2/3
xx日目――手紙
中学に入って一ヶ月。五月病も発症せず、というか、発症する暇もなく、日付が流れていく。
その中で俺は、何回女の子から告白を受けたか、もう覚えてない。
朝机の中を覗くと、また小さく折り畳まれた手紙。
「いいよなーモテるやつは!」
友人がまた集まってきて、折り畳まれた手紙を奪い取って騒ぐ。
「そう、良いことばっかじゃねーよ」
断るとわかっている手紙でも、差出人の女の子は、他の人には見て欲しくないだろう手紙を奪い返して、鞄にしまい込む。
――そう、あまり良いことばかりではない。
毎回断る罪悪感。その度に悲しい顔をする女の子。
イケメンだから良いよな、と言われ続けること自体も、俺にとっては嫌なことだった。自分がイケメンだと思っていないし、本物のイケメンは病院で見ているし。