110 激動のノットゥルノ - 3
きょうもたくさん、ひとが、しんだ。
きょうもたくさん、ひとをころした。
しようにんも、だいじんも、このえきしも、だれもかれも、だれもかれもだれもかれも、だれもかれもだれもかれもだれもかれもだれもかれもだれもかれもだれもかれもだれもかれも。
ああ、アア、嗚呼。
「はやく、しにたい」
レイエンフィリアは、ベッドの海に沈みながらそう呟いた。その額に口付けて、キリルは彼女を抱き寄せる。
人を殺して歩いて、夜になったら傷を舐め合うように体を重ねて、また血に塗れて、また触れ合って、また血を纏う。
キリルもだいぶ、精神的に参ってきた。
死ぬべき人間を大量に殺してきた転生前より、ずっと辛い。本来死ぬはずのない人間を、自分たちの目的のために殺す。
それは重くて、辛くて、地面から生えた手に身体中を掴まれているように錯覚するのに、けれど殺さなければならない。
体は鉛のように重く、精神的に疲れ果てているのに、何故か酷く昂って。
────どうか、どうか、救われて欲しい。
そう願わずにはいられない。
国民はレイエンフィリアの処刑を国に要求したそうだ。けれど国を牛耳る人間はレイエンフィリアに逆らえない。故に、処刑は出来ない。
国民たちは城に乗り込み、レイエンフィリアを捕縛する計画を立てているらしい。実行日は明日。潜入したアラド曰く、朝の9時、象徴の赤薔薇を胸に攻め込んでくるそうだ。
その前夜だと言うのに、焦りは無い。
もう、思考すら動かない。
そのくらい、疲れてしまった。
鉛の体から力を抜き、目を閉じる。
どうか、どうか、彼女の生に救いがあらんことを。
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