分かりやすいけど、分かりにくい※
診断メーカーさんで決めたお題目で名刺メーカーさんを試したくて書いたSSでした。
ですので、かなりの短文。
痛いぐらいの熱視線。注目されていると言われたら聞こえは良いけれど、同世代のご令嬢たちからは嫉妬以外の何者でもなく、ご令息たちからは羨望と捉えて良いだろう。
何せ、今日はオーガスト様主催のパーティなのだ。婚約者である我が妹のアルミネラや僕が招待を受けたのは至極当然。煌びやかなシャンデリアの下で見世物になるのも当然の結果といえるだろう。
それだけでも僕は緊張しているというのに。
うちのお姫様ときたら、全く。
「お手をどうぞ」
「……ありがとう、イオ」
まさか、こんな時でさえ入れ替わりをする羽目になるとは思わなかった。しかしながら、お前が妹を甘やかした結果だろう?と言われたらぐうの音も出ない。おっしゃるとおりで。いや、でもさ?アルを甘やかすのが僕の楽しみの一つなんだから仕方ないよね。
「一曲踊る?」
ふわりと歩く度に揺れるドレスの下で慣れないヒールと戦っているというのに、妹がとんでもない事を言ってきた。
「……あのさ、それ本気で言ってる?」
いや、ほんと、待って。お兄ちゃん、これでもかーなーり、頑張ってるんですけどね?
そりゃあ、踊れるのは踊れるよ?むしろ、女性パートはばっちりマスター済みですがそれが何か?……泣いてないよ。泣いてないったら。……くっ。
「だって、イオが私のものだって知らしめたいもの!」
「えっ、何それって、うわっ!」
僕には分かりやすいけど、なんて分かりにくい独占欲なんだ。




