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【本編完結済】殺戮の皇女  作者: イチノセ
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66  慟哭のカンタータ - 05

あけましておめでとうございます。

新年早々、拙作を読みにきていただきありがとうございます。感涙の極みです。


お手元に年賀状は届きましたでしょうか?

仕分けるのに疲れて、休憩がてら読みにきてくださった方はいらっしゃるでしょうか?


今回の話はそこまで重くありません。

嵐の前の静けさです。

明日、嵐が起きます。

謁見の間は、それはもう豪勢な作りだった。

贅を尽くした絢爛豪華な柱や調度品。よく教育された使用人たち。


事前に頭に叩き込んだ挨拶と祝いの言葉を述べ、レイエンフィリアはレイヴヴィヴェーニアからの贈り物を渡し終えた。


キリルたちは今、この後の晩餐会のために、レイエンフィリアがあてがわれた私室へ戻ってくるのを待っている。




「謁見、成功しましたかね?」




ベンクが問う。

主を疑うんじゃない、と内心ツッコミを入れつつ、キリルはため息と共にベンクに声をかけた。




「あの殿下が、謁見でミスをするはずないだろう?したところで、多少のミスを見なかったことにできないような人間が、王族でいられるはずがない。ミスは誰だってする。上に立つ者ほどそれを理解して寛容でいないと──」




その時、観音開きのドアが開く音がした。

3人は居住まいを正し、ドアに向き直る。


今いる部屋はレイエンフィリアにあてがわれた部屋だ。彼女以外が扉を開けることは無いに等しい。




「戻ったわ、3人ともお疲れ様」


「お疲れ様でした、殿下。謁見は滞りなく?」


「ええ。晩餐会も、予定通りに行うそうよ」




案内についてきた使用人を退室させ、レイエンフィリアは微笑んだ。その姿に、キリルもフッと息を吐く。




「承知いたしました。他の使用人にもそのように伝えておきます」




満足げにレイエンフィリアが頷くと、キリルは客間の大きなソファを促した。




「お茶の用意をいたします。茶菓子は毒味も済ませました。マリンさんが包んでくださったお茶ですよ」


「嬉しいわ。やっぱりマリンの配合したお茶が1番落ち着くのよね」


「このあと着替えもありますから、量は控えてください。それと今のうちに言っておきますが、晩餐会の食事は毒味役の俺が食べたものしか食べないようにお願いします」


「わかっているわ。自分のそばを離れないように、も続くのでしょう?」


「……わかっていらっしゃるなら、いいです」


「ふふ、ありがとう。よろしくね?」




レチータ妃以外の妃とも会話をすることになるだろうし、謁見の間に現れなかった大臣や貴族たちもやってくるだろう。


それならば──




「ねぇアラド」


「はい殿下」


「キリルの服って今着ているもの以外にないのかしら?」


「は?な、でん──」


「いいえ、マリンが用意しておりますので、殿下のドレスに合わせてお選びいただけます。殿下ご自身でお選びくださいとの伝言です」


「あら嬉しい。じゃあキリル」




────まずい、イヤな予感しかしない!!




「着替えましょうか」




女のこだわりは強い。

それはレイエンフィリアも例外ではなく。


抵抗の甲斐無く、キリルはレイエンフィリアの着せ替え人形になった。




「これでよし」


「……(げんなり)」


「キリルさん、想像以上に似合いますね」


「殿下、キリルさんにすごくよく似合ってますよ!うん、いい!!」


「でしょう?よかった!」


「…………(げんなり)」




夜空のように濃い紺色のドレスに、薄いチュールの花が散ったレイエンフィリアのドレス。


それに合わせて、キリルも濃紺のタキシード風のジャケット──本物のタキシードだと、裾が邪魔だと言い張った──に、薄い水色のタイを着けている。

ボタン一つ一つはレイエンフィリアの瞳と同じ色の石を使い、普段適当に下ろしている髪は掻き上げられた。長い後ろ髪を結っているのも水色のリボンだ。




「キリルさん、どうですか?」


「頭がスースーする」


「普段邪魔そうだと思っていた横髪、掻き上げましたもんね。なんで伸ばしてるんですか?髪」


「切るのが面倒で、いつの間にか伸びてた。養父さんの屋敷にいた頃は頻繁に切ってたけど、城に上がってからは面倒でたまにしか切ってない」


「後ろ髪は?」


「一度切り忘れて、1年くらい髪を切らずに放っておいたら、この髪型がトレードマークになったんだ。一度切ったら『キリルの本体が!』って揶揄われて、また伸ばした」


「『吊るされた男』の人たちって愉快な人が多いのね……」


「そう……かもしれない……の、かもしれない?のか?」


「でも今の髪型、キリルに似合ってるわ。私は好きよ」


「それはどうも、ありがとうございます」




太々しい態度を崩さないまま、キリルはムスッとした表情で形ばかりの礼を言う。


それでいいと、レイエンフィリアも思う。だって彼らしい。




「2人も、キリルに合わせた感じにしようと思うんだけれど……好みはある?」


「帯剣は……できないんですよね?」


「そうね、難しいわ」


「宝石も過剰に持ち込むと疑われそうですしね……盗んだんじゃとか、何に使うんだとか」




守りの宝石くらいか……と呟きながら、アラドとベンクは考えるそぶりを見せる。




────抗議の視線を感じる……




なんで2人からは好みを聞き出すくせに、俺の衣装は強制的に決めたんだ。


と言う言葉が聞こえてきそうな視線をひしひしと感じている。キリルから。


宴の始まりまであと1時間半。

それまでにどうやって機嫌を直してもらおうかしら。


レイエンフィリアが考えていたのはそんなことだった。

銀髪と黒髪にはどんな色も似合う。

私の持論です。えっへん。

理由は分かりません。


去年の今は、某ゲーム内で爆死をすると言う散々な始まりかたでした。結局13日ごろに物理(課金)で無理やり引き当てましたが。


今年はどうなるのか分かりません。


次回更新は明日、1/2の12:00です。

それでは、近所のカフェでジングルベルを聴きながら。(現在:12/24)

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― 新着の感想 ―
[気になる点] こういう時、貴族や王族の目には使用になんて映らないものだ。ただの空気、背景、話している相手の付属品。そんなもんなんだ。 は、 こういう時、貴族や王族の目には使用人なんて映らないもの…
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