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魔界を総べる王

本編ですが、その前にうちの魔王様の話です。メイドさん視点で進みます。ポンコツです。ポンコツですが、ちゃんと魔王してると思います。こんなにオンとオフが激しいキャラは久しぶりに書いたかもです。

魔王と言って大抵の人は恐れるでしょう。

先々代の魔王様は確かに本当の魔王でした。


「えっと。アニー。今日いる幹部って誰だっけ。」

「カリー様だけです。他の幹部の皆様は休みです。」

「ありがとー。」


今の魔王様はどちらかと言えば社長です。

最近の魔王様は異世界のアニメに夢中です。中でも魔法少女系のアニメがお気に入りです。


「あっ。今日のアニメ録画したっけ。」

「定期予約ですよ。」

「あっ。そうだった。」


何よりも平和を大事にする魔王様で、信頼もすごく厚いです。


「よっと。とりあえず今日の人間界でも見てみようか…っ痛っ!段差に引っかかった……。いてて……。」

「大丈夫ですか?」

「痛い……。」


しかし、いつも玉座の近くの段差で転んで転けてます。

うちの魔王様は少しポンコツです。


いえ。かなりのポンコツです。


「魔王様。最近物忘れ激しくないですか?」

「私、まだ200歳だよ?まだ歳じゃないよ?」

「いえ。そういう問題では無いと思います。」

「そういう問題ではないの?」

「はい。試しにデビッターにアンケートをとってみたらどうかと。」

「んー。めんどくさい。あ、水晶どこだっけ。」


うちの魔王様はどちらかと言えばめんどくさがりやです。

それも、なぜ亜人種や人間に恐れられてるのか分からないぐらいです。

確かに本気を出せば国1つ2つ滅ぼすのは簡単だと思いますが。


やはり先々代の魔王様の影響力が凄かったんでしょうか。


「本当に平和主義ですね。魔王様って。」

「なんで争わないとダメなの!?家族と会えなくなる人も出るし、恋人にも会えない人出てくるかもなんだよ!?つか、私もまだお父さんとお母さんに会いたいし!」

「なんでこの人魔王してんだろ。」

「なんか適当に生きてたらなってた。」


本当にこの人なんで魔王してるのだろうと思う時が多いです。

でも、私はそんな魔王様が好きです。


決して人を見下さずに、全員の潜在能力を全力で発揮させることが出来るそんな魔王様が好きです。

部下からの信頼も厚いのも納得がいきます。


強いて言うなら少し魔王らしいところを見せて欲しいと思いますが。


「……この子。」


すると魔王様が水晶を持ちながら手を止めました。


「どうかされたのですか?」

「いや。すごく綺麗だなぁって思って。どちらかといえば可愛らしいかな。いや、でもこの子から男性特有の魂を感じる。」

「女性ですよね?」

「うん。でもなんか。なんだこれ。」


魔王様は確かにめんどくさがり屋でポンコツで。いいところと悪いところがハッキリしていますが、洞察力と戦闘能力はこの世界では正しく最強と言っても過言ではないと思ってます。


「……良いね。」

「魔王様?」

「……アニー。私、欲しくなっちゃった。この子。」

「欲しい……ですか。」

「うん!」


でも、やっぱり魔王様は魔王様なんだなと思う時が時々あります。

魔王様らしい所もちゃんとあります。

こういう不敵な笑みを浮かべている時は特に。


「友達になりたいって思うんだけど。それ以上に私のものにしたいなぁって思えるんだよね。ふふっ。」


あー。これは話聞かないやつですね。止められないやつですね。


それにしても、魔王様がそれほど気に入る人ですか。少し気になりますねそれは。


「魔王様。その人はどういう人なのですか。」

「えっと。本名【ウィリアム・アリス】魔力は高純度で尚且つ平均値以上。スキルは精霊術士で得意魔法は回復系魔法。」

「回復系魔法ですか!?それに、高純度な魔力で精霊術士ですか。……もしかしたら後に【神霊】や【精霊王】さえも契約させるかもしれませんね。それなら……。」

「……ふふふ。あはは!!余計欲しくなってきたよ!良いねぇ!!実に良いよ!!」

「お気に召したなら何よりです。」

「さて。アニー。あなたに頼みたいことがあるんだけど良いかな?」

「はい。なんでしょうか。」

「私は数日後、数ヶ月もしかしたら数年間、魔王城を留守にしようと思う。その間、魔王代理として頼めるかな。」

「……はっ。謹んでお受け致します。」

「さて。早速準備としよう。まぁ久々に世界をゆっくり観光するのもありかもね。アニー。とりあえず、ご飯食べに行こう!」

「そうですね。お供します。」

「カリーも呼ぼ!みんなでご飯!ご飯!」


普段は少し頼りない雰囲気がありますが、やる時はやる。

それが私達の魔王様です。

慈悲深き魔王様です。

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