「ねねさん、さよならを言う」の巻
「ところでまささん」
「なんですか、ねねさん」
「実は、大事な話があるですよ」
「(心の声:なんだ? ひょっとして別れ話か)大事な話、ですか?」
「そーです。大事な話です」
「どーぞ仰ってください」
「わたし、韓国に帰ることになたんですよ」
「ほう。どれぐらいの間ですか?」
「最低、半年は帰てきません」
「半年ですか……そりゃ長い」
「わたしのお母さんが新しくカラオケの店開くことになたんで、そのお手伝いをしなくちゃいけなくなたんです。だから──」
「だから?」
「一度、まささんとはお別れしようと思てるんです」
「(心の声:ファッ!!!?)」
「いつ日本に戻てくるかわからないのに、まささん予約しておくわけにはいけないですものね。寂しいですけど仕方がないです」
「まあ、ボクは別に待っててもいいですけどね。どーせ、新しい相方も出来ないでしょうし」
「うれしいことを言てくれますね。だから、まささんのこと好きです」
「ありがとうございます」
「じゃあ、こういうことにしましょう。わたしが韓国から帰てきたとき、まささんがフリーだたら、またわたしと付き合てください。その時は、わたし、まささんの子供産んであげますよ! というか、産ませてください! 約束ですよ」
「約束されてしまいましたが……了承します」
「おゥ、よかたです! じゃあ、今日のでぇとはいぱい食べて飲んでしましょう。わたしがお金払いますよ!」
「それは悪いんで、ボクが」
「駄目です! じゃあ半分ずつ払いましょう! お別れは、しみじみしてたらいけないです! ぱっと明るく『またね』てやりましょう! 大丈夫です! 縁があたら、きとまたお付き合いできますよ!」
「ですね。じゃ、お互いの新しい明日に乾杯ということで」
「乾杯しましょ!」
「乾杯ですね」
(第一部完)