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獣心核醒!! ビーストコマンダー  作者: 小鳥遊 想
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Ep.5 「襲撃! 失われたオーディナリー」

日常回

全国大会 関東地区予選から一夜明け、見事優勝を果たしたレッドは眠たい目を擦りながら学校へと向かっていた。


「ふあ〜ぁ…。優勝しようがなんだろうが学校には行かなくちゃいけないんだもんなー。ったく小学生ってのも大変だぜ」


「何言ってるんだよレッド。現代社会の闇はこんなもんじゃないらしいぜ? うちの父ちゃんが言ってた。会社は魔境だって」


なんだか小学生にしてはヘビィな会話をしていると、同じく登校中の小学生たちがレッドに声を掛けてきた。


「おはようレッド!! 昨日の試合すごかったぜ!」

「レッドくん、全国大会頑張ってね」

「今度俺にもバトル教えてくれよレッド!」


「まあまあ、落ち着けよ皆。そんなに詰めかけられたら歩けないぜ」


そう言うレッドの顔は誰が見てもわかるほど調子に乗った表情をしていた。何を隠そう、レッドはちやほやされるのが大好きなのだ。


ザッ


「レッドォ!全国行くからって調子に乗ってんじゃねぇーぞォ!?」

「お前ごときが通用するほど全国は甘くねェんだよぉ!」


聞き覚えのある声がふたつ、ザッという足音とともに緩んだ顔のレッドの前に立ちはだかる。


「な…!? お前たちは……!」


「おぉうよ! 俺こそが! 誰が呼んだか堀ユータ!好きな食べ物はチキン南蛮!!」

「そして俺が西コーヘイ! 好きな食べ物は鮭とばだァ!」


「親が呼ぶだろ最低限」


ガバチョがツッコむ。


「俺たち堀西ブラザーズを差し置いて全国大会に出ようなんて言語道断!」

「勝負だレッドォ! 昨日のダメージが抜けきってない今ならワンチャンス──」


「登校の邪魔だああああ!!」


「ぎぃえええええええ!!」「ほげえええええええ!!」


レッドのビーストリングがカッ! と発光し、彼方へ吹き飛ばされていく堀西ブラザーズ。


「なんだったんだアイツら…。でもレッド、気をつけろよ。全国大会を決めたお前の首を狙ってるやつはこの街にもたくさんいるだろうから…」


学校への途中にある商店街でも…


ザッ ザザッ ザッ


「「「「勝負だレッドくん!」」」」


「肉屋のおっちゃんに魚屋のおばちゃん! それにバイク屋の兄ちゃんに八百屋のお嫁さんまで!」


ザッ


「ふがふがひょーふじゃ。ふがふが」


「齢96! 妖怪の異名を欲しいままにする駄菓子屋のババァ! どうしちゃったんだよ…いつもの親切だった皆はどこに行ってしまったんだーーーー!!」


学校でも…


「分数の割り算はー、このようにたすき掛けでー、大河ー、勝負だーー!」


ザッ


「担任の谷口先生!?」


ザザザザッ


「勝負」「勝負」「勝負ゥ」「勝〜〜ぅ負」


「のっちゃん! ゴッチ! 保険室の美人教諭に校長!? …くっ……。チックショーー!! こうなったら全員相手してやる! どっからでもかかって来やがれーーーー!!」


カッ! チュドーン!


「しぇえええええ!」「おごごごごご!」「のおおおおおお!」「いやああああああん!」



○放課後


「なんだってんだ一体…」


登校中から授業中、昼休みに至るまであらゆる場面でバトルを挑まれボロボロになっているレッド。

帰り道に商店街を通るのをためらい様子を伺っていると…


ザッ


「レッド、どうしたんだ?そんなとこでコソコソして」


「うお! …はぁ、なんだガバチョか……。今日は街中がおかしいんだ。朝のこともあるし商店街は警戒しないとだなー」


そんなレッドを見てあっけらかんと笑うガバチョ。


「アハハ! 大丈夫だってレッド。ほら、行こうぜ!」


そう言ってレッドの手を引っ張り商店街を進んでいく。すると…


パーン! パーン! とクラッカーのなる音が一斉に響き、商店街の店の中からは横断幕を持った市長がザッという足音とともに現れた。


「大河レッドくん。全国大会出場おめでとう! 今日のことは街のみんなからの君へのエールだ。頑張ってきておくれ」


そう言った市長に続き、商店街中から「頑張れよー!」「応援してるからなー!」など激励の言葉が聞こえた。


「金物屋のおじさん、工務店の大将、美魔女で有名な田村のおば…お姉さん。それに堀西ブラザーズも……。ガバチョ、知ってたのか?」


「ん? ああ、学校についた時にコソッと先生に教えられてな。帰りにレッドを商店街に連れてくように頼まれてたんだ。変なやり方だったけど、みんなレッドのこと応援してるんだぜ。もちろん、俺もな!」


照れくさそうに鼻を擦るガバチョ。


「そうだったのか…。ありがとうみんな!オレ!全国でも必ず優勝してみせるよ!」


拍手と歓声の中、全国大会への決意を新たにしたレッド。


「そういえば、天満コウなんだけど…入院してた病院から消えたらしいぞ。アイツ、大丈夫なのかな?」


「コウのことなら心配するなガバチョ。なんでか分からねぇけど、オレとアイツは必ず全国の舞台で闘う。そんな予感がするんだ!」



○自宅


「ただいまー。今日は散々だったぜ…」


「おかえり烈斗。ご飯できてるわよー」


「この匂い、今日はカレーだ!」


「ただし…」


ザッ


「え?」


「カレーを食べたかったら私に勝つことね!」


「だあああ!! ザッ!はもういいっつーのーー!!」




○大阪 全国大会 近畿地区予選 決勝戦


«全国大会 近畿地区予選 決勝戦! 地元を愛し、地元に愛され、そんでもって地元じゃ負け知らず! 天王寺(てんのうじ)永都(エイト) VS 東京にかぶれ、ほんで東京で敗れてやってきたなっさけない男! 天満コウ!! エイトォ! いてこましたれやァ!!»


「負ける気せぇへん地元やし。地元無敗の天王寺エイト様がバチボコいてもーたるわ。ビースト オン!」<クロウ>


「しょーもな。東京みやげにジブンに新しい称号くれたるわ。今日から地元一敗て名乗りや。ビースト オン」<ペガサス>


«レディイイイ!ビィーーーストォウ!!»


To Be Continued !!→

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