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獣心核醒!! ビーストコマンダー  作者: 小鳥遊 想
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Ep.7 「激突! 女の園はデンジャラス」

精神攻撃は基本

«一回戦から各フィールドで熱い闘いが繰り広げられている!! さすがは全国各地から集った精鋭たちだ! どの試合を見たらいいのか迷っちまうぜーーー!»


「ちぃ、退け。マッドラットエスケープ!」

「逃がすかよ! ファニーキャットチェイス!!」

「かかったなアホが!!」


「くらえ! ウェービングカンガルーショット!」

「あまい! ベアハニーフルスイング!!」

「ぐわああああああああ!!」


「そこだ! フライングエレファントスタンプ!」

「こっちだって。セーラーダックスワイプ!」

「くっ……!」


全国大会一回戦。レベルの高い試合が各フィールドで行われている中、ナナミの試合局面は終盤を迎えようとしていた。


「神谷ナナミさん! 一回戦の相手が私で残念でしたわね。貴女、男性を魅了して勝ち上がって来たんですってねぇ! 確かに可愛らしいお嬢さんであることは認めますが、それはすなわちバトルの実力ではなくってよ! 嫉妬ではありませんわ…嫉妬ではありませんわ!! とにかく! 女同士である以上、この私、御城院様子(おじょういんサマコ)に対して勝ち目はありませんわ! オーホッホ!」


御城院様子が優雅に連続攻撃を繰り出す。一方的に攻め続けられ、なんとか耐えるように凌いでいるナナミのセブンシーズ・ラブハンター。


「ああっ、レッド。このままじゃいきなりナナミちゃんが負けちまうぜ……」


「焦るなガバチョ。ナナミの目は死んじゃいない! アイツだって地区予選から進化しているハズだぜ」


ナナミの応援に来ていたレッドとガバチョ。


(見ててねレッドくん……。絶対勝ってナナミの魅力に気づかせてあげますっ♡)


二人の姿に気づいたナナミが反撃に出る。


「女同士だから勝ち目がない…? 御城院さん、それは大変な勘違いですっ!」


「!? どういう意味でして?」


「今このご時世においては多様な価値観があり、それらは当然の権利として受け入れられる時代が来ています! つまり男の人が男の人を、女の人が女の人を好きになったって何もおかしくないってことですっ!! 貴女の発言はッ! 時代遅れなんです!!」


「ガ、ガーーン!! た、確かにおっしゃる通りですわ! 私としたことが、なんてお排泄物(クソ)発言を……」


自身の過ちに気づき落ち込む御城院様子。それと同時に様子(サマコ)のギア、ホーリーシット・ダウンローデッドが動きを鈍らせる。そんな様子(サマコ)様子(ようす)を見たナナミは──


「あ、隙だらけ♡ 行きますっ! セブンシーズ・ラブハンター!! プレシャスリリーガーデン!!」


容赦なく必殺技を叩き込んだ。


「あ、ああ……! キマシタワーーーーーーーーー!!!」


「それに、レッドくんに練習付き合ってもらってバトルも強くなりましたから。キュン♡」


「キュ…キュ〜ン、です…わ……♡」


«神谷ナナミ選手、一回戦突破!!»


「おいレッド、やったな! ナナミちゃん勝ったぜ!」


「ああ。相手のメンタルを揺さぶって逆転のキッカケを作り、必殺の一撃を叩き込んだ。コマンドバトルにおいて精神攻撃は常套手段だからな」


「そ、そうなのか…? あっ、そろそろレッドたちもウォームアップしないとじゃないか?」


「ああ! そんじゃガバチョ、行ってくるぜ!」



«一回戦の全ての試合が終了! 二回戦からはいよいよ各地区予選で優勝した選手たちの試合が始まるぜ! ますます苛烈さを増す闘いに会場の空気もとんでもねぇほどヒートアップすること間違いなしッ!! そんじゃ早速いってみよーかァ! 第二回戦! レディビーーーィスト!!»


「ヘヘッ! ようやく試合だぜ。ったくシードなんてもんいらなかったのによー!」


「お前が噂の大河レッドか? なんだ。想像してたのよりずっとチビじゃねえか」


「なんだと!? コマンドバトルに身長は関係ねぇ! 必要なのは絶対勝つっていう闘志だぜ!!」


「闘志。闘志ねぇ? そんなもんだけで勝てるほど全国は甘くねぇってことキサマに教えてやるよ!この──」


対戦相手がたっぷりと溜めて名乗った。


「北沢ブラザーズの北ハヤト様がなぁ!!」


「…………………。ビースト オーーーン!!」<タイガー>


カッ! チュドーーーン!!


○第三フィールド


チュドーーーン!!


「ハァ…なんやってん…。えーっと、なんちゃらブラザーズの………沢くん? やっけ。もうちょい強なってから出直しておいでや」


«しゅ…瞬殺ゥーーーー!! あの沢北ブラザーズの二人が一瞬でやられてしまいましたーー! さすがは今大会優勝候補の二人! 大河レッドと天満コウ、三回戦進出だーーー!»


「き、北沢…ブラ、ザーズ……だ………ガクッ」



ジューゾー、ナナミ、エイトも勝利をおさめ、続く三回戦、四回戦も順当に勝ち上がっていった。

その頃観客席VIP室では──


「ふむ、やはり彼らが勝ち上がってきたか。ヘルメスもこの程度の相手では適合率の上昇は見られないね」


「そうね。生きるか死ぬかのギリギリ…ってのは言い過ぎかしらね。とにかく魂が滾るようなバトルでないとダメってことよ」


「デュオニソスを送り込んである。心配は不要だろう」


「なるほど。核醒(かくせい)ついでにあの少年……天満ヒカリも片付けるつもりなのね」


「うまくいけば、だがね」



「もぐもぐ……。なんか聞いちゃいけないこと聞いちゃったかも」



To Be Continued→

次回から準決勝です

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