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獣心核醒!! ビーストコマンダー  作者: 小鳥遊 想
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Ep.1 「敗北! 不撓不屈のReスタンディング」

ライバル登場

○朝の教室 始業前


「えええええぇ!! レッドが負けたーーー!?」


教室にガバチョの叫びが響きわたり、クラスメイトたちが一斉に静かになった。


「ガバチョくん…。レッドくん落ち込んでるんだからそんな追い打ちかけるみたいに大きな声だしちゃ」


「だってよ! レッドが負けたんだぜ!? あのレッドが! これまで生涯無敗を誇り、世界最強のコマンダーを目指しているレッドが………

負けたーーーーー!?」


「もうやめたげてよぉ…!!」


あまりにも無神経なガバチョに、クラスメイトたちのレッドへの同情の念が強まった。

早くこのデブを黙らせなければ、塩をかけられたナメクジのように机にへたり込んでいるレッドの精神が二度と現世に戻ってこられなくなるに違いない。


「悪りぃ…オレ…今日は早退する……」


ノロノロとした動きで席を立ち、ふらついた足で教室から出ていくレッド。その背中を全員が心配そうに見送るなか───


「ええ!? もう授業始まるぞ?? なぁおい! レッドってば!! ──レッド…


お前のぶんの給食、食べてもいいかーー!?」


「ガバチョくんマジで黙って」


○校門前


早退して家でふて寝でも決め込んでやろうと考えながらトボトボと校門へと歩くレッド。

初めての敗北。挫折。不安。ガバチョの煽り。レッドの頭の中はもはやドロ沼と化していた。


(チクショウ…! チクショウ…! チクショウチクショウチクショウ!! あいつ、強かった…。まるで未来が見えてるみたいに全部潰された…。なにも、させてもらえなかった…。)


敗けた。その事実に涙が溢れそうになる。


「くっそーー!! ダメだダメだ!ここで泣いたらマジで負けだ!なんとしてでもリベンジしてやる! オレは最強のビーストコマンダーになるんだあああああああ!!!!」


そう叫んだその時───


「うお、びっくりした〜。今って普通授業中ちゃうん?校門前でゴッツい声出しなや自分」


校門を出て自宅方向へと足を進めようとしたレッドの少し後ろから少年の声が聞こえた。聞き慣れた声ではなかったがレッドにとっては忘れることのできない。いや、忘れてはならない人物の声だった。


天満(てんま)…ヒカリ……!!」


そこには背の高い長髪の少年がいた。


「ヒカリゆーなや! コウ…天満コウ様や」


彼こそが先日レッドを負かした人物、天満(コウ)である。


「なんや、見たことある思たらこないだのガキンチョやんか」


「ガキンチョじゃねえ! オレはレッド! サク小の無敵のレッドタイガーだ!!」


「無敵て(笑) ジブン、ついこないだボクに負けたんもう忘れたんか?」


コウの煽りに言葉を詰まらせるレッド。


「てか、ジブンなんで帰ろうとしてるん?もしかしぃアレか。ヤンキーってやつかいな?」


「違う! 今日は、その…腹の調子が悪いから帰るんだよ!!」


「さよか(笑) はー、よかった。ボクに負けたショックで学校行かれへんとかやったら責任感じてまうとこやったわー」


「ぐぅ…! そ、それよりお前こそ!なんでこんなとこにいるんだよ!?」


「なんで、て。ボクが自分のガッコに来たらアカンのかいな」


「自分の…学校?」


「せや、5年B組がボクのクラスや。…一応な」


「ウソだ! お前みたいな、その……強いコマンダーがいたらオレが今まで知らない訳がない!」


「ボクはほとんどガッコ来てへんさかいな。今日にしても、せめて月一で職員室には寄れ言われてるから来ただけやし、クラスメイトでさえボクのこと知らんやつおるんちゃうか? あ、それとなガキンチョ。


ボクがビーストコマンダーを始めたんは一ヶ月前。そもそも知らんて当たり前ってわけや」


一ヶ月、という言葉に息を飲むレッド。


「なんや。ビビッてもうたか?安心せぇ。ジブンは十分強い。才能かて人並み以上にはあるやろな。ただ、ボクがそれ以上に天才やった。そんだけのことや」


「……………」


「だんまりかいな。しょーもな。ま、そないに落ち込みなやー。頑張っとったら大会でもええ成績残せる思うで?2位までやったらな(笑)」


そう言って校舎へと歩みを進めるコウ。

その背中に、低く唸るような声が届いた。


「…ってやる……!」


「は?」


「一ヶ月だ! 一ヶ月でお前より強くなってやるって言ったんだ!!」


そう叫んで顔を上げたレッドの瞳には、今までにないほどの闘志の炎が宿っていた。


「いいか! 天満コウ! 一ヶ月後の全国大会予選! その決勝で必ずお前に勝ぁーーーーーーつ!!!!」


「へぇ…おもろいやん。ボクとボクの"フィル・ザ・ヘヴンレガシー"相手にどこまで粘れるか、見せてもらうわ」


そうして二人はお互いに背中を向け、振り返ることなく歩き始めた。

出会ってしまった強敵(ライバル)! 勝負は一ヶ月後! 全国大会予選!!



「ま、組み合わせまだやし、決勝で当たるとは限らへんねんけどな(笑) しらんけど」


To Be Continued !!→

今回から登場した天満光くん

本来はヒカリと読みますがコウを名乗っています

特に隠してる設定でもないのですが本文中に書くとクドかったので詳しくは登場人物の紹介を見てみてください

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