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「まささん、疲労で寝過ごす」の巻

(その日もこってり絞られたまささんは、当のねねさんを布団代わりにぐっすり眠りについたのでした)


「(心の声:う~疲れた~。眠い~。でもそろそろ起きなきゃ)」


左腕にねねさんの頭の重さを感じながら、まささんはそっと身体を起こそうとします。

部屋の中は暗く、時間の感覚はわかりません。

枕元の時計を見るともうお昼過ぎ。

結構な時間です。というより、チェックアウトの時間をとっくのむかしに過ぎてます。

でもまあ仕方ないか、とばかりに、まささんは右手でねねさんの身体をなぜなぜします。


「(心の声:いいだなァ。容姿は及第点以上だし、積極的に好き好きしてくるし。でも、もって一年ってところかな。何せ、相手が俺だもんな。オトコのレベルが低すぎて、釣り合いがとれんよ。俺にはもったいなさ過ぎる。しかし、この居心地の良さは手放せん。はてさて、どうしたらよいものやら)」


不意にまささんは左腕の感覚がないのに気付きます。というより、妙に冷たい。

おや?と思って動かそうとすると、左腕は死んだように動きません。

指先ひとつ動きません。

右腕で持ち上げてからぱっと手を離すと、そのまま下へと落下します。


「(心の声:ファッ!)」


どうやらねねさんの頭の重さで左腕の血流が止まっていたようです。

壊死寸前ということでしょうか!


「(心の声:Oh、ジーザスッ!)」


取りあえずあせるまささんの動きに、ねねさんが起きてきて怪訝な顔を向けてきます。


「おはよーございます。まささん、いたいどーしたんですか?」


「ああ、起こしてしまってごめんなさい。実は左腕が」


「おゥ! よくあることですね! わたしの前の彼氏も前の前の彼氏もおなじことなてました!」


「(心の声:前の彼氏に前の前の彼氏か。むゥ、ちょっと嫉妬心がわいてくるな。奴らもこのの身体を好き放題したのか。くそッ!)」


「おや、まささん。ちょと顔が怖いです」


「えッ! ああ、そうですか。ごめんなさい。他意はないんです」


「他意てなんですか? そんなことより、その腕、わたしが慰めてあげます。任せてください!」


ねねさんの手と唇と舌とが、まささんの左手指先から肩までを何度も何度も往復します。

血流が回復してひどいしびれに襲われるなか、妙な幸福感にとらわれるまささんなのでありました。

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