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離れているようで、すぐ側に居た

4章 離れているようで、すぐそばに居た

潮風が疲れきった身体によく染み渡る。

潮風なんて、生きてたぶりに感じる。俺がどうして、潮風に浸っているかって?それには深ーい訳があるが、時間を遡ると、話が進まないので、簡潔にまとめよう。

「イエィ!海だ!水着だ!お姉さんだ!」

「ちょっと?はしゃがないでもらえる?恥ずかしいじゃない」

とまあ、今はとある無人島に来ている。

無人島になぜ、お姉さんがいるかって?観光客だろう。それは無人島というのか!と聞かれればそれは最後だが、設定上都合が良いので、無人島って事にさしてもらおう。

「あの学園さすがだなー。豪華客船に修学旅行で生徒が泊まるように、ホテルまで設立。ここまでされると正直、ひいてしまう」

「当たり前じゃない。私たちは女神候補なのよ?この程度当然よ」

それもそうか。こいつは、序列4位以内のエリート中のエリートだもんな。己との劣等感に嫉妬してしまうぜ。

「そうだな。お前はー」

「もちろんあなたもよ?」

「え?」

「この学園に所属している生徒で、女神候補じゃない生徒なんて、誰一人いないわよ」

感動でしかない。こういう奴が世界を支えるんだろうな。女神になってほしいよ。ほんとに。

「甘いねー。だから君は、まだまだなってないんだよ。四天王最弱女神さーん」

3人の影と共に、明らかに他の生徒とは違う風格を魅せる翼を所持する女神が3人

複雑な形してる翼だなぁー。

「最弱、?そういうあなたこそ、私に勝ち越してから言ってもらえるかしら?」

「辞めないか!だらしない!他の生徒も見ているだろ!やりたいなら私が相手になる」

さすがだな。そりゃそうか。人気もそうだが、序列1位の女神 大天使ラファエル。俺が超えなきゃいけない壁でもあり、肩を並べるべきライバルでもある。

「お前も何か行ってやれ」

「……」

「そいつが喋るわけないっしょ!」

自分では最弱と謳ってはいるが、実力者はこういう。四天王序列2位は彼女だと。

ちなみに四天王とは、四女神の事ね!

この場は収まり、俺たちは修学旅行を満喫する。

ービーチー

「きゃー!やめて!ゆうってばー!」

「気持ちいだろ?」

「もぅ!ダメじゃない!」

アテナの声と俺のイチャつく声、ではなくアテナの彼氏兼敵の悠くんがイチャつく声が俺の堪忍袋の尾を切ろうとする。

そういえば、序列2位の女神……。あの雰囲気どこかで見覚えある気がするんだが、実はクラスメイトだったりしてな。

んなわけないか。

「はーい!皆さーんホテルに戻るわよー」

不本意ながらイチャイチャの「い」の文字もなく、一日目が終わろうとする。

ほんとに俺は、何もできないんだなぁ。こんな世界で生きてても仕方がない。もう、俺はさらばするか。

とまあ、俺は命の灯火を消そうとする。

すなわちこの話にて、俺が好きになったのは、偉人のようで、凡人だったは、終了となる、のだが、如何せん文字数が少ない。だから、少し興味があっただろう。俺の生きていた時の彼女の話でもしよう。

ー3ヶ月前ー

「ねえ、さなちゃんの事好き?」

「好きだよ」

これは非リアの皆さんには不愉快極まりないかもしれんが、分かって欲しい。今は俺!彼女居ねえから!

「さーなね?優くんの事好き!」

「分かったから、好きで居てくれてありがとうな」

俺は少し冷たく、突き放すように言う。これが、彼女と交わす最後の言葉になるとも知らずに。

俺たちは今日はホテルガブリエルに泊まるつもりだ。何故か。決まっている。記念すべき日なんだ。

「大きいね」

「でかいだろ?」

俺たちは、それなりのサイズのホテルにそれなりの身なりの部屋に宿泊している。もちろん営みがなかったわけではない。済ました後だ。

「なぁ?俺が居なくなったらー」

「怒るよ」

「悪い」

目が霞んできた。気づけば俺は眠りについていた。

「ぴゆーんぴゅーんぴゅーん」

俺は大きな警報音で飛び上がり周りを見渡すと火の海だ。

「おい!起きろよ!さな!」

「えー?なにー?」

「火事だから!寝ぼけてる場合じゃないから!」

危機感を覚えて欲しいものだ。

「ほんとだ!どうしよ。囲まれてるよ。これじゃあ出れない」

「水浴びて俺が前走るからお前はその後ついてこい!」

「わかった」

ばしゃーんと水を浴びて俺達は、火の中に飛び込んだ。

、、、その後の記憶はない。気がつけば病院の天井が目の前に広がっている。

「大丈夫ですか?」

「あ、あの、さなは?」

「……」

沈黙が意味するものは俺は分かっていた。分かっていたが、その現実だけは受け入れられない。

「黙ってちゃ分からないですよ!さなはどこですか!」

「さなさんは、亡くなりました」

「適当な事言ってんじゃねえよ!」

俺は、膝から崩れ落ちて、涙を堪えながらも、溢れ出している。

遺体を見る事を許されず俺は、気を紛らわそうと、散歩している。

ー横断歩道にてー

「危ない!」

幻覚なのか、俺は女のがトラックに惹かれるような光景が浮かび上がる。俺は助けようと飛び出したが、少女はそこには居なく、少女は信号を待っていた。

ガシャーン!

こうして俺は、さなと共に、生涯を終えた。

ーそして現在ー

「ねえ?優ちゃん?」

「君は、確か、序列2位の……名前はなにだっけ?」

「私に、名前はないの……」

「んじゃあ、私がつけてあげる」

どの立場でとは、俺も思ったが、何故か無性に、とある名をあげたくなった。

「つけて、、くれるの、?」

「当たり前よ!」

「んじゃあ、お願いしちゃう」

無口のわりに、初めての俺との会話を笑顔でしてくれている。

「君の名は、そう、ガブリエル」

どうしても、この名を授けたかった。

「ありがとう……ほんとに、ありがとう。優」

「うん!いいのよ!」

ん?皆んな優ちゃんと呼んでいるのに優とは、馴れ馴れしいな。無口さをほんとに感じさせないなぁ。

「やっぱり、優は優しいね」

「え?やっぱり?昔会ったことあるっけ?」

ないのは知っているがあえて聞こう。

「ええ。あなたのことは良く知っているわ。優しくて、でもちょっと意地悪で、甘えん坊の優」

「キミは、一体……」

「久しぶりね。優」

その女神は、涙を流しながら、フードを外すと、俺の目から彼女と同じ涙が、同じ意味で流れる。

「なんで、お前が……ここに」

「私も、転生よ」

「お帰り。優」

「ただいま。ガブリエル。いや……さな」

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