我輩はねこである。※
「世界ネコの日」にちなんだSSでした。
きっと、これは夢に違いない。
そう思うしかなかった。
だって。
……だって、
「何をどうすれば、猫の耳になるんだよ」
是非とも、この僕の驚きをリアルタイムで共感して欲しい。
昨日、ベッドに入るまで僕の耳は普通だった。いや、普通という表現はおかしいな。人間らしい耳だった、とでも言うべきなのかな?とにかく、何もおかしな部分は見当たらなかった。なのに、だ。
「これは、一体」
何度そこを確かめてみても真横にあるはずの耳はなく――その代わり、頭の上にピンと伸びた柔らかな毛に覆われたものが二つそびえ立っていた。
もうすぐサラが起こしにくるかもという不安からか、小さな音でも聞き取ろうとしてピクピクと動いているのが自分でもよく分かる。
……つまり、まぎれもなく僕の耳でしかない。
「ああ」
と、頭を抱えながら布団の上に崩れるのも三度目か。まさに堂々巡りとはこういう事をいうんだろうな。
しかも、結局何も打開策が思いつかない。
ここはいっそ、風邪気味だって言って布団に潜って隠れるべきか。いやいや、待って。それは子供じみて逆に恥ずかしい。駄々をこねているのを、サラに無言で見下ろされてる所を想像してごらんよ。……ね?考え直そうか、僕。
「っ!」
とかグルグル頭悩ませている間に、足音が――
「……おはようございます」
うーわーぁ!!!!!!
勢いで布団に潜っちゃったけど、どうしよう。
「朝食の準備が整っております」
……ねぇ、一つ言っていい?
「御支度をお願い致します」
あのさ、もしかしなくてもサラに起きているってバレてるよね?もう、どう足掻いても無駄な気がする。ここでいつまでも時間を潰していても、さ。
「……」
だったら、もういっそ。
「あのさ、」
覚悟を決めて言うしかない。きっと、サラなら分かってくれるはず。
「驚かないで欲しいんだけど」
布団を被りながらも起き上がると、直ぐ近くで返事はなくともサラが僕を待ってくれている気配がして少しホッとする。その思いに報いる為にも、勇気を出さなくちゃ。
「じ、実は、朝、起きたら、僕の耳が――――――――えええええええええっ!?」
ええっ、そんな馬鹿な……というのも。ガバッと布団を剥いで、サラに向き直った僕の目に映ったのは。
「サ、サラ?その耳は」
彼女の髪色と同じブルネットの猫耳だった。
「……」
いや、その、何か問題でも?とかいう冷めた目で見下ろされると、ちょっと辛いものがあるので止めて頂けないですか。
「お急ぎください」
うー。呆れた目で言わないでよ。
「うん、ごめん……って、し、しっぽ?!」
翻った侍女服の裾からチラリと見えたのって、ま、まさか本当にしっぽ!?
「ご自分にもございますので、ご確認ください」
ええ!?そんな投げやりな!僕が悪いの?しかも、もっとびっくりする事言ったよね?
「じ、自分にもって、そんな……っ!!!!!!?!!?!!?」
……ああ、もう夢なら早く醒めて。




