日と同じ魔法を半分くらいの魔力で使えるようになったから、もう魔力が無くなるなんて事ならないから!
「は!?」
「え、まだ増えるの!?」
「・・・・ちなみにだが今の全力の魔法を使ったらどれくらいのことが出来るんだ?」
「う~ん・・・・単純な魔法ならこの国を海に出来るくらいかな」
「・・・・・」
水を大量に作り出すだけなら、この国を沈めるぐらいは出来ると思うよ~まぁそんな事絶対しないけどね。それに、複雑な魔法を使おうと思ったら町一つか二つぐらいしか効果を及ばせない。今後何があるか分からないからもっと強くならないとね!
「クーアが善良で良かった」
「そうね・・・・」
「竜種の方々はそれぐらいのことが出来て当然なのか?」
「厄災を払っているからな、恐らくそうなんだろう」
「改めて強大な方達だと実感するぜ・・・・」
みんなは苦笑いを浮かべながら話しているけど、強くなれば色々なことが出来るようになるから強くなるのは良い事でしょ?
「そういえば、町長の家って何処にあるの?」
「ここは神殿長が町長を兼任しているんだ。だから、今は神殿に向かってる」
「ほへ~、アルベルドはここの町長とも顔見知りなの?」
「うむ、前に来た時に少しな。ここの町長は、信心深く慈悲深い事で有名だ。そして、何より有名なのが砂漠の戦士としてだな」
「強いのか?」
「うむ、ネリアで一番の戦士だ」
「ほへ~どんな人なんだろう」
俺達はまだ見ぬ町長さんに想像を膨らませながら、俺達は賑わいを見せるネリアの町を楽しみながら神殿へと歩いて行った。
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