第116話「第1回『捧竜帝クリスティア歓迎計画(1)』」
俺たちは『捧竜帝』クリスティアを連れて、辺境に戻ることにした。
帰り道は馬車だった。
本当は『結界転移』で連れて行こうと思ったんだけど……クリスティアは、のんびりした旅を望んだ。
今まで、彼女は旅をしたことがなかったからだ。
唯一の例外が宮廷を抜け出したときだけど、あのときは仮死状態だったからね。
クリスティアにとっては、風景を見ながら旅をするのが、あこがれだったそうだ。
だから俺たちは、彼女の願いを叶えることにしたんだ。
「それで、『クリスティア歓迎計画』はどうなってる? リゼット」
「順調に進んでおります。ショーマ兄さま」
ここは、辺境に向かう馬車の中。
向かい合わせに座った俺とリゼットは、声をひそめて話をしていた。
俺はクリスティアに、辺境でのんびり暮らして欲しいと思っている。
いずれ『キトル太守』と『十賢者』の戦いが始まる。
そのときクリスティアは、『十賢者討伐』の旗印として担ぎ出されることになるだろう。
せめてそれまでは、クリスティアに皇帝の地位やプレッシャーを忘れて欲しい。
クリスティアは生まれてからずっと『十賢者』に利用されていた。
宮廷から出ることもなく、奴らの監視のもとで過ごして来たんだ。
辺境にいる間くらい、普通の子どもらしい生活をしてもらってもいいだろ。
「もっとも、どうすればクリスティアが喜ぶのかはわからないんだけどね」
「……そうですね」
「だから、そのためにはなんでもする感じで、リミッター解除で行こう」
「はい。じゃあ、なんでもありでいいのですね? 兄さま」
「ん? そうだね。一応、相手は皇帝陛下だから……失礼がないように気をつけること。それ以外はいいんじゃないかな」
「承知しました! リゼットにお任せください!」
リゼットは、ぽん、と胸を叩いた。
とにかく、楽しそうなことを思いつく限り試してみよう。
そのうちのひとつくらいは、クリスティアの好みにヒットするだろ。
「それで、村の状況は?」
「今朝、ハーピーのロロイさんが伝令に来ました。ハルカとユキノさん、プリムさんが中心になって、陛下を歓迎する準備を進めているようです」
「わかった。それとリゼット、村では『陛下』と呼ばないようにね」
「は、はい。兄さま」
リゼットは口を押さえた。
クリスティアが皇帝だという情報は、一般には公開されていない。
『キトル太守領』でも、それを知るのはシルヴィアたちと一部の兵士たちだけだ。
だから辺境でも、秘密にすることにした。
クリスティアは「普通の少女」のように暮らすことを望んでいるし、俺も彼女には、皇帝だということを忘れて、のんびりと過ごして欲しいからだ。
『ハザマ村』の人たちには『王都で十賢者に幽閉されていた少女を助けた。彼女はシルヴィアの知り合いで、初代竜帝の血を引いている』とだけ伝えている。
人の世界で生きるのに疲れていたから、俺が辺境に連れて来た、という設定だ。
みんなそれで納得してくれた。
『ハザマ村』のみんな、いい人たちだから。
「それで、せっかくだから『徹底して甘やかそう』ってことになったんだよな」
「はい。皆さんも賛成してくれました」
「わかった。じゃあ辺境に着いたら、例の計画をはじめよう」
「わかりました」
ひそひそ、ひそひそ。
俺たちは小声で話し合う。
打ち合わせが終わると、俺は『翔種覚醒』して馬車を降りた。
空中に浮かんだまま、クリスティアがいる馬車のドアを叩く。
「失礼します。『辺境の王』ショーマです」
「は、はい? 『辺境の王』さま!?」
がちゃり、と、カタリアさんがドアを開けた。
その向こうにクリスティアもいる。馬車の座席に寄りかかり、眠っているようだ。
「間もなく『ハザマ村』に着きます。準備をしていてください」
「……あの『辺境の王』さま」
「なんでしょうか」
「馬車は動いておりますよね?」
「そうですね」
「辺境の王さまは、走っても歩いてもいませんよね」
「飛行速度を、馬車の速度に合わせてますから」
『翔種覚醒』は魔力で飛んでるからな。
こうやって空中で立ったまま水平移動もできるんだ。便利だ。
「……むにゃ。『辺境の王』さま?」
「起こしちゃいましたか。すいません。陛下──じゃなかった。クリスティア」
「『辺境の王』さま……馬車に並んで……飛んでます」
「それはささいなことです」
「……ささいなこと」
「それより、まもなく辺境の『ハザマ村』に着きます。準備をお願いします」
「……わかりました。あいさつの、準備……ですね」
「いえいえ。それはついででいいです」
「ついで……?」
「まずは、クリスティアがどんな家に住みたいか、考えておいてください」
王都の宮殿とまではいかないけどな。
辺境では、クリスティア自身に住むところを選ばせてあげたいんだ。
「できるだけクリスティアのリクエストに応えます。準備は、もうできていますから」
「は、はいっ」
クリスティアは真剣な顔でうなずいた。
宮女のカタリアさんは、やさしい顔で笑ってる。
その十数分後、馬車は『ハザマ村』の城門にたどり着いたのだった。
「「「「『ハザマ村』へようこそ──っ!!」」」」
どんどんどんどん! ぱふーっ!
城門の向こうには、村人たちが集まってた。
全員、馬車を囲んで手を叩いてる。
道の左右にはきれいな花が咲いてるのは、歓迎のためにみんなで植え替えてくれたからだ。
大人たちの後ろでは、子どもたちが即席の太鼓を叩いてる。
「ぱふー」は、空を舞うハーピーたちが吹き鳴らしてる草笛だ。
「…………わぁ」
クリスティアは馬車の窓から身を乗り出して、目を輝かせてる。
気に入ってくれたみたいだ。
『竜脈』の加護を受けた『ハザマ村』は、ほどよく温かい。
馬車のまわりに咲く花も元気で、いい香りがしている。
クリスティアは目を閉じて、それを楽しんでいるみたいだ。
「『ハザマ村』を代表して、村長のハルカ=カルミリアがごあいさつをいたします」
ドレス姿のハルカが、前に出た。
「え、えっと、物資にとぼしい辺境ゆえ、粗野な歓迎となりました。初代竜帝さまの血を引く方なら、『辺境の王』である兄上さまやリズ姉のご家族も同じです。どうか辺境でごゆるりとおすごしぐだひゃいっ!」
……後半、すげぇ早口になってる。
後ろ手に隠してるのは、プリムが作ったメモかな。
忘れそうだから早口でごまかしたな。ハルカ。
「降りられますか? クリスティア」
「ありがとうございます。『辺境の王』さま」
俺はクリスティアの手を取って、馬車の外へと導く。
彼女が地面に立つと、村人たちから歓声があがる。
「……あんな小さな子が『十賢者』に幽閉されていたなんてね。きっとすごい苦労したんだろうね……」
「……ショーマさまが助けてくださって、本当によかった……」
「はおうさま、かっこいい!」「あとであそんでー!」「しょうかいしてー」
村のみんなは、クリスティアを普通のちっちゃな子として扱ってくれてる。
俺の手を握るクリスティアは、小さく震えてる。
こわがってはいない。
馬車のまわりにいる鬼族の人たちを見回して──ぎこちないけれど──笑顔を浮かべてるから。
「わ、わたしは、クリスティアと申します」
クリスティアはたどたどしい口調で言った。
「わたしは、住み慣れた王都を離れて……さすらいの身、です。『辺境の王』さまにおすがりして、ここまで来ました。どうか、お友だちのように接していただけると、うれしい、です」
「は、はいっ。村長として歓迎します。どうぞくつろいでくださいまふぇっ!」
ハルカ、また噛んだ。
丁寧すぎる言葉をしゃべろうとすると噛むみたいだ。
「今さらだけど、本当にいいんですか?」
少し考えてから、俺は宮女のカタリアさんに聞いてみた。
「俺としては、この村ではクリスティアにはのびのびと……ぶっちゃけ、普通の子どもみたいに暮らして欲しいと思ってるんだけど、本当にそれでいいんですね?」
「もちろんです。陛下も、王のご提案に感謝されておりましたよ」
カタリアさん、それに、他の3人の宮女さんたちがうなずいた。
「わたくしたちは、陛下を自由にするために命をかけました」
「その願いが叶おうとしているのです。異論などあろうはずがありません」
「陛下は『辺境の王』さまを初代竜帝さまのようにあがめていらっしゃいます。その方のご提案に、まちがいなどありましょうか」
宮女さんたちはそう言って、俺に深々と頭を下げた。
本当にこの人たちは、クリスティアを大事にしてるんだな。
そういうことなら、いいかな。
「わかりました。ただ、クリスティアの体調とか生活環境とか、そういうところはサポートをお願いします。ここでは行き届かないところもあるかもしれないので」
「承知いたしました」
「クリスティアの護衛には、リゼットについてもらいます。生活全般のサポート役は──」
俺は手を挙げた。
それを合図に、プリムがやってくる。
「プリムディア=ベビーフェニックスと申します。皆さまの生活をサポートするように命令を受けております。なにかありましたら、ご遠慮なくおっしゃってください」
「……なんでそんなにいい笑顔なんだよ。プリム」
「私の知識欲を満たすチャンスですので!」
プリムは小さな拳を握りしめて、ガッツポーズ。
「私は以前、知識を求めて王都まで旅をしていたのですよ?」
「ああ、王都まで家出してたんだっけ」
「そこで占い師をして知識を集めていたのですが、王宮や『十賢者』についての情報は得られなかったのです。そしたら、王宮の中枢にいらっしゃった人々の方から辺境に来てくださったのです。これが興奮せずにいられるものですか」
「……ほどほどにするように」
「……自制はいたします」
俺が頭をなでると、プリムは目を細めて、笑った。
まぁ、プリムなら大丈夫だろう。
「それで、クリスティアの家の準備はどうなってる?」
「できております。村の一部に、ちょうどいい更地がございましたので」
「え? 更地なのですか?」
カタリアさん、びっくりしてる。
「『辺境の王』さまは、陛下に『どんな家に住みたいか』とおっしゃっていたようですが……?」
「はい。だから、そのための場所と材料を用意しました」
俺はうなずいた。
「問題なく、クリスティアの好みに合わせた家になるようにします。一緒に来てもらえますか」
それから俺たちは、クリスティアとカタリアさんたちを連れて、村の空き地に移動した。
「では、これからクリスティアの家作りを始める!」
『『『ヘイヘイヘイヘイヘイ────っ!!』』』
俺の号令に、空き地に集まった『意志の兵』たちが応える。
「……すごい」
クリスティアは、ぽかん、と口を開けて、目の前の光景を見ている。
村の空き地に集まっているのは、『意志の兵』数十枚。
『キトル太守領』から馬車で出発する数日前に、俺はこっそり『結界転移』して、辺境に戻ってきた。
その時『建築用の意志の兵』を作っておいたんだ。
ここにいる塀たちは、今までの『意志の兵』とは違う。
俺の『竜咆』で岩山から切り出したあと、きれいに加工してある。
つまり精度の高い塀──精鋭の兵だ。
表面は滑らかになるように『超堅い長剣』で削ってある。
幅は、広いものや細いものもあるけれど、全員きれいな長方形だ。
リゼットとハルカ、村の有志ががんばってくれた結果、建築に向いた塀となったのだった。
「では、クリスティアに聞きます」
「は、はい」
「どんな部屋が欲しいですか?」
俺はしゃがんで、クリスティアと目線を合わせた。
「え、えっと。私と、カタリアたちと……『辺境の王』さまも一緒に、お茶を飲める部屋があれば……」
「大きさはこんな感じですか?」
家の土台は村の人たちが作り、『意志の兵』たちが踏み固めてくれた。
俺は棍棒で、その上に線を引いていく。
クリスティアの願いを聞きながら、少しずつ線を引き直して、落ち着いたところで──
「では、我が兵よ! 家屋建築陣形を!!」
『『『ヘイヘイヘイ────ッ!!』』』
引いた線の通りに、『意志の兵』が整列した。
部屋ができた。
「……え」
「「「「ええええええええええっ!?」」」」
「はい。床板だよー」
「これぞ『ハザマ村』の技術力!」
「我が王とお客人にお見せしますぜ!」
やってきたハルカと村人たちが、石の床の上に板を敷いていく。
『意志の兵』で出来た床は、魔法の炎や氷にも耐える。断熱効果も抜群だ。
ただ石の床だと、クリスティアが転んだときに怪我をするかもしれないからな。
柔らかめの木を切り出して、床板を作ってもらったんだ。
「はい。部屋ができました」
「…………そ、そうですね」
「次は寝室です。どんな感じがいいですか?」
「わ、わたしのベッドがあって、『辺境の王』さまが泊まりに来てもいいように。それと、カタリアたちの寝室が隣に──」
「はい。じゃあ次の兵、こっちに来て」
『『『ヘ────イッ!』』』
そうして──
クリスティアの希望に沿って、次から次へと部屋ができていく。
細長い兵は合体して柱に。
幅広い兵は内壁に。
『意志の兵』は集まり、組み合わさり、クリスティアの家を作っていく。
その間に村の職人さんが床を張り、建物の基礎部分を補強。
必要な部分を手作りしていく。
さすがに家を完全自動作成とはいかない。
けど、手間はかなりはぶけたはずだ。
部屋ができると、ハルカや村人たちが家具を運び込んでくれる。
ベッドにテーブル、椅子など。
これはシルヴィアが提供してくれたのを、『結界転移』で持って来たものだ。
あとは窓を作って、カーテンを張って。
もちろん、家を囲む塀も忘れない。
最後に、木製のドアをつければ──
「これで、クリスティアの家のできあがりだ」
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『クリスティアの家』
住所:辺境『ハザマ村』の日当たりのいい空き地。
総建築時間:2時間30分
材料:『意志の兵』82枚。他、木材等。
部屋数:7。石造り平屋建て。
特殊効果:『意志の兵』による断熱効果。遮音効果。耐震・耐衝撃。魔法抵抗 (強)。
特殊能力:自動部屋割り変更システム(クリスティアの希望により、部屋のサイズを変更可能)。
自動歩行システム(緊急時には家ごと移動可能)。
自動防衛システム。
協賛:『キトル太守家』三女シルヴィア=キトル。
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「……これが、わたしの……わたしのおうち」
「壁と床はゴーレムだけど、プライバシーは守るように指示してある。家の中の情報は他の人間には伝わらないから安心してくれ。それと、壁も床もクリスティアの命令に従うから、自由に模様替えしてもいい」
これが『クリスティア歓迎計画』の第一弾だ。
今まで住む場所を選べなかったクリスティアに、オーダーメイドの家をプレゼントしたかったんだ。
もちろん、住んでると気に入らないところも出てくるだろう。
そのあたりは、自由にカスタマイズできるようにしておいた。
自由にしてくれていい。
「屋根に上がりたくなったら、適当な壁に頼めば運んでくれる。ただ、落っこちないように気をつけて。まわりは空き地だから、オプションで色々つけくわえてもいい。言ってくれれば、俺の方で対応するから──」
「わたしの……おうち……自由な、居場所」
「あれ? クリスティア?」
「好きな場所……自由にしていていいところ……わたしの希望通りの」
クリスティアの目から、涙が落ちた。
それから、クリスティアは……俺の服にしがみついて、声をあげて泣きはじめた。
文字通りのちっちゃい子どもみたいに──って。
「あ、あの。ちょっと。クリスティア?」
「……よろしければ、そのままにして差し上げてください」
宮女のカタリアさんが、クリスティアの髪をなでた。
「うれしかったんですよ、ね? 陛下」
「……はい」
クリスティアは俺の服にしがみついたまま、うなずいた。
「リゼットもわかります。クリスティアさまは、ずっと王宮で、気が休まる暇もなかったでしょうから。自分が安らげる場所をもらったことで……我慢してきたものが、あふれでてしまったのかもしれません」
「…………わかる、の?」
「わかりますよ」
リゼットはクリスティアに顔を近づけて、ささやいた。
「リゼットも、クリスティアさまと同じく、初代竜帝さまの血を引いていますから」
「……リゼット、さま」
クリスティアはリゼットに向かって、手を差し出した。
リゼットはその手を取って、笑う。
ふたり並んでいると、仲のいい姉妹みたいだ。
「兄さまもクリスティアさまも、村の広場に行きましょう。歓迎の宴の準備ができてます」
「わかった。行こう。クリスティア」
「は、はい」
俺とリゼットとクリスティアは歩き出す。
その後ろを、カタリアさんがついてくる。
他の宮女さんたちは、家の掃除と、クリスティアを迎える準備をするそうだ。
「聞いてください、クリスティアさま。ショーマ兄さまは、クリスティアさまを楽しませるためなら『なんでもあり』っておっしゃったんですよ?」
「……『辺境の王』さまが?」
まぁ、そうなんだけどな。
王都で苦労したクリスティアには、ここでのんびりして欲しいし。
どうすれば楽しんでもらえるかわからないから、できることはやろう、って思ったんだ。
「今日は村のみんなが練習した、お歌を聴いていただきます」
「ど、どんな歌ですか?」
「『異形の覇王ソングフルバージョン』 (作詞作曲:ハーピーの長老ナナイラ)です!」
「まぁ」
「待って」
え? なんでそんなことになってるの!?
『異形の覇王ソング』は禁止にしたよな?
というか、検閲もしたよね!? なのになんでフルバージョンの練習を!?
「兄さまが『なんでもあり』とおっしゃったので、ハーピーの皆さんが中心になって『検閲なしフルバージョン』を練習したそうです」
「わかった。『辺境の王』権限で再度けんえ──」
「クリスティアさまも、聞きたいですよね?」
「はい!」
……あ、こら。
リゼット。それはずるい。
「みなさまが準備してくださった、『辺境の王』さまを讃える歌ですから、ぜひ、聞きたいです。すごく……楽しみ、です」
クリスティアは、きらきらした目で俺を見てる。
まずい……これは断れない。
「リゼット」
「はい。兄さま」
「…………いぎょうのはおうそんぐをきょかする」
「ありがとうございます。兄さま!」
リゼットは満面の笑みを浮かべた。
「兄さまを讃える歌のフルバージョン、リゼットもずっと歌いたかったんです!」
「……うぅ」
こうして──
『ハザマ村』では、『捧竜帝』クリスティア歓迎の宴が始まり──
「……こんなに楽しいのは、生まれて初めてです。ありがとうございます。『辺境の王』さま」
「……ああ」
宴は、夜が更けるまで──
正確には、俺の膝に座ったクリスティアが眠るまで続き──
──俺は宴が終わるまで『異形の覇王ソングフルバージョン』を聞き続けることになったのだった。